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G検定(ジェネラリスト検定)

ちょさくけんしんがい

著作権侵害

Copyright Infringement

著作権侵害とは、著作者に認められる複製権や公衆送信権などの権利を侵す行為を指す。著作権法第113条第1項は、侵害によって作られた物の輸入や、事情を知ったうえでの頒布などを侵害とみなしている。文化庁の資料は既存の判例の考え方を紹介し、既存の著作物との類似性と依拠性の両方が認められる場合に侵害となりうると整理している。生成AIの生成物にもこの考え方が当てはまりうるとしている。

詳しい説明

著作権侵害とは

著作権は、著作物を創作した著作者に認められる複数の権利をまとめた呼び名です。複製権、公衆送信権など、著作権法第21条から第28条に定められた個々の権利があり、これらは支分権と呼ばれます。著作権侵害は、こうした権利を侵す行為を指す語です。

G検定では、この語は第9章の著作権法とAI生成物の単元に置かれており、シラバス2024の対象キーワードに入っています。条文が侵害とみなす行為と、生成AIの生成物が侵害に当たりうるかを考える枠組みの2つを押さえておくと整理しやすくなります。

みなし侵害(第113条第1項)

著作権法第113条第1項は、権利を直接侵す行為そのものではなくても、侵害する行為とみなす行為を定めています。対象となる権利は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権、著作隣接権です。条文には次の2つの号があります。

第一号 輸入

国内で頒布する目的をもって、物を輸入する行為です。対象の物は、輸入の時点で国内で作成したとしたならば上記の権利の侵害となるはずの行為によって作成された物です。国外で作られた物であっても、国内で作っていれば侵害となる行為で作られた物を、国内で頒布する目的で輸入すれば、侵害とみなされます。

第二号 頒布など

上記の権利を侵害する行為によって作成された物について、情を知って、つまり事情を知ったうえで行う次の行為です。

  • 頒布すること
  • 頒布の目的をもって所持すること
  • 頒布の申出をすること
  • 業として輸出すること
  • 業として輸出するために所持すること

第一号は国内で頒布する目的があることを、第二号は情を知っていることを、それぞれ条件としている点に注意します。

類似性と依拠性という2つの考え方

文化庁の資料 AIと著作権に関する考え方について(令和6年3月15日、文化審議会著作権分科会法制度小委員会)は、既存の判例の考え方を次のように紹介しています。ある作品について、既存の著作物との類似性と依拠性の両方が認められる場合に著作権侵害となる、という考え方です。

類似性

類似性は、既存の判例で示された基準によって判断されると考えられる、と資料は整理しています。その基準は、既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができるかどうか、というものです。

依拠性

依拠性は、既存の著作物をもとにして作ったかどうかに関わる考え方です。生成AIについて資料は、AI利用者が既存の著作物、つまりその表現内容を認識していたかどうか等によって判断されると整理しています。

2つは別々の考え方で、資料の整理では、どちらか一方だけではなく両方が認められる場合に侵害となりうるとされています。

AI生成物との関わり

文化庁の資料は、生成AIによる生成物についても同じ考え方を当てはめています。生成と利用の段階で、既存の著作物との類似性と依拠性が認められれば、著作権侵害に当たりうるという整理です。

依拠性について資料は、AI利用者が既存の著作物を認識していたと認められる場合には依拠性が認められ、著作権侵害が成立すると考えられる、と整理しています。その例として、既存の著作物そのものを入力する Image to Image 等の使い方が挙げられています。

これは資料が示す一般的な考え方の整理です。個別の生成物が侵害に当たるかどうかは、類似性と依拠性をそれぞれの事情に照らして判断することになります。この単元で押さえるべきなのは、個々の結論ではなく、判断の枠組みです。

試験で問われること

G検定

  • 著作権法第113条第1項が侵害とみなす行為として、国内で頒布する目的での輸入(第一号)と、侵害によって作成された物を情を知って頒布するなどの行為(第二号)の2つを区別して説明できるか確認する
  • 第113条第1項第二号の行為が、頒布、頒布目的の所持、頒布の申出、業としての輸出、業として輸出するための所持であり、いずれも情を知って行う場合が対象であることを確認する
  • 文化庁の資料が紹介する既存の判例の考え方では、既存の著作物との類似性と依拠性の両方が認められる場合に著作権侵害となりうると整理されていること、また類似性は表現上の本質的な特徴を直接感得できるかで判断されると考えられていることを確認する
  • 生成AIについて文化庁の資料が、AI利用者が既存の著作物を認識していたと認められる場合(既存の著作物そのものを入力する Image to Image 等)には依拠性が認められると整理していることを確認し、これが個別の事案の結論ではなく一般的な考え方の整理であることを押さえる

最終更新日: 2026/09/23