子会社株式と関連会社株式
支配や影響力を目的に保有する株式について、子会社株式・関連会社株式として処理できるようになります。
ねらい
他の会社を支配したり、経営に影響を与えたりする目的で保有する株式の処理を学びます。このレッスンを終えると、子会社株式と関連会社株式を区別して仕訳できるようになります。
ストーリー
あなたの会社は事業を広げるため、取引先であるR社を傘下に収めることにしました。R社の発行済株式の60%を ¥5,000,000 で取得します。過半数の株式を持てば、株主総会の決議を単独で左右でき、R社の経営を支配できます。
このように、他の会社を支配する目的で保有する株式は**「子会社株式(こがいしゃかぶしき)」という資産の勘定で記録します**。支配される側のR社を子会社、支配する当社を親会社と呼びます。
一方、支配するほどではないものの、経営に重要な影響を与えられる程度に株式を持つこともあります。目安は議決権の20%以上です。この場合の相手の会社を関連会社といい、その株式は**「関連会社株式(かんれんがいしゃかぶしき)」という資産の勘定で記録します**。
図解
保有目的による勘定の使い分けについて、この章の総まとめとして整理します。
| 保有目的 | 勘定科目 | 決算日の評価 |
|---|---|---|
| 時価の変動で利益を得る | 売買目的有価証券 | 時価法(評価差額は損益) |
| 満期まで保有する | 満期保有目的債券 | 償却原価法(定額法) |
| 他の会社を支配する | 子会社株式 | 取得原価のまま |
| 経営に重要な影響を与える | 関連会社株式 | 取得原価のまま |
子会社株式と関連会社株式は、売り買いして利益を出すための資産ではなく、事業のために長く持ち続ける資産です。時価が日々変わっても経営の目的は変わらないため、決算日に評価替えをせず、取得原価のまま据え置きます。
仕訳と理由
R社株式を取得したときの仕訳です。代金は普通預金口座から支払いました。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 子会社株式 | 5,000,000 | 普通預金 | 5,000,000 |
借方は子会社株式です。発行済株式の過半数を取得して支配が成立するので、売買目的有価証券ではなく子会社株式という資産の勘定を使い、借方に記入します。取得のために手数料がかかった場合は、売買目的有価証券と同じように取得原価へ含めます。貸方は、口座から出ていったお金を普通預金の減少として記入します。
ポイント
決算日には仕訳をしません。取得原価のまま据え置くのがルールだからです。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
S社の発行済株式の25%を ¥1,800,000 で取得し、代金は普通預金口座から支払った。この取得によりS社の経営に重要な影響を与えられるようになった。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 関連会社株式 | 1,800,000 | 普通預金 | 1,800,000 |
議決権の25%の取得で、支配には至らないものの経営に重要な影響を与えられるので、S社は関連会社です。資産の勘定である関連会社株式を借方に記入します。
応用
次の取引を仕訳してみましょう。
T社の発行済株式の55%を1株 ¥2,400 で2,000株取得し、購入手数料 ¥40,000 とともに代金は後日支払うこととした。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 子会社株式 | 4,840,000 | 未払金 | 4,840,000 |
株式の代金は 2,000株 かける ¥2,400 で ¥4,800,000 です。購入手数料 ¥40,000 を取得原価に含めるので、子会社株式は ¥4,840,000 になります。過半数の取得なので勘定は子会社株式です。株式の購入は商品売買以外の取引なので、後日支払う代金は未払金という負債の勘定で貸方に記入します。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
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