たんいぎょうれつ
単位行列
Identity Matrix
対角成分がすべて1で、それ以外の成分がすべて0である正方行列です。掛けても値を変化させない性質を持ち、数値の1と同じ役割を果たすため行列計算の初期化などに使われます。
詳しい説明
1. 定義
単位行列は、対角成分(左上から右下への並び)がすべて1で、それ以外の成分がすべて0である正方行列で、記号Iで表します(DOM-1302(基本情報技術者試験シラバス Ver.9.2)テクノロジ系 大分類1 基礎理論 2.応用数学(2)数値計算、用語例「単位行列」)。どんな正方行列Aに掛けてもAI=IA=Aとなり、行列における「1」の役割を果たします。
2. 計算式とその意味
n次の単位行列Iは、i行j列成分が「i=jのとき1、i≠jのとき0」で定義されます。2×2の単位行列はI=[[1,0],[0,1]]、3×3の単位行列はI=[[1,0,0],[0,1,0],[0,0,1]]です。
3. 計算例
A=[[3,5],[2,4]]に単位行列I=[[1,0],[0,1]]を掛けると、A・I=[[3×1+5×0,3×0+5×1],[2×1+4×0,2×0+4×1]]=[[3,5],[2,4]]となり、Aと変わりません。掛けても値を変化させないことが確かめられます。
4. 検定試験での視点
対角成分のみ1であるという定義、掛けても元の行列が変化しないという性質、逆行列との関係(A・A^(−1)=I)が問われます。
5. 紛らわしい制度・語との違い
逆行列との違いは役割です。単位行列は「掛けても変化させない」基準となる行列そのものであり、逆行列は元の行列に掛けたときに単位行列を作り出す行列です。
試験で問われること
基本情報技術者試験
- 対角成分のみ1であることが問われます。
- 掛け算において変化しない性質が問われます。
- 記号Iで表されることが多いことが問われます。