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ぜんぶげんかけいさん

全部原価計算

変動製造原価と固定製造間接費の両方を製品原価に含めて計算する手法です。財務諸表作成に適した伝統的手法であり、直接原価計算との利益差(固定費調整)が試験の重要な論点となります。

詳しい説明

1. 定義

全部原価計算は、変動製造原価だけでなく、固定製造間接費を含めたすべての製造原価を製品原価として計算する原価計算の方法です。財務諸表を作成するための伝統的な手法で、外部報告用の利益計算に用いられます。

2. 制度・考え方の内訳

固定製造間接費は、操業度などの配賦基準で各製品に配賦され、製品原価の一部として棚卸資産(仕掛品・製品)にも配分されます。そのため、期末に売れ残った製品の分だけ固定費が翌期に繰り越され、当期の費用にならない点が特徴です。企業会計原則や原価計算基準は、外部への財務報告において全部原価計算を前提としています。

3. 日商簿記検定での視点

直接原価計算で計算した営業利益との差異を、期末・期首棚卸資産に含まれる固定製造間接費の増減で調整する「固定費調整」の計算が頻出論点です。

4. 紛らわしい制度・語との違い

直接原価計算との違いは固定製造間接費の扱いです。全部原価計算は固定費を製品原価に含めて棚卸資産へ配分しますが、直接原価計算は固定費を発生した期間の費用(期間原価)として即座に計上します。このため生産量と販売量が異なる期では、両者の営業利益が一致しません。

5. 身近な例

一般的な製造業が株主向けに公表する決算書の原価は、固定費も製品原価に含める全部原価計算にもとづいて計算されています。

試験で問われること

日商簿記検定

  • 固定製造間接費を製品原価に配賦して計上する処理が重要です。
  • 直接原価計算との利益の違い(固定費調整)について問われる問題が頻出です。
  • 製造間接費の配賦計算と合わせて理解する必要があります。