日本商工会議所簿記検定試験(日商簿記)
2級
まんきほゆうもくてきさいけん
満期保有目的債券
Held-to-Maturity Bond
満期まで保有する意図で取得した債券です。時価評価は行わず、取得原価で計上します。日商簿記検定では償却原価法による金額修正が重要で、売買目的有価証券との取り扱いの違いが頻出します。
詳しい説明
1. 定義
満期まで持ち続ける意図で取得した社債などの債券です。時価が動いても評価替えをせず、取得原価のまま貸借対照表に載せます。
2. 計算式とその意味
額面と取得価額に差があり、それが金利の調整と認められるときは、償却原価法で帳簿価額を毎期少しずつ額面へ近づけます。
当期の償却額 =(額面金額 - 取得価額)÷ 償還までの年数
この償却額は有価証券利息として収益に加え、同額だけ帳簿価額を増やします(取得価額が額面より低い場合)。満期日には帳簿価額がちょうど額面と一致します。時価評価ではなく、金利の後払い分を期間に割り振る計算です。
3. 実際の数値を使った計算例
額面 100,000円の社債を、発行と同時に 96,000円で取得した(償還まで4年)。
当期の償却額は(100,000円 - 96,000円)÷ 4年 = 1,000円。
(借)満期保有目的債券 1,000 /(貸)有価証券利息 1,000
帳簿価額は毎期1,000円ずつ増え、96,000円・97,000円・98,000円・99,000円と進んで、満期には100,000円(額面)になります。
5. 紛らわしい制度・語との違い
売買目的有価証券は時価評価して差額を損益にします。満期保有目的債券は時価を見ず、償却原価法で計算した額を帳簿価額とします。同じ「決算で帳簿価額が動く」でも、理由がまったく違います。
試験で問われること
日商簿記2級
- 時価評価をしない点と、金利調整と認められる場合だけ償却原価法を使う点が問われます。
- 償却額 =(額面金額 - 取得価額)÷ 償還までの年数 の計算式が問われます。
- 償却額は有価証券利息として処理する(評価益ではない)点が問われます。
- 時価評価をしない点と、差額が金利調整と認められる場合だけ償却原価法を使う点が問われます。償却額を有価証券利息として処理する(評価益ではない)ことも要点です。上の例は毎期同額を割り振る定額法で、検定ではこちらが主に出ます。
最終更新日: 2026/09/23