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日商簿記2級はどんな試験か、3級との違いと合格の基準

公開 2026/08/10 10:00 / 更新 2026/09/12 01:00

日商簿記2級は商業簿記と工業簿記の2科目、90分で5題以内。合格の基準は「70%以上」です。範囲は3級の62項目から157項目へ2.5倍になり、増えた95項目のうち92項目が工業簿記です。

3級に合格して次の目標を考えるときや、最初から2級を目指すときには、3級との違いがどの程度あるのかが気になるところです。難易度が上がると耳にしても、具体的に何がどう増えるのかが分からないと必要な学習時間の見当もつきません。しかし、日本商工会議所が公表している資料を3級と並べて確認すると、増える学習範囲がはっきりと1か所に集中していることが分かります。

この試験はどんな試験か

日商簿記2級の基本的な試験構成は次のとおりで、科目が2つに増える点が3級との大きな違いです。

項目内容
試験科目商業簿記、工業簿記(原価計算を含む)の2科目
試験時間90分
出題5題以内
合格の基準70%以上

3級と並べて比較すると、その違いがより明確になります。試験時間や題数だけを見ると差は小さく感じられますが、実際には科目の違いがもっとも大きな影響を及ぼします。

項目3級2級
科目商業簿記のみ商業簿記と工業簿記の2科目
時間60分90分
出題3題以内5題以内
合格の基準70%以上70%以上

最大の違いは、工業簿記という科目がまるごと追加される点にあります。試験時間は30分延び、出題数も2題増えますが、それ以上に「扱う領域が1つ増える」という変化が学習の負担として大きく効いてきます。そのため、単なる3級の延長線上の感覚で臨むとつまずきやすくなります。

商業簿記が「商品を仕入れて売る」企業の記録であるのに対し、工業簿記は「製品を作って売る」企業の記録です。材料の購入から作業員の稼働、機械の稼働を経て製品が完成するまでにいくらかかったのかを追跡していくため、同じ簿記であっても考え方の出発点自体が異なります。

合格の基準は70%以上で配点は非公表

3級と同様に公式が示している基準は「70%以上」という割合の表記であり、「70点以上」と定められているわけではありません。また、商業簿記と工業簿記の間でどのように配点されるかも公表されておらず、日本商工会議所はネット試験の案内において次のように記載しています。

試験問題の内容および採点内容、採点基準・方法についてのご質問には、一切回答できません

ネット上では「商業簿記60点・工業簿記40点」といった配点目安が見受けられますが、公式な出どころは存在しません。「工業簿記だけで何点取れば合格できるか」といった得点計画は公式情報からは組み立てられないため、代わりに5題以内という全体の出題数のうち工業簿記が何題を占めているかを手がかりにします。この構成は実際に問題を解いていく中で確認できます。

何が出るか

2級では商業簿記と工業簿記の2科目があるため、出題範囲を定めた区分表も科ごとに2種類用意されています。教材を選ぶ際にも、これら双方の区分表に対応しているかを確認する必要があります。

  • 商業簿記・会計学 出題区分表 … 第一から第七までの大きな区分
  • 工業簿記・原価計算 出題区分表 … 第一から第二十までの大きな区分

区分の数を見ても、工業簿記のほうが細かく分類されていることが分かります。第一「工業簿記の本質」から第二十「戦略の策定と遂行のための原価計算」まで網羅されていますが、このすべてが2級の出題範囲というわけではありません。区分表は1級までを含めて作成されており、級ごとに適用される範囲が区分されています。

2級の範囲に該当する項目を数えると、商業簿記65項目、工業簿記92項目の合計157項目となり、3級の62項目と比べて約2.5倍に拡大します。さらに、増加した95項目のうち92項目を工業簿記が占めています。つまり、2級で増える学習量の大部分は、3級で一度も扱っていない未知の科目によるものです。一方の商業簿記については、3級で扱った基礎の上に発展的な区分が加わり、3級では除外されていた論点が正面から問われる構成になっています。

3級62項目に対して2級は157項目。増えた95項目のうち92項目が、3級で一度も触れていない工業簿記です。

毎年4月1日時点の法令への準拠

出題基準については3級と同様に「毎年度4月1日現在施行されている法令等に準拠して出題します」と定められています。特に2級で留意したいのは、出題区分表そのものが改定される点です。現行の区分表は2022年度施行のものであり、すでに2027年4月1日施行の改定版も公表されています。ただし、改定版には「2027年度試験に適用」と明記されているため、それ以前の試験では現行の区分表がそのまま適用されます。

内容が古い教材や先取りしすぎた教材を使用すると学習範囲にずれが生じるため、購入時には奥付や案内文を確認し、教材がどの年度の区分表に準拠しているかを事前に確かめておく必要があります。

受け方は3級と同じ3つ

受験方式には統一試験(ペーパー形式)、団体試験、ネット試験の3つがあり、ネット試験と統一試験の合格が同等に扱われる点も3級と共通です。ネット試験はテストセンターが設定する任意の試験日程から選択でき、試験終了後すぐに自動採点で合否が判明します。学習の仕上がり状況を見極めてから受験日を決められる利便性は、2級においても同様です。

よくある質問

3級に合格していないと2級は受けられませんか

日本商工会議所の案内には受験資格に関する制限が記載されておらず、3級の合格を受験の必須条件とする規定はありません。ただし、受験できることと合格の狙いやすさは別問題です。2級の商業簿記は3級の理解を前提として積み上げる構成になっているため、3級の学習範囲を通過していない場合は、まずその基礎固めから始めることになります。

工業簿記と商業簿記はどちらから始めるとよいですか

公式から学習順序の指定はないため、個々の学習計画の立て方に応じた選択になります。工業簿記は3級で未習の分野であるため慣れるまでの助走期間が必要ですが、出題形式のパターンが比較的安定している特徴もあります。2科目を並行して進めるスケジュール設計については、日商簿記2級 商業簿記と工業簿記を並行して続けるやり方で詳しく取り上げています。

次の試験はいつですか

統一試験の実施日程およびネット試験の申込受付状況は、日本商工会議所の簿記のページで公開されています。統一試験の実施前後はネット試験の休止期間が設けられ、数週間に及ぶ場合もあるため、事前のスケジュール確認が欠かせません。

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一次出典