日商簿記2級はどんな試験か、3級との違いと合格の基準
2026/08/20日商簿記2級は商業簿記と工業簿記の2科目、90分で5題以内。合格の基準は「70%以上」です。3級から何がどう増えるのか、公式の資料をもとに整理しました。
3級に受かって次を考えるとき、あるいは最初から2級を目指すとき、「3級とどれくらい違うんだろう」というところが気になりますよね。難易度が上がるとは聞くけれど、何がどう増えるのかがわからないと、必要な時間の見当もつきません。
この記事では、日本商工会議所が公表している資料をもとに、簿記2級の試験の形を整理します。3級と並べて見ると、増える部分がはっきり1か所に集まっていることがわかります。
この試験はどんな試験か
日商簿記2級の基本の形です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験科目 | 商業簿記、工業簿記(原価計算を含む)の2科目 |
| 試験時間 | 90分 |
| 出題 | 5題以内 |
| 合格の基準 | 70%以上 |
3級と並べると、違いがくっきり出ます。
| 項目 | 3級 | 2級 |
|---|---|---|
| 科目 | 商業簿記のみ | 商業簿記と工業簿記の2科目 |
| 時間 | 60分 | 90分 |
| 出題 | 3題以内 | 5題以内 |
| 合格の基準 | 70%以上 | 70%以上 |
いちばん大きい違いは、工業簿記という科目がまるごと増えることです。時間は30分、題数は2題増えますが、それ以上に「そもそも扱う世界が1つ増える」という変化のほうが重く効きます。
商業簿記が「仕入れて売る」会社の記録だとすれば、工業簿記は「作って売る」会社の記録です。材料を買い、人が手を動かし、機械を動かして、製品ができあがるまでにいくらかかったのかを追いかけます。同じ簿記という名前がついていても、考え方の出発点が違います。
合格の基準は「70%以上」。配点は公表されていません
3級と同じく、公式が示している基準は「70%以上」という表記です。「70点以上」ではありません。
そして商業簿記と工業簿記にどう点が配分されるかは、公表されていません。日本商工会議所は、ネット試験の案内でこう述べています。
試験問題の内容および採点内容、採点基準・方法についてのご質問には、一切回答できません
ネット上には「商簿60点・工簿40点」といった数字が流れていますが、公式の出どころはありません。「工業簿記だけで何点取れば」という計算は、公式の情報からは組み立てられないということです。
代わりに使える考え方があります。5題以内という題数のうち、工業簿記が占める題数です。ここは実際に問題を解いていけば見えてきます。試験の形そのものから、自分で確かめられる部分です。
何が出るか
2級には、出題範囲を定めた資料が2種類あります。科目が2つあるからです。
- 商業簿記・会計学 出題区分表 … 第一から第七までの大きな区分
- 工業簿記・原価計算 出題区分表 … 第一から第二十までの大きな区分
区分の数を見ただけで、工業簿記のほうが細かく分かれていることがわかります。第一「工業簿記の本質」から始まり、第二十「戦略の策定と遂行のための原価計算」まで並んでいます。ただし2級の範囲はこのすべてではありません。区分表は1級までを含めて作られていて、級ごとに範囲の線が引かれています。
2級の範囲にあたる項目を数えると、商業簿記65項目・工業簿記92項目の合計157項目です。3級は62項目なので、2.5倍になります。
さらに、増えた95項目のうち92項目が工業簿記です。2級で増える量のほとんどが、3級で一度も触れていない科目だということになります。
商業簿記のほうは、3級で扱った区分に加えて、上の級の区分が範囲に入ってきます。3級で「まだ出ない」とされていた論点が、2級では正面から問われるようになります。
出題は毎年4月1日時点の法令にそろえられます
3級と同じく、公式は「毎年度4月1日現在施行されている法令等に準拠して出題します」と示しています。
2級で特に気をつけたいのが、出題区分表そのものが改定されることです。現行の区分表は2022年度施行のもので、2027年4月1日施行の改定版がすでに公表されています。改定版は「2027年度試験に適用」と明記されているので、それより前の試験では現行の区分表が使われます。
古い教材や、逆に先取りしすぎた教材を使うと、範囲がずれます。教材がどの年度の区分表に沿っているかは、最初に確かめておきたいところです。
受け方は3級と同じ3つ
統一試験(ペーパー形式)・団体試験・ネット試験の3つがあり、ネット試験の合格と統一試験の合格は同じ扱いという点も3級と変わりません。ネット試験は各会場が設定する任意の日に受けられ、終了後にシステムが自動採点して合否が出ます。
よくある質問
3級に合格していないと2級は受けられませんか
日本商工会議所の2級の案内には、受験資格についての記載がありません。3級の合格を条件とする記述は示されていない、という読み方になります。
ただし、受けられることと、受かりやすいことは別です。2級の商業簿記は3級で扱った内容の上に積み上がる形になっているので、3級の範囲を通っていない場合はそこから始めることになります。
工業簿記と商業簿記は、どちらから始めるとよいですか
公式が順番を示しているわけではないので、ここは学習の組み立ての話になります。工業簿記は3級で一度も触れていない分野なので、慣れるまでの助走が要ります。一方で、出題の形が比較的そろっていると言われる分野でもあります。どちらを先にするかは、次の記事で扱います。
次の試験はいつですか
統一試験の日程とネット試験の受付状況は、日本商工会議所の簿記のページで公表されています。統一試験の前後にはネット試験を休む期間があるので、申し込みの前に確認しておきましょう。
次に読むもの
- 日商簿記2級 勉強時間の目安と工業簿記の進め方 … どれくらいかかるか、工業簿記をどう進めるか
- 日商簿記2級 商業簿記と工業簿記を並行して続けるやり方 … 2科目をどう回すか
- 日商簿記2級 試験当日の流れと90分の使い方 … 解く順番と時間の配分