日商簿記2級 試験当日の流れと90分の使い方
2026/08/20簿記2級は90分で5題以内。商業簿記と工業簿記が混ざるので、解く順番を先に決めておくかどうかで結果が変わります。当日の持ち物と時間配分をまとめました。
簿記2級の当日でいちばん結果を分けるのが、解く順番です。
3級は3題以内で科目も1つでしたが、2級は5題以内で、商業簿記と工業簿記が混ざります。頭から順に解いていくと、得意な問題に届く前に時間がなくなることがあります。
試験の形
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 90分 |
| 出題 | 5題以内 |
| 科目 | 商業簿記、工業簿記(原価計算を含む) |
| 合格の基準 | 70%以上 |
90分で5題なので、1題あたり18分という計算になります。ただし、題によってかかる時間はかなり違います(試験の形そのものは日商簿記2級はどんな試験か、3級との違いと合格の基準にまとめています)。
解く順番は先に決めておきましょう
大問ごとの配点は公表されていません。日本商工会議所は「採点基準・方法についてのご質問には、一切回答できません」と明記しています。
だから、「どの問題が何点だから先に解く」という組み立てはできません。代わりに使えるのが、自分にとってどの題が速く確実に解けるかです。
多くの方に共通する組み方は、こうなります。
- 仕訳の問題から始める。短時間で確実に取れる
- 工業簿記へ移る。出題の形が安定していて、手が動きやすい
- 商業簿記の総合問題を最後にする。時間がかかり、途中で詰まりやすい
工業簿記を先に解くのが、この試験の1つの型です。理由は、工業簿記が「出題の形が比較的そろっている」からです。同じ型の問題が繰り返し出るので、練習どおりに手が動きます。
一方で商業簿記の総合問題は、決算整理が絡むと1つの誤りが後ろへ波及します。時間が残り少ない状態で入ると、焦って崩れやすいところです。
ただし、これは絶対の順番ではありません。練習のときに自分の解く速さを測って、自分の順番を決めておきましょう。当日その場で考えるのがいちばん危ない形です。
1題に使う時間の上限を決めておきましょう
順番を決めても、1題に沈むと崩れます。
だから、題ごとに「ここまでで切り上げる」時間を決めておきましょう。たとえば1題18分なら、20分を過ぎたら次へ行く、と決めておきます。
簿記の問題は、途中まで書いた解答にも部分点がつく形になっています。完成させられなくても、そこまでの記入は残ります。1題を完璧にするより、5題すべてに手をつけるほうが、7割へ届きやすくなります。
ネット試験では、計算用紙が2枚配られます
ネット試験を受ける場合、日本商工会議所の案内によると、会場がA4サイズの紙2枚と筆記具を用意して配ります。筆記具はボールペンです。自分の紙やペンを持ち込む必要はありません。
そして、使い終わった計算用紙は試験終了後に回収されます。持ち帰ることはできません。
2枚しかないので、行き当たりばったりに書くと足りなくなります。2級は5題あり、工業簿記では図や表を書くことも多いので、3級より紙の消費が早くなります。
使い方を先に決めておきましょう。
- 1枚目を商業簿記、2枚目を工業簿記と決めて分ける
- 仕訳は勘定科目と金額だけを簡潔に書く
- 工業簿記の原価の流れは、小さめの箱の図で書く
- 1題ごとに区切りの線を引く
紙の使い方も、練習のときから同じにしておきましょう。本番だけ変えると、書く場所を探すところで時間を使います。
電卓の桁下げキーと、下3桁を落とす打ち方
2級は3級より計算の量が増えるので、電卓の使い方がそのまま時間の差になります。
桁下げキーを覚えておきましょう。電卓の「→」や「▷」の印のついたキーで、最後に打った1桁だけを消せます。パソコンのバックスペースと同じ動きです。打ち間違えるたびに全部消して打ち直すのと比べると、90分の中では大きな差になります。
このキーは、下に挙げる持ち込めない機能のどれにも当たりません。入力を訂正するためのキーだからです。
下3桁の0を落として打ちましょう。2,500,000 + 950,000 を計算するとき、0を3つ落として 2,500 + 950 と打ち、出た 3,450 に0を3つ戻します。打つ回数が減るぶん、速くなるうえに打ち間違いも減ります。落とす0の数は、その問題の中でそろえること。
工業簿記では、材料費・労務費・経費を集計する場面が繰り返し出てきます。同じ桁の数字を続けて足すことが多いので、この打ち方がとくに効きます。
貸借が合わないときは、差を2と9で割ってみましょう
決算の問題で借方と貸方が合わないとき、やみくもに見直す前に差額を2で割り、次に9で割ってみましょう。
- 2で割り切れる … 借方と貸方で逆に書いている金額が、差の半分にあたる可能性があります
- 9で割り切れる … 桁を1つ間違えたか、数字を入れ替えた可能性があります(100を1,000と書くと差は900、43を34と書くと差は9)
2級では工業簿記の集計でも同じ手が使えます。仕掛品や製品の勘定で貸借が合わないときも、原因の形は同じです。
それでも見つからなければ、深追いしないこと。5題ある試験なので、1題に沈むほうが損になります。
電卓の条件
電卓は自分のものを持ち込めます。ただし機能に条件があります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 使える機能 | 四則演算、日数計算、時間計算、換算、税計算、検算(音が出ないものに限る) |
| 使えない機能 | 印刷機能、メロディー機能、プログラム機能(関数電卓など)、辞書機能 |
| そろばん | 持ち込みできません |
関数電卓は持ち込めません。2級は計算の量が3級より多いので、本番で使う電卓に早くから慣れておきましょう。キーの配置が違うだけで、押し間違いが増えます。
統一試験とネット試験、どちらでも扱いは同じです
日本商工会議所は「ネット試験の合格と統一試験であるペーパー試験の合格は同じ扱い」と明記しています。どちらで取っても資格としての価値は変わりません。
違うのは受けられるタイミングです。統一試験は年に決まった回数、ネット試験は各会場が設定する任意の日に受けられます。
ネット試験には、もう1つ特徴があります。試験が終わるとシステムが自動で採点して、その場で合否が分かります。
前日にやることと、やらないこと
やること
- 解く順番をもう一度確かめる
- 電卓を実際に叩いて、感触を確かめる
- 間違えた問題の記録をざっと見返す
- 会場への行き方と所要時間を確かめる
やらないこと
- 新しい論点に手を出す
- 連結会計のような重い論点に、一から手をつける
残り1日で新しい範囲は入りません。それより、手が覚えている仕訳を確かめておくほうが当日に効きます。
よくある質問
工業簿記から解くのが有利ですか
公式が順番を示しているわけではないので、これは学習の組み立ての話です。工業簿記は出題の形が比較的そろっているので、手が動きやすいという性質があります。
ただし、工業簿記が苦手なら無理に先にする必要はありません。練習のときに自分の解く速さを測って決めましょう。
時間が足りなくなったらどうすればよいですか
空欄を残さないことを優先しましょう。簿記は途中まで書いた解答にも記入が残ります。分かるところだけでも書いておくほうが、まったく手をつけないより結果につながります。
計算用紙が足りなくなったら
2枚しか配られないので、消しゴムで不要な部分を消して書き直すか、暗算で済ませられる計算を増やして紙の消費を抑えることになります。練習のときからA4を2枚に収める形で解いておくと、当日にあわてません。
次の試験はいつですか
統一試験の日程とネット試験の受付状況は、日本商工会議所の簿記のページで公表されています。統一試験の前後にはネット試験を休む期間があるので、申し込みの前に確かめておきましょう。