日商簿記2級 商業簿記と工業簿記を並行して続けるやり方
2026/08/20簿記2級は科目が2つあるぶん、片方に寄ると崩れます。どちらかを完全に終えてからではなく、並行して少しずつ進める形と、その具体的な組み方をまとめました。
簿記2級の勉強でいちばん多い崩れ方は、片方の科目に寄ることです。
商業簿記は3級の続きなので進みます。工業簿記は新しい世界なので進みにくい。そして気がつくと、商業簿記だけが進んでいて、工業簿記に手をつけていない。あるいはその逆で、工業簿記に集中しているうちに商業簿記の感覚が鈍る。
2科目あるということは、続けかたも2科目ぶん考える必要があるということです。
どちらかを完全に終えてから、はやめましょう
「まず商業簿記を全部終わらせて、それから工業簿記」。これがいちばん危ない組み方です。
工業簿記を最後に回すと、慣れるまでの時間が足りなくなります。工業簿記は3級で一度も触れていない分野なので、最初の助走に時間がかかります。試験前にその助走を始めるのは、間に合わないことが多くなります。
逆に工業簿記だけを長く続けると、今度は商業簿記の仕訳の感覚が鈍ります。簿記は手を動かして保つ技術なので、しばらく離れると戻すのに時間がかかります。
だから、両方を並行して、少しずつ進めましょう。
曜日で科目を割り当ててしまいましょう
並行するといっても、1日の中で両方やろうとすると疲れます。曜日で分けるのが現実的です。
| 曜日 | やること |
|---|---|
| 月・水・金 | 商業簿記 |
| 火・木・土 | 工業簿記 |
| 日 | その週に間違えた問題の解き直し |
曜日で決めると、「今日はどっちをやろう」で迷いません。それだけで着手が早くなります。
商業簿記を3日にしているのは、範囲が広いからです。ただし工業簿記を2日に減らすと助走が足りなくなるので、3日ずつが組みやすい形です。
工業簿記は、図を書く日と決めましょう
工業簿記でいちばん効くのが、原価がどこからどこへ動いたかを図で追うことです。
材料が工場に入り、加工されて仕掛品になり、完成して製品になり、売れて売上原価になる。箱を並べた図で、この流れを書きます。数字が箱から箱へ移っていくのが見えると、仕訳が何をしているのかがつかめます。
だから、工業簿記の日には紙とペンを必ず出しましょう。読むだけで済ませると、頭の中でどの費用を計算しているのか見失います。
紙を出しっぱなしにしておくのも1つの方法です。取りに行く動作が1つ入るだけで、「今日は読むだけにしよう」となります。
進んだ量は、科目ごとに別々に数えましょう
合計の勉強時間を記録しても、2級ではあまり役に立ちません。片方に偏っていても、合計時間は増えていくからです。
だから、2つの数字を別々に数えましょう。
- 商業簿記 … 解いた問題の数
- 工業簿記 … 解いた問題の数
「商簿 200問、工簿 60問」のように並べて書くと、偏りが目に見えます。片方の数字が1週間動いていなかったら、そこが危ないところです。
工業簿記は、型を1つ覚えると次に使えます
工業簿記を続けるうえで、励みになる性質があります。出題される形が比較的そろっていることです。
商業簿記のように「初めて見る論点が出る」ことが少なく、材料費・労務費・経費という3つの原価をどう集計するか、という同じ型が何度も出てきます。
つまり、型を1つ覚えると、そのまま次の問題にも使えます。最初の助走を越えたあとは、商業簿記より進みが速く感じられることも珍しくありません。
最初の2週間がいちばんきついところです。そこを越えれば楽になる、と知っているだけで続けやすくなります。
連結会計で止まったら、飛ばしましょう
2級の商業簿記でいちばん多くの方がつまずくのが、連結会計です。
ここで止まって全体が進まなくなるより、付箋を貼って先へ行くほうが結果的に早く仕上がります。2周目に戻ってくると、あっさり読めることがよくあります。
連結会計は範囲の最後のほうに置かれていることが多いので、ここで止まると「あと少しなのに終わらない」状態になります。それがいちばん気持ちが折れる形です。飛ばして一巡を終えたほうが、達成感が残ります。
3級の復習は、必要になったときだけにしましょう
「3級を完璧に思い出してから2級へ」と考えたくなりますが、その必要はありません。
2級の商業簿記を解いていれば、3級の仕訳は毎回出てきます。手を動かすうちに戻ってきます。
先に復習から始めると、それだけで数週間かかり、2級に入る前に力尽きます。進みながら戻るのが、続けるうえでは楽な形です。
よくある質問
工業簿記が全然わかりません。続けて意味がありますか
あります。工業簿記は最初の2週間がいちばんきつい分野です。原価の流れという考え方そのものが新しいので、慣れるまでは何をしているかつかめません。
図を書きながら、同じ型の問題を10問ほど解いてみましょう。そのあたりから、急に見えるようになることがよくあります。
平日はまったく時間が取れません
平日は工業簿記の図を1つ書くだけにして、商業簿記を週末にまとめる形でも進みます。工業簿記だけは短くても毎日、商業簿記は週末に寄せるという割り切り方です。
工業簿記は慣れが要るので頻度が効き、商業簿記は3級の延長なのでまとめてでも進みます。
どれくらいの期間で仕上がりますか
一般に、およそ200時間から350時間が目安といわれます。くわしくは日商簿記2級 勉強時間の目安と工業簿記の進め方にまとめています。