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G検定(ジェネラリスト検定)

おんせいごうせい

音声合成

TTS

Text-to-Speech

音声合成(TTS)は、テキストを入力として、そのテキストに対応する音声波形を生成するタスクです。音声認識(ASR)とちょうど逆向きの変換にあたります。

詳しい説明

音声合成とは何か

音声合成(TTS。Text-to-Speech)は、与えられたテキストを音響的な波形に写し取るタスクです。英語では text-to-speech のほかに speech synthesis とも呼ばれます。音声認識(ASR)は音声を受け取ってテキストを出力するので、音声合成はその処理をちょうど逆向きにしたものと位置づけられます。

現代の音声合成は、単に文字を読み上げるだけのものではありません。利用者が指定した特定の声で、目的のテキストに対応する音声波形を生成することが課題になります。

機械式の合成器から始まった歴史

音声を人工的に作る試みは古くからあります。チェスを指す自動人形 Mechanical Turk で知られる発明家ヴォルフガング・フォン・ケンペレン(Wolfgang von Kempelen)は、1769年から1790年にかけて、文全体を話すことのできる最初の音声合成器を作りました。この装置では、肺の代わりに蛇腹(ふいご)、口と鼻の代わりにゴム製のマウスピースと鼻の開口部、声帯の代わりにリードを使い、摩擦音はさまざまな笛で、破裂音に必要な空気の噴出は小さな補助の蛇腹で作りました。操作する人が両手でレバーを動かして開口部を開け閉めし、柔らかい革でできた声道の形を調整することで、さまざまな子音や母音を出し分けました。

それから2世紀以上が経ち、合成器はもう木や革では作られず、人が操作する必要もなくなりました。

音声合成の応用

音声合成は幅広い用途に使われています。人と対話する音声言語のシステムの発話、文章の読み上げ、ゲームのほか、神経の病気によって声を失った人のために音声を作る用途もあります。その例として、ALS によって声を使えなくなった後の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング(Steven Hawking)博士が挙げられます。

単一話者方式から話者非依存方式へ

音声合成の作り方は大きく変わりました。かつては、1人の話者の音声を実験室で数百時間分集め、それで大きなシステムを訓練していました。こうしてできたシステムはその1つの声でしか話せず、別の声が欲しければ、別の話者からあらためてデータを集め直す必要がありました。

現代の方法では、数千人の話者による数万時間分の音声で、特定の話者に依存しない(話者非依存の)合成器を訓練します。訓練で一度も使われていない新しい声で話させたいときは、その話者のごく少量の音声を手がかりにして声を作ります。そのため、現代の音声合成システムへの入力は、テキストのプロンプトと、生成したい声の音声を3秒程度、という組み合わせになりえます。

音声波形を生成する具体的なモデルの仕組みについては、WaveNet の項目で扱います。

試験で問われること

G検定

  • 音声合成(TTS)はどのような入力からどのような出力を作るタスクか、音声認識(ASR)との関係にも触れて説明してください。
  • かつての音声合成は1人の話者から数百時間の音声を集めて訓練していました。この方式にはどのような制約がありましたか。
  • 現代の話者非依存の音声合成は、どのようなデータで訓練され、訓練に含まれない新しい声をどのように作るか説明してください。
  • 音声合成の応用例として、対話システム、読み上げ、ゲーム、発声を失った人の支援などが挙げられます。どのような場面で役立つか説明してください。

最終更新日: 2026/09/23