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G検定(ジェネラリスト検定)

こうせいきょうそうそがいせい

公正競争阻害性

Tendency to Impede Fair Competition

公正競争阻害性とは、独占禁止法が不公正な取引方法を定める第二条第九項第六号に書かれている、公正な競争を阻害するおそれという性質を一語で表した言葉です。

詳しい説明

定義

公正競争阻害性は、独占禁止法(昭和二十二年法律第五十四号)の第二条第九項で使われている考え方です。第二条第九項は、この法律でいう不公正な取引方法とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう、と定めています。そのうち第六号は、前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに該当する行為であって、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するもの、と定めています。

公正な競争を阻害するおそれという文言は、この第六号に書かれています。公正競争阻害性という語は、この文言が示す性質をひとまとまりで呼ぶときに使われる言葉です。G検定シラバス2024では、中項目の不正競争防止法と独占禁止法に、この語が対象キーワードとして挙げられています。

制度の要点

不公正な取引方法の組み立て

第二条第九項の不公正な取引方法は、大きく2つの部分から成ります。

  • 第一号から第五号は、法律そのものが具体的な行為類型を定めている部分です。正当な理由のない共同での供給拒絶、差別的な対価での継続的な供給、供給に要する費用を著しく下回る対価での継続的な供給、再販売価格の拘束、優越的地位の濫用などが挙げられています。
  • 第六号は、それ以外の行為のうち、公正な競争を阻害するおそれがあるもので、公正取引委員会が指定するものを対象にする部分です。

第六号に挙げられている行為の種類

第六号は、イからヘまでに次のような行為を挙げています。

  • イ 不当に他の事業者を差別的に取り扱うこと(不当な差別的取扱い)
  • ロ 不当な対価をもって取引すること(不当な対価による取引)
  • ハ 不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、又は強制すること(不当な顧客誘引や取引の強制)
  • ニ 相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもって取引すること(拘束条件付取引)
  • ホ 自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること(優越的地位の濫用)
  • ヘ 自己や、自己が株主又は役員である会社と国内で競争関係にある他の事業者の取引を妨害する行為など(競争者に対する取引妨害など)

これらの行為に当たり、かつ公正な競争を阻害するおそれがあり、さらに公正取引委員会が指定したものが、第六号の不公正な取引方法になります。行為の形だけでなく、公正な競争を阻害するおそれがあるかどうかが要件に含まれている点が、公正競争阻害性という語が注目される理由です。

競争制限との違い

独占禁止法には、公正競争阻害性と対比される考え方として、競争制限があります。競争制限とは、独占禁止法が私的独占や不当な取引制限(いわゆるカルテルなど)について定める考え方で、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することを指します。市場全体の競争が実際に大きく損なわれる状態を問題にする考え方だと捉えると分かりやすいでしょう。

これに対して、不公正な取引方法の第六号が求めているのは、公正な競争を阻害するおそれです。一般に、競争の実質的制限ほど強い影響が市場に生じていなくても、公正な競争を損なうおそれがある段階で規制の対象になりうる、という違いがあると整理されます。

観点競争制限公正競争阻害性
主に関わる規制私的独占、不当な取引制限不公正な取引方法
要件の表現一定の取引分野における競争を実質的に制限すること公正な競争を阻害するおそれがあること
求められる影響の程度競争が実質的に制限されるほどの影響阻害するおそれの段階

どちらも競争への悪影響を問題にしますが、求められる影響の程度が異なる別々の要件である、という点を押さえておきましょう。

AIとの関わり

AIやアルゴリズムは、オンラインの取引の場で、商品や事業者の表示順位、推薦、価格の決定などに使われています。こうした仕組みを運営する事業者が、表示順位を操作したり、自社の商品やサービスを他社より有利に扱ったりする場合には、その内容によっては、不当な差別的取扱いや競争者に対する取引妨害など、不公正な取引方法の論点になりうると考えられています。

公正取引委員会は、2021年3月に、アルゴリズム/AIと競争政策という報告書を公表しており、ランキングの操作や自社優遇などの論点を取り上げています。

ただし、ある行為が公正な競争を阻害するおそれに当たるかどうかは、行為の内容や取引の状況など、個別の事情に照らして判断されるものです。AIを使っているという理由だけで不公正な取引方法に当たるわけではなく、また個別の事案が該当するかどうかは、ここでは断定できません。G検定の学習では、AIを使った取引の場でも、独占禁止法の公正競争阻害性という考え方が論点になりうる、という制度上の位置づけを理解しておくことが大切です。

試験で問われること

G検定

  • 公正な競争を阻害するおそれという文言が、独占禁止法第二条第九項(不公正な取引方法の定義)の第六号に書かれていることを確認しておきましょう。
  • 不公正な取引方法が、第一号から第五号の具体的な行為類型と、公正取引委員会が指定する第六号の行為から成り立っていることを説明できますか。
  • 第六号のイからヘに挙げられた行為の種類(不当な差別的取扱い、不当な対価による取引、不当な顧客誘引や強制、拘束条件付取引、優越的地位の濫用、競争者に対する取引妨害など)を確認しておきましょう。
  • 私的独占や不当な取引制限の要件である競争の実質的制限と、不公正な取引方法の要件である公正な競争を阻害するおそれとの違いを説明できますか。

最終更新日: 2026/09/23