G検定(ジェネラリスト検定)
はつめい
発明
Invention
特許法第2条第1項が定める発明の定義。自然法則を利用していること、技術的思想の創作であること、高度のものであることの3つの要件から成り、特許法上の保護を考える出発点になる。
詳しい説明
定義
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第二条第一項は、発明を次のように定めています。
『この法律で発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。』
この一文は、次の3つの要件に分けて読むことができます。
1. 自然法則を利用していること。自然界で成り立つ法則を利用している必要があります。条文が求めているのは自然法則を利用していることです。自然法則そのものを指しているわけではありません。
2. 技術的思想の創作であること。新しく作り出された技術的な考え方である必要があります。条文は創作という語を使っているので、もともと存在するものを見つけただけでは、この文言にそのまま当てはまりません。
3. 高度のものであること。技術的思想の創作のうち、高度のものに限られます。
3つの要件は並べて書かれているのではありません。1つの文の中で順に範囲を絞っていく形になっています。自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、さらに高度のものが発明にあたる、という読み方です。
制度の要点
保護の出発点としての定義
特許法が保護の対象として扱うのは、この定義にあてはまる発明です。特許法の仕組みを考えるときは、まず対象が法律上の発明にあたるかどうかを確かめます。その意味で、第二条第一項の定義は特許法上の保護を考える出発点になります。
定義の文言から導ける帰結
定義の文言に照らすと、次のものは発明そのものにはあたらないと整理できます。
- 自然法則そのもの。たとえば万有引力の法則は自然法則そのものです。定義が求める自然法則を利用したものではありません。
- 単なる発見。すでに存在するものや現象を見つけただけでは、創作という文言にあたりません。
- アイデアの思いつきそのもの。思いついただけで技術的思想として形になっていないものは、技術的思想の創作という文言に照らして、そのままでは発明にあたらないと考えられます。
高度のものという要件の位置づけ
高度のものという要件は、より簡易な考案を保護する実用新案制度と特許法上の発明を区別するためのものだと一般に理解されています。ここでは、特許法の発明は技術的思想の創作の中でも高度のものに限られる、という点を押さえておけば足ります。
AIとの関わり
AIの発達によって、発明の定義との関係で新しい論点が出てきています。たとえば、AI自体が生み出したアイデアをこの定義に照らしてどう考えるか、AIを利用して行われた発明をどう扱うか、といった問題です。
こうした論点は、定義の3要件だけで答えが決まるものとしてではなく、別の論点として議論されている、というのが一般的な位置づけです。学習の段階では、AIに関わる事案でも出発点は第二条第一項の定義だという点を押さえておきます。どう扱われるかについては、ここでは断定しません。
試験で問われること
G検定
- 特許法第2条第1項の発明の定義が、自然法則を利用していること、技術的思想の創作であること、高度のものであることの3つの要件に分けて読めることを確認しておく。
- 万有引力の法則のような自然法則そのものは、自然法則を利用したものという定義の文言に照らすと発明そのものにはあたらない、という整理を確認しておく。
- 単なる発見や、アイデアを思いついただけのものが、技術的思想の創作という文言とどう関係するかを確認しておく。
- 高度のものという要件が、より簡易な考案を保護する実用新案制度と区別するためのものだと一般に理解されていることを確認しておく。
最終更新日: 2026/09/23