サービスの運用
システム運用管理と運用オペレーション、単一窓口としてのサービスデスク(SPOC)、AIの活用を理解できるようになります。
ねらい
日々のサービス運用の現場を学びます。このレッスンを終えると、システム運用管理と運用オペレーションの内容、サービスデスクの役割と仕組みを説明できるようになります。
ストーリー
深夜2時、夜間バッチが異常終了しました。オペレーターは業務運用マニュアルに従ってジョブを復旧し、再実行します。朝には利用者からの問い合わせがサービスデスクに集まります。目立たないけれど、サービスは毎日のこうした運用に支えられています。
システム運用管理
システム運用管理は、日常の運用計画、障害発生時運用の計画、運用負荷低減のための改善計画に加えて、容量・能力管理、情報セキュリティ管理、サービス可用性管理、サービス継続管理の方針を受けて実施する活動です。
運用の資源管理では、要員などの人的資源と、ハードウェア、ソフトウェア、データ、ネットワークなどのインフラストラクチャの技術的資源を組織の目標と適合するように維持・運用します。仮想環境の運用管理、ジョブの管理、データ管理、利用者の管理も含まれます。運用にAIを活用して異常検知や原因分析を自動化する取り組みはAIOpsと呼ばれます。
運用オペレーション
システムを安定稼働させるために、定められた手順に沿ってシステムの監視・操作・状況連絡を実施します。操作は作業指示書に従い、日々の仕事には次のものがあります。
- ジョブスケジューリングで、バッチ処理などのジョブをスケジュール設計に沿って実行します。
- ジョブの復旧と再実行で、異常終了したジョブを手順どおりに立て直します。
- バックアップを計画どおりに取得します。
- アウトプットの管理で、帳票などの出力物を確実に届けます。
これらは監視ツールや診断ツールといった運用支援ツールと、業務運用マニュアルに支えられています。
サービスデスク:問い合わせの単一窓口
サービスデスクは、サービスの利用者からの問合せに対して単一の窓口機能(SPOC)を提供し、適切な部署への引継ぎ、対応結果の記録、記録の管理を行う一連の活動です。窓口が一つに定まっていることで、利用者は「どこに聞けばよいか」に迷わず、対応の記録も一元化されます。多くの利用者からの問い合わせが1つの窓口に集まり、そこから各部署へ振り分けられる形です。
電話とコンピュータを連携させるCTIを備えたコールセンター、よくある質問をまとめたFAQ、応対マニュアル、過去の対応を蓄積した知識ベースが、一次サポートの品質を支えます。近年はチャットボットなどのAIの活用で、定型の問い合わせへの即時対応も広がっています。
例題
次の問いに答えてください。
問1 サービスデスクが提供する「問い合わせの単一窓口」を表す略語は何ですか。
問2 電話とコンピュータシステムを連携させ、着信と同時に顧客情報を表示するような仕組みを何といいますか。
解答と解説
問1の答えはSPOC(Single Point Of Contact)です。窓口の一元化が、たらい回しの防止と記録の一元化につながります。
問2の答えはCTI(Computer Telephony Integration)です。コールセンターの応対品質と効率を高める技術です。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 サービスデスクの役割として、最も適切なものはどれでしょうか。次の中から選んでください。
- 利用者からの問合せの単一窓口となり、引継ぎと対応記録の管理を行う
- インシデントの根本原因を分析し、再発防止策を決定する
- 変更要求を評価し、承認または却下を判断する
- サービス継続計画を作成し、定期的に試験する
解答と解説
答えは1です。サービスデスクは利用者との接点となる単一の窓口(SPOC)で、問合せの受付、適切な部署への引継ぎ、対応結果の記録と管理を担います。2は問題管理の役割で、サービスデスクは受け付けたインシデントを引き継ぐ側です。3は変更管理(CAB)の役割です。4はサービス継続管理の役割であり、いずれも窓口機能そのものではありません。
分からなかった点・気になった点
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