ファシリティマネジメント
データセンターの施設・設備の管理、UPSやサージ防護デバイス、コールドアイルなどの空調設計、グリーンITを理解できるようになります。
ねらい
システムを支える建物と設備の管理を学びます。このレッスンを終えると、ファシリティマネジメントの目的、データセンターの電気・空調・通信の設備、環境への配慮を説明できるようになります。
ストーリー
真夏の夕方、落雷で一帯が停電しました。それでもデータセンターのサービスは止まりません。雷の異常電圧は防護装置が受け止め、電力は無停電電源装置から自家発電へと引き継がれる。ソフトウェアがどれだけ優れていても、土台の施設が倒れれば全部止まる。その土台を守る仕事があります。
ファシリティマネジメントとは
ファシリティマネジメントは、コンピュータシステムやネットワークの施設基盤の設計、構築の管理及び運営を行う活動です。データセンターなどの施設やコンピュータ、ネットワークなどの設備を管理することで、費用の削減、快適性、安全性を確保します。施設・設備は導入して終わりではなく、適正な状態に維持保全し続けます。
施設と設備の管理
建物と電気設備
| 設備 | 役割 |
|---|---|
| 免震装置 | 地震の揺れから建物と機器を守る |
| サージ防護デバイス(アレスタ) | 落雷などの異常電圧から機器を守る |
| 防災防犯設備 | 火災や侵入に備える |
| UPS(無停電電源装置) | 停電時に短時間の電力を供給し、安全な切り替えや停止の時間を稼ぐ |
| 自家発電設備 | 長時間の停電時に電力を供給する |
冒頭の停電の場面では、まずUPSが瞬断を防ぎ、その間に自家発電設備が立ち上がるという連携で電源が守られています。短時間をUPSが、長時間を自家発電設備がというように、時間の長さで役割がバトンタッチされます。
空調と通信の設備
サーバは大量の熱を出すため、空調設備が欠かせません。データセンターでは、冷気の通路と暖気の通路を分けるコールドアイルとホットアイルという配置で、冷却の効率を高めます。ラックの前面同士を向かい合わせて冷気を取り込み、背面側に暖気を逃がすことで、冷たい空気と暖かい空気が混ざらないようにします。
通信設備の配線は、建物への引き込みを集約するMDF(主配線盤)と、階ごとに分けるIDF(中間配線盤)で整理されます。
環境側面:グリーンIT
地球環境に配慮したIT製品やインフラストラクチャの利用、環境保護や資源の有効活用につながるITの利用を環境側面への配慮といいます。省電力の機器の採用や冷却の効率化など、環境負荷を減らすITの取り組みの総称がグリーンITです。データセンターの膨大な電力消費は、費用の問題であると同時に環境の問題でもあります。
例題
次の問いに答えてください。
問1 停電が起きたとき、短時間の電力を供給して安全な切り替えの時間を稼ぐ装置を何といいますか。
問2 データセンターで、冷気の通路と暖気の通路を分けて冷却効率を高める配置のうち、冷気側の通路を何といいますか。
解答と解説
問1の答えはUPS(無停電電源装置)です。長時間の停電には自家発電設備が引き継ぎます。時間の長さで役割が分かれています。
問2の答えはコールドアイルです。暖気側はホットアイルといい、混ざらないように分けることで空調の無駄を減らします。
応用
本試験を意識した問題を解いてみましょう。
問 落雷などによって生じる異常な電圧から機器を保護する装置はどれでしょうか。次の中から選んでください。
- サージ防護デバイス
- UPS
- 免震装置
- MDF
解答と解説
答えは1のサージ防護デバイス(アレスタ)です。雷サージと呼ばれる瞬間的な異常電圧を受け止め、機器へ届く前に逃がします。2のUPSは停電時に電力を供給する装置であり、異常電圧からの保護が主目的ではありません。3の免震装置は地震の揺れから建物と機器を守る設備です。4のMDFは通信配線を集約する主配線盤のことで、保護装置ではありません。
分からなかった点・気になった点
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