特定類型2と3の要件
外国政府等からの重大な利益という特定類型2の要件と、本邦での行動への指示という特定類型3の要件を整理し、除外規定が無いことも含めて判定できるようになります。
ここからは Advanced の範囲です。特定類型1(契約による拘束)に続き、この節は経済的な依存と行動への指示という残る2つの類型を扱います。
この節で学ぶこと
- 特定類型2の要件(外国政府等からの重大な利益)を、数値の基準とともに説明できるようになります。
- 特定類型3の要件(本邦における行動への指示や依頼)を説明できるようになります。
- 特定類型2と3には除外規定が無いことを、判定にどう反映するかを含めて理解できるようになります。
覚えること
- 特定類型2は、外国政府等から多額の金銭その他の重大な利益を得ている、または得ることを約束している居住者です。重大な利益の目安として、通達は年間所得に占める割合の基準(25パーセント以上)を置いています。
- 特定類型2の相手方は外国政府等です。外国法人からの給与や利益は、この類型の対象ではありません(外国法人との関係は特定類型1で捉えます)。
- 特定類型3は、本邦における行動に関して外国政府等の指示または依頼を受ける居住者です。利益や契約が無くても、指示・依頼の関係があれば該当します。
- 特定類型2と3には、特定類型1のような除外規定がありません。外形が要件にあたれば該当し、優先合意やグループ関係による回避はできません。
1. なぜ利益と指示で線を引くのか
契約(特定類型1)が無くても、人の行動は動機づけで傾きます。年間所得の大きな部分を外国政府から得ている研究者は、契約上の義務が無くても、その関係を損なう行動を避ける動機を持ちます。特定類型2は、この経済的依存を影響の形として捉えます。
特定類型3は、利益すら要りません。本邦での行動について外国政府等から指示や依頼を受ける関係は、それ自体が影響の経路です。3つの類型を並べると、契約による拘束、経済による誘引、指示による誘導という、影響の3つの形を覆っていることが分かります。
2. 判定の考え方
- 相手方が外国政府等か外国法人等かを最初に区別します。特定類型2と3は外国政府等との関係の類型です。
- 特定類型2は、利益の額と年間所得に占める割合を確かめます。過去に得た利益だけでなく、得ることの約束も要件に含まれます。
- 特定類型3は、指示・依頼の存在を確かめます。文書によらない依頼も対象になりえます。
- どちらも除外規定が無いため、該当すればみなし輸出管理の判断に直結します。
3. 注意すべきこと
試験で気をつける点
- 数値のすり替えに注意します。特定類型2の割合の基準を別の数値に置き換える出題が確認されています。基準は通達の原文で確かめます。
- 「外国法人から多額の給与を得ているから特定類型2に該当する」という記述は誤りです。特定類型2の相手方は外国政府等です。
実務で気をつける点
- 研究資金の受け入れ状況は年度で変わります。特定類型2の判定は一度きりにせず、資金状況の変化にあわせて見直す手順にします。
4. 根拠法令
- 役務通達1(3)サ。特定類型2(外国政府等からの重大な利益)と特定類型3(本邦における行動への指示・依頼)を定めます。重大な利益の割合の基準(年間所得の25パーセント以上)を含む正確な文言は、下書き段階のため要確認としています(当たり先は経済産業省の通達原文)。
5. 理解度の確認
次の記述が正しいか、誤りかを判断してみましょう。
問1 外国政府から年間所得の大部分にあたる研究資金を得ることを約束している本邦の研究者は、まだ資金を受け取っていなければ特定類型2に該当しない。
答え: 誤りです。特定類型2は利益を得ることの約束も要件に含みます。
問2 特定類型2と3には、特定類型1と同じように、本邦側との優先する合意による除外の定めがある。
答え: 誤りです。除外規定があるのは特定類型1だけです。特定類型2と3は、要件にあたれば該当します。
問3 外国法人から高額の報酬を得ている居住者は、そのことだけを理由に特定類型2に該当する。
答え: 誤りです。特定類型2の相手方は外国政府等です。外国法人との関係は、契約による義務があれば特定類型1で判定します。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 技術の該非判定は、外為令別表・貨物等省令・役務通達の3層を順にたどる。解く
- 技術の該非判定の3層は、貨物の3点チェックと同じ型であり、参照する政令と通達が異なる。解く
- X社の担当者は、提供しようとする技術が規制対象かを調べるため、輸出令別表第1を参照した。解く
- X社が輸出する装置は該非判定の結果、非該当だった。担当者は、この装置の設計技術についても改めて技術の該非判定を行った。解く
- 外為法第25条第1項は、特定技術の提供を目的とする取引に経済産業大臣の許可を義務づけている。解く