売掛金と買掛金の管理
売掛金・買掛金の発生と決済を復習し、得意先・仕入先ごとに残高を管理する売掛金元帳・買掛金元帳の役割を理解します。
ねらい
掛け取引が増えてくると、売掛金や買掛金が、どの取引先との間でいくら残っているのかを正しくつかんでおく必要があります。 このレッスンでは、第3章で学んだ掛け取引の発生と決済をもう一度確かめたうえで、取引先ごとに残高を管理するための帳簿である売掛金元帳・買掛金元帳の役割を理解しましょう。
ストーリー
文房具店は、いくつもの取引先と掛けで商売をしています。 ある日、A商店から「うちの掛けの残りはいくらですか」と問い合わせがありました。総勘定元帳の売掛金勘定を見ても、そこにあるのはすべての得意先を合わせた合計額だけです。これではA商店ひとつ分の残高がすぐには分かりません。 そこで、売掛金の中身を得意先ごとに分けて記録しておく帳簿を用意します。これが売掛金元帳です。同じように、買掛金を仕入先ごとに分けて記録する帳簿が買掛金元帳です。これらは取引先の名前を勘定の名前として使うので、人名勘定(じんめいかんじょう)とも呼ばれます。
掛け取引の確認
まず、掛け取引の発生と決済を仕訳で確かめておきましょう。 「A商店へ商品50,000円を掛けで売り上げた」取引です。
借方(左)
- 売掛金資産の増加 50,000
貸方(右)
- 売上収益の増加 50,000
代金は後で受け取る約束なので、売掛金が増えます。売掛金は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、売掛金を借方に書きます。 売上は収益にあたり、収益が発生したときは貸方へ記入するので、売上を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 50,000 | 売上 | 50,000 |
総勘定元帳の売掛金勘定には、この50,000円が、ほかの得意先の分と合わせて記録されます。得意先ごとの内訳は、次に見る売掛金元帳で管理します。
売掛金元帳と買掛金元帳
売掛金元帳は、得意先ごとに口座を分け、掛け売上による増加と、回収による減少、そして残高を記録します。 たとえば、A商店との取引を売掛金元帳のA商店の口座に記入すると、次のようになります。
| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 6月1日 | 前月繰越 | 20,000 | 20,000 | |
| 6月3日 | 掛け売上 | 50,000 | 70,000 | |
| 6月20日 | 現金回収 | 30,000 | 40,000 |
掛けで売り上げたときは借方に書いて残高を増やし、回収したときは貸方に書いて残高を減らします。これは総勘定元帳の売掛金勘定と同じ動きです。
ポイント
すべての得意先の売掛金元帳の残高を合計すると、総勘定元帳の売掛金勘定の残高と一致します。
買掛金元帳も同じしくみで、仕入先ごとの買掛金を管理します。
例題
それでは、掛け代金を回収する取引を自分で仕訳にしてみましょう。 「A商店に対する売掛金30,000円を、現金で回収した」取引です。
解答は次のとおりです。 現金は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、現金を借方に書きます。 売掛金は資産にあたり、回収した分だけ減ります。資産が減ったときは貸方へ記入するので、売掛金を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 30,000 | 売掛金 | 30,000 |
応用
最後に、複数の仕入先との掛け取引を考えてみましょう。 「B商店から商品40,000円を、C商店から商品25,000円を、それぞれ掛けで仕入れた」取引です。
解答は次のとおりです。仕入先が異なっても、仕訳で使う勘定科目は同じ買掛金です。 仕入は費用にあたり、費用が発生したときは借方へ記入するので、仕入を借方に書きます。 買掛金は負債にあたり、負債が増えたときは貸方へ記入するので、買掛金を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 40,000 | 買掛金 | 40,000 |
| 仕入 | 25,000 | 買掛金 | 25,000 |
総勘定元帳の買掛金勘定では、この2つを合わせた65,000円が買掛金の増加として記録されます。一方、買掛金元帳では、B商店の口座に40,000円、C商店の口座に25,000円と、仕入先ごとに分けて記入します。こうして、合計は総勘定元帳で、取引先ごとの内訳は買掛金元帳で、それぞれ確かめられます。
確認問題
学んだ内容を、自分で仕訳にして確かめてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. D商店へ商品70,000円を掛けで売り上げた。
解答1. 売掛金が増え、売上が発生します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 70,000 | 売上 | 70,000 |
問2. E商店に対する買掛金45,000円を、現金で支払った。
解答2. 買掛金は負債にあたり、減ったときは借方へ記入します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 45,000 | 現金 | 45,000 |
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 売掛金について電子記録債権の発生記録が行われたときの仕訳解く
- 取引銀行から電子記録債権の発生記録の通知を受けたときの仕訳解く
- 電子記録債権が決済され普通預金に入金されたときの仕訳解く
- 支払期日に電子記録債権が当座預金に入金されたときの仕訳解く
- 買掛金について電子記録債務の発生記録を行ったときの仕訳解く