日商簿記3級とは
日商簿記3級がどんな資格か、級の体系のなかでどこに位置づくか、試験制度と合格率、2027年度の出題区分表改定までを日本商工会議所の公式情報にもとづいて整理した解説ページです。
最終更新: 2026/07/11
日商簿記3級は、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する簿記検定試験の一つです。このページでは、日商簿記3級がどんな資格か、級の体系のなかでどこに位置づくか、試験の制度と最新の動向を公式情報にもとづいて整理します。
日商簿記3級とは
日商簿記3級は、業種や職種にかかわらず、ビジネスパーソンが身に付けておくべき基本知識として、多くの企業から評価される資格です。
学ぶ内容は基本的な商業簿記です。日本商工会議所は3級の水準について、小規模な企業における企業活動や会計実務をふまえ、経理に関する書類を適切に処理できるレベルと位置づけています。
商業簿記とは、商品の売買や現金の出入りといった、会社の日々のお金の動きを記録し、計算し、報告するための技術です。3級では、この商業簿記の基本を身につけます。工業簿記や原価計算は2級以上で扱うため、3級の範囲には含まれません。
級の階段のなかでの3級
日商簿記検定には、入門から上級まで段階があります。3級は、その階段の最初の実務レベルにあたります。各級の位置づけは次のとおりです。
| 級 | 学ぶ内容と水準 |
|---|---|
| 簿記初級 | 簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に生かせるレベル |
| 原価計算初級 | 原価計算の基本用語や、原価と利益の関係を理解できるレベル |
| 3級 | 基本的な商業簿記を修得し、経理に関する書類を適切に処理できるレベル |
| 2級 | 高度な商業簿記と工業簿記を修得し、財務諸表から経営内容を把握できるレベル |
| 1級 | 極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、経営管理や経営分析ができるレベル |
簿記初級と原価計算初級は、簿記のいちばん基本を学ぶ入門の試験です。3級はそこから一歩進み、会社の日々の取引を帳簿に記録できるようになることを目指します。
3級の次は2級です。2級では、より高度な商業簿記に加えて、製造業の原価を計算する工業簿記も学びます。さらにその上に1級があります。1級に合格すると、税理士試験の受験資格が得られます。1級は、公認会計士や税理士といった国家資格への登竜門とされています。
つまり3級は、簿記をはじめて本格的に学ぶ人が、会計の土台を固めるための級です。ここで学ぶ仕訳や帳簿の考え方は、2級から上のすべての級で土台になります。
ポイント
3級で学ぶのは基本的な商業簿記です。工業簿記や原価計算は2級以上の範囲で、3級には含まれません。
試験制度
日商簿記3級の試験には、統一試験とネット試験の2つの方式があります。どちらの方式で合格しても、資格としての扱いは同じです。日本商工会議所は、ネット試験の合格と統一試験の合格は同じ扱いになると説明しています。
試験時間・出題数・合格基準
3級の試験は商業簿記だけを対象とします。試験時間は60分、出題は3題以内、合格の基準は正答率70%以上です。この時間・出題数・基準は、統一試験とネット試験で共通です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題科目 | 商業簿記のみ |
| 試験時間 | 60分 |
| 出題数 | 3題以内 |
| 合格基準 | 70%以上 |
統一試験とネット試験
統一試験は、決められた日に会場で紙の問題を解く方式です。年に3回実施され、おおむね6月・11月・2月に行われます。
ネット試験は、試験会場のパソコンで受ける方式です。決まった日ではなく、会場が設定する日に随時実施されます。統一試験の前後には、ネット試験を休止する期間が設けられます。
ネット試験の出題形式は、選択式と入力式です。仕訳の問題では、勘定科目をプルダウンから選び、金額を入力します。金額や勘定科目名そのものを入力する問題も出されます。
3級のネット試験の受験料は、3,300円です。この金額は消費税込みです。
直近の受験者数と合格率
日本商工会議所が公表している直近の受験者データから、3級の数字を抜き出します。
| 方式 | 対象 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 統一試験 | 第172回(2026年2月22日施行) | 17,140名 | 5,757名 | 33.6% |
| ネット試験 | 2025年4月から2026年3月 | 276,477名 | 112,797名 | 40.8% |
3級は、ネット試験の受験者数が統一試験を大きく上回っています。2025年度のネット試験は27万人を超える規模で、各回1万人から2万人台の統一試験より、はるかに多くの人が受けています。
合格率は回や期間によって変わります。受験の際は、日本商工会議所の最新の公表値をあわせて確認してください。
最新動向
日商簿記検定の出題区分表は、2027年度から改定されます。出題区分表とは、それぞれの級でどこまでを出題するかを定めた表のことです。
日本商工会議所は、2025年12月25日に、2027年度以降の試験に適用する出題区分表の暫定版を公表しました。3級では、紙の手形(てがた)に関する内容が範囲から外れ、これまで2級で学んでいた内容の一部が3級に移ってきます。移ってくるのは、販売のつど売上原価勘定に振り替える方法、有形固定資産の除却(じょきゃく)と廃棄(はいき)、定率法(ていりつほう)による減価償却の3つです。
現在公表されているのは暫定版です。2026年7月の時点では、暫定版ではない確定版はまだ公表されていません。確定版が公表されると、細かい点が変わることがあります。
新しい出題区分表が適用されるのは、2027年4月1日以降に施行される試験からです。2026年度中に施行される試験は、これまでどおり2022年度に改定された区分表で出題されます。つまり、2026年度に受験する方は現行の範囲で、2027年度以降に受験する方は新しい範囲で試験を受けることになります。
注意
2027年度版の出題区分表は、2026年7月の時点では暫定版です。確定版が公表されると、細かい点が変わることがあります。最新の内容は日本商工会議所の公式情報でご確認ください。
改定の背景や、3級と2級で何がどう変わるのか、受験する年度ごとの注意点は、別の記事でくわしく解説しています。
学習の指針
日商簿記3級の学習は、簿記の全体像をつかむことから始め、取引の種類ごとに仕訳を一つずつ身につけ、最後に一年の締めくくりである決算へ進む、という順で積み上げるのが自然です。当サービスの教材も、この流れに沿って章を並べています。
はじめに、簿記が何のためにあるのか、どんな書類を作るのかという全体像をつかみ、記録の土台となる仕訳と転記、試算表の仕組みを学びます。
次に、取引の種類ごとに仕訳を身につけます。現金と預金、商品売買、債権と債務、有形固定資産、給料や税金といった費用、株式会社の資本と、扱う取引を一つずつ広げていきます。
そして、一年の締めくくりである決算に進みます。決算整理から精算表・財務諸表の作成までを一続きで学びます。最後に、伝票を使った記帳の方法まで学んで、3級の範囲を一通り終えます。
学習の進め方は、次のページから確認できます。
試験は60分で3題以内、70%以上の正答で合格です。まずは仕訳を正しく作れるようになることが土台になります。焦らず、一つずつ理解を積み上げていきましょう。
更新履歴と出典
このページは、日本商工会議所および各地の商工会議所が運営する検定試験サイトが公表する公式情報にもとづいています。おもな出典は次のとおりです。
試験の制度や出題の範囲、受験料、合格率は改定されることがあります。受験の際は、日本商工会議所の最新の公式情報をあわせてご確認ください。このページは、公式の発表に応じて更新します。
このページは2026年7月11日に更新しました。今後、2027年度出題区分表の確定版など、新しい公式発表があれば内容を見直します。