仕入帳・売上帳と商品有高帳
仕入と売上の明細を記録する仕入帳・売上帳と、商品の在庫を原価で管理する商品有高帳を理解し、先入先出法・移動平均法で払出単価を計算できるようになります。
ねらい
総勘定元帳の仕入や売上の勘定には金額の合計しか残らず、いつ何をいくらで売り買いしたかという明細は分かりません。 このレッスンでは、その明細を記録する補助簿(ほじょぼ)である仕入帳・売上帳と、商品の在庫を原価で管理する商品有高帳(しょうひんありだかちょう)を学びます。あわせて、在庫の払い出し単価を求める先入先出法(さきいれさきだしほう)と移動平均法(いどうへいきんほう)を身につけましょう。
ストーリー
文房具店では、毎日の仕入と売上を仕訳して総勘定元帳へ転記しています。 けれども元帳の仕入勘定を見ても、そこに並ぶのは金額だけです。どの商品を、いくつ、いくらで仕入れたのか、といった中身までは追えません。
そこで、主要な帳簿である総勘定元帳を補う形で、取引の明細を記録する帳簿を別に用意します。仕入の明細は仕入帳に、売上の明細は売上帳に書きます。さらに、商品の種類ごとに、入ってきた数量と出ていった数量、そして残っている在庫を原価で記録するのが商品有高帳です。
仕入帳と売上帳
仕入帳には、仕入れた日付、相手先や代金の支払方法を示す摘要、商品の明細、金額を書きます。返品があれば、その分も記録します。 たとえば、ある月の仕入帳は次のように書きます。
| 日付 | 摘要 | 金額 |
|---|---|---|
| 6月2日 | A商店 掛け ノート 20冊 @120 | 2,400 |
| 6月10日 | B商店 現金 ペン 30本 @80 | 2,400 |
| 6月12日 | A商店 掛け返品 ノート 2冊 @120 | 240 |
売上帳も同じように、売り上げた明細を売価で記録します。
注意
仕入帳が原価で書くのに対し、売上帳は売った金額で書く点が違います。
これらの帳簿の金額を合計すると、総勘定元帳の仕入勘定や売上勘定の金額と対応します。明細は補助簿で、合計は元帳で、それぞれ確かめられるわけです。
商品有高帳と先入先出法
ポイント
商品有高帳は、商品の種類ごとに、受け入れ(仕入)と払い出し(売上)と残高を、すべて原価で記録します。
ここで問題になるのが、仕入れた時期によって単価が違う場合です。同じ商品でも、先に100円で仕入れ、後から120円で仕入れていたら、売れた商品の原価をどちらの単価で計算すればよいのでしょうか。
ひとつの考え方が先入先出法です。これは、先に仕入れたものから先に売れていくと考えて、払い出しの原価を古い単価から順に当てる方法です。
次の取引を、先入先出法で商品有高帳に記入してみましょう。 前月繰越が10個(@100円)、6月5日に20個(@120円)を仕入れ、6月8日に15個を売り上げたとします。
| 日付 | 摘要 | 受入 数量 | 受入 単価 | 払出 数量 | 払出 単価 | 残高 数量 | 残高 金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6月1日 | 前月繰越 | 10 | 100 | 10 | 1,000 | ||
| 6月5日 | 仕入 | 20 | 120 | 30 | 3,400 | ||
| 6月8日 | 売上 | 10 | 100 | ||||
| 5 | 120 | 15 | 1,800 |
6月8日に売れた15個のうち、先に仕入れた10個は@100円、残りの5個は新しく仕入れた@120円で払い出します。払い出した原価は、10個分の1,000円と5個分の600円を合わせた1,600円です。 売れ残った15個は、すべて@120円のものなので、残高は1,800円となります。
例題
それでは、先入先出法での払い出しの原価を計算してみましょう。 前月繰越が5個(@200円)、当月に10個(@230円)を仕入れ、そのうち8個を売り上げたとします。売れた8個の払い出しの原価はいくらになるか答えてください。
解答は次のとおりです。 先に仕入れたものから払い出すので、まず前月繰越の5個を@200円で払い出します。これで1,000円です。 残りの3個は、新しく仕入れた@230円から払い出します。これで690円です。 合わせて、払い出しの原価は1,690円となります。
応用
最後に、もうひとつの方法である移動平均法を見てみましょう。 移動平均法は、商品を仕入れるたびに、それまでの残高と新しい仕入れを合わせた平均単価を計算し、その平均単価で払い出す方法です。 前月繰越が10個(@100円)、6月5日に10個(@140円)を仕入れ、6月8日に15個を売り上げたとします。
| 日付 | 摘要 | 受入 数量 | 受入 単価 | 払出 数量 | 払出 単価 | 残高 数量 | 残高 金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6月1日 | 前月繰越 | 10 | 100 | 10 | 1,000 | ||
| 6月5日 | 仕入 | 10 | 140 | 20 | 2,400 | ||
| 6月8日 | 売上 | 15 | 120 | 5 | 600 |
6月5日に仕入れた直後、残高は20個で金額は2,400円です。ここから平均単価を求めると、2,400円を20個で割って@120円になります。 6月8日に売れた15個は、この平均単価@120円で払い出すので、払い出しの原価は1,800円です。 売れ残った5個も@120円なので、残高は600円となります。
確認問題
学んだ内容を計算して確かめてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 先入先出法による。前月繰越が8個(@150円)、当月に12個(@180円)を仕入れ、10個を売り上げた。払い出しの原価はいくらか。
解答1. 先に仕入れた8個を@150円で払い出して1,200円、残りの2個を@180円で払い出して360円。合わせて1,560円です。
問2. 移動平均法による。前月繰越が10個(@200円)、当月に10個(@260円)を仕入れた。仕入れた直後の平均単価はいくらか。
解答2. 残高の金額は、2,000円と2,600円を合わせて4,600円。これを20個で割って、平均単価は@230円です。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 三分法で商品を掛けで仕入れたときの仕訳解く
- 三分法で商品を掛けで売り上げたときの仕訳解く
- 代金の一部を現金で受け取り残りを掛けとして売り上げたときの仕訳解く
- 掛けで仕入れた商品を返品したときの仕訳解く
- 掛けで売り上げた商品が返品されたときの仕訳解く