決算整理 貯蔵品と当座借越の振替
決算で、未使用の切手や収入印紙を貯蔵品へ振り替え、当座預金の貸方残高を当座借越へ振り替える決算整理ができるようになります。
ねらい
決算では、費用として処理したものの中に、まだ使っていない分が残っていないかを確かめます。また、当座預金がマイナスの状態になっていれば、それを負債へ直します。 このレッスンでは、この2つの決算整理を学びます。未使用の切手や収入印紙を貯蔵品へ振り替える処理と、当座預金の貸方残高を当座借越へ振り替える処理ができるようになりましょう。
ストーリー
文房具店では、切手や収入印紙を買ったとき、その代金を費用として処理しています。切手は通信費、収入印紙は租税公課です。
ところが決算で確かめると、買った切手や収入印紙が、まだ使われずに残っていることがあります。使っていない分は、まだ費用になっていないはずです。そこで、未使用の分を費用から取り除き、貯蔵品という資産へ振り替えて次の期へ繰り越します。
もうひとつ、当座預金についての整理があります。当座借越契約のもとでは、期中に当座預金の残高を超えて支払い、当座預金が貸方残高(マイナスの状態)になっていることがあります。この貸方残高は、実質的には銀行からの借りなので、決算で当座借越という負債へ振り替えます。
貯蔵品への振替の仕訳
まず、未使用の切手や収入印紙を貯蔵品へ振り替える決算整理です。 「決算で確かめたところ、購入時に通信費として処理した切手のうち3,000円分と、租税公課として処理した収入印紙のうち5,000円分が、未使用で残っていた」取引を考えてみましょう。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 8,000 | 通信費 | 3,000 |
| 租税公課 | 5,000 |
未使用の分は、まだ費用ではありません。切手は通信費から、収入印紙は租税公課から、それぞれ未使用の金額を取り除きます。通信費と租税公課は費用にあたり、減らすので貸方に書きます。 取り除いた分は、資産として次期へ繰り越します。貯蔵品は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、合わせた8,000円を借方に書きます。
ポイント
次の期のはじめには、この貯蔵品をふたたび費用へ戻す処理を行います。
当座借越への振替の仕訳
次は、当座預金の貸方残高を当座借越へ振り替える決算整理です。 「決算で、当座預金が20,000円の貸方残高となっていた。これは当座借越契約により残高を超えて支払った分である。これを当座借越へ振り替える」取引です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 20,000 | 当座借越 | 20,000 |
当座預金は貸方残高になっています。これをゼロに戻すため、当座預金を借方に書きます。 振り替えた先は、銀行からの借りを表す当座借越です。当座借越は負債にあたり、負債が増えたときは貸方へ記入するので、貸方に書きます。 これで、マイナスだった当座預金が貸借対照表に負債として正しく表されます。
例題
それでは、貯蔵品への振替を自分で仕訳にしてみましょう。 「決算で、通信費として処理した切手のうち2,000円分が、未使用で残っていた」取引です。
解答は次のとおりです。 未使用の切手は、まだ費用ではありません。通信費から取り除くので、通信費を貸方に書きます。 取り除いた分を貯蔵品へ振り替えます。貯蔵品は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、借方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 2,000 | 通信費 | 2,000 |
応用
最後に、収入印紙の振替を見てみましょう。 「決算で、租税公課として処理した収入印紙のうち7,000円分が、未使用で残っていた」取引です。
解答は次のとおりです。 未使用の収入印紙は、まだ費用ではありません。租税公課から取り除くので、租税公課を貸方に書きます。 取り除いた分を貯蔵品へ振り替えます。貯蔵品は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、借方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 7,000 | 租税公課 | 7,000 |
確認問題
学んだ内容を、自分で仕訳にして確かめてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 決算で、通信費として処理した切手のうち1,500円分と、租税公課として処理した収入印紙のうち4,000円分が、未使用で残っていた。
解答1. 合わせた5,500円を貯蔵品へ振り替えます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 | 5,500 | 通信費 | 1,500 |
| 租税公課 | 4,000 |
問2. 決算で、当座預金が35,000円の貸方残高となっていた。これを当座借越へ振り替えなさい。
解答2. 当座預金を借方に書いてゼロに戻し、当座借越を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 35,000 | 当座借越 | 35,000 |
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 翌期首に貯蔵品(収入印紙)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(郵便切手)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(収入印紙と郵便切手の両方)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 決算整理後残高試算表の作成解く
- 精算表の作成解く