精算表(8桁)
残高試算表に決算整理を加え、損益計算書と貸借対照表へ振り分ける8桁精算表の作り方を理解し、当期純利益を差額で求められるようになります。
ねらい
決算整理を学んだら、それらを1枚の表にまとめて、財務諸表へつなげる流れを見渡してみましょう。 このレッスンでは、残高試算表から決算整理を経て、損益計算書と貸借対照表へ振り分ける8桁精算表(はちけたせいさんひょう)の作り方を学びます。各勘定をどの欄へ書き、当期純利益をどう求めるかを理解しましょう。
ストーリー
文房具店の決算では、たくさんの勘定について決算整理を行います。 それらを別々に処理していると、全体のつながりが見えにくくなります。そこで、決算整理を加える前の残高試算表から、調整、そして2つの財務諸表へと至る流れを、横長の1枚の表で見渡せるようにします。これが精算表です。 8桁精算表は、勘定科目の右に、残高試算表・修正記入・損益計算書・貸借対照表の4つの区分を置き、それぞれ借方と貸方の2列ずつ、合わせて8列を並べた表です。残高試算表の金額に修正記入を加減し、収益と費用は損益計算書へ、資産と負債と純資産は貸借対照表へ振り分けていきます。
8桁精算表の作り方
精算表の作り方を、具体例で見てみましょう。次の決算整理を加えるとします。
- 売上原価の算定(期首商品20,000円、期末商品30,000円)
- 貸倒引当金の設定(売掛金100,000円に2パーセント、残高1,000円、差額補充法)
- 備品の減価償却(定額法・間接法・当期分20,000円)
これらを精算表に書き込むと、次のようになります。
| 勘定科目 | 試算表 借方 | 試算表 貸方 | 修正記入 借方 | 修正記入 貸方 | 損益計算書 借方 | 損益計算書 貸方 | 貸借対照表 借方 | 貸借対照表 貸方 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 現金 | 50,000 | 50,000 | ||||||
| 売掛金 | 100,000 | 100,000 | ||||||
| 繰越商品 | 20,000 | 30,000 | 20,000 | 30,000 | ||||
| 備品 | 200,000 | 200,000 | ||||||
| 買掛金 | 70,000 | 70,000 | ||||||
| 貸倒引当金 | 1,000 | 1,000 | 2,000 | |||||
| 備品減価償却累計額 | 40,000 | 20,000 | 60,000 | |||||
| 資本金 | 200,000 | 200,000 | ||||||
| 売上 | 439,000 | 439,000 | ||||||
| 仕入 | 300,000 | 20,000 | 30,000 | 290,000 | ||||
| 給料 | 80,000 | 80,000 | ||||||
| 貸倒引当金繰入 | 1,000 | 1,000 | ||||||
| 減価償却費 | 20,000 | 20,000 | ||||||
| 当期純利益 | 48,000 | 48,000 | ||||||
| 合計 | 750,000 | 750,000 | 71,000 | 71,000 | 439,000 | 439,000 | 380,000 | 380,000 |
繰越商品は、試算表の20,000円に、修正記入で借方30,000円・貸方20,000円を加減して、貸借対照表へ30,000円となります。仕入は、試算表の300,000円に修正を加減して290,000円となり、これが売上原価として損益計算書の借方へ入ります。 決算整理で新しく現れた貸倒引当金繰入と減価償却費は、損益計算書の借方へ入ります。
当期純利益の求め方
損益計算書の欄では、貸方の収益が439,000円、借方の費用が391,000円です。差額の48,000円が当期純利益です。これを損益計算書の借方に書いて、貸借を一致させます。 貸借対照表の欄では、借方の合計が380,000円、貸方の合計が332,000円です。差額の48,000円を貸方に書くと一致します。
ポイント
損益計算書で求めた当期純利益と、貸借対照表で差額として現れる金額は、必ず同じ48,000円になります。これは、利益の分だけ純資産(会社の持ち分)が増えることを表しています。
動かして確かめる
決算整理を含む例は複雑なので、ここでは第1章で見た単純な取引に立ち返り、仕訳から精算表までの全体の流れを、決算整理なしの形でもう一度たどってみましょう。取引を1つずつ加えると、仕訳・T勘定・試算表・精算表がその都度どう変わるか確かめられます。
スタディード / 動く解説
1つの取引が、仕訳・T勘定・試算表の姿を変えていく。
取引を1つずつ加えると、仕訳・T勘定・試算表がその都度どう変わるか確かめられます。
「次の取引を追加」を押すと、最初の取引が仕訳されます。
例題
精算表の振り分けについて答えてみましょう。 「次の勘定は、精算表の損益計算書と貸借対照表のどちらの欄へ書くか。ア 売掛金 イ 給料 ウ 買掛金」
解答は次のとおりです。 アの売掛金は資産なので、貸借対照表の欄へ書きます。 イの給料は費用なので、損益計算書の欄へ書きます。 ウの買掛金は負債なので、貸借対照表の欄へ書きます。 資産・負債・純資産は貸借対照表へ、収益・費用は損益計算書へ振り分ける、と覚えましょう。
応用
当期純利益を求めてみましょう。 「精算表の損益計算書の欄で、収益の合計が520,000円、費用の合計が445,000円であった。当期純利益はいくらか。また、それは損益計算書の借方と貸方のどちらに書くか」
解答は次のとおりです。 当期純利益は、収益520,000円から費用445,000円を引いた75,000円です。 損益計算書の欄では、貸方の収益が借方の費用より大きいので、差額を借方に書いて貸借を一致させます。したがって、当期純利益75,000円は損益計算書の借方に書きます。同じ金額が、貸借対照表の欄では貸方に現れます。
確認問題
精算表について答えてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 8桁精算表の4つの区分を、左から順に答えなさい。
解答1. 残高試算表、修正記入、損益計算書、貸借対照表の4つです。
問2. 精算表の損益計算書の欄で、借方の費用合計が610,000円、貸方の収益合計が560,000円であった。このとき生じるのは当期純利益と当期純損失のどちらで、金額はいくらか。
解答2. 費用が収益を上回っているので、当期純損失です。金額は、610,000円から560,000円を引いた50,000円です。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 翌期首に貯蔵品(収入印紙)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(郵便切手)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 翌期首に貯蔵品(収入印紙と郵便切手の両方)を費用へ再振替するときの仕訳解く
- 決算整理後残高試算表の作成解く
- 精算表の作成解く