有形固定資産の取得
建物・備品・車両運搬具・土地などの有形固定資産を取得したとき、購入代価に付随費用を加えた取得原価で計上できるようになります。
ねらい
お店が長く使う建物や備品、土地などは、商品とは違い、何年にもわたって事業に役立つ財産です。 このレッスンでは、こうした有形固定資産(ゆうけいこていしさん)を取得したときの処理を学びます。買い入れたときの代金だけでなく、それにともなってかかる付随費用も取得の金額に含める、という考え方を身につけましょう。
ストーリー
文房具店は、商品を陳列するための新しい備品を買い入れることにしました。 備品そのものの代金のほかに、配送してもらう運賃や、店内に据え付けてもらう作業の費用もかかります。 ここで思い出してほしいのが、商品を仕入れたときの仕入諸掛です。あのときは、引取運賃を仕入の原価に含めました。有形固定資産でも考え方は同じです。
ポイント
その資産を事業に使える状態にするためにかかった費用は、すべて取得の金額に含めます。
この、付随費用まで含めた取得の金額を取得原価(しゅとくげんか)といいます。有形固定資産には、建物・備品・車両運搬具・土地などがあり、それぞれの勘定で記録します。
取得したときの仕訳
まず、付随費用をともなう取得の取引です。 「備品200,000円を購入し、据付費10,000円とあわせて現金で支払った」取引を考えてみましょう。 据付費は、備品を使える状態にするためにかかった費用なので、取得原価に含めます。備品の取得原価は、代金200,000円と据付費10,000円を合わせた210,000円です。
借方(左)
- 備品資産の増加 210,000
貸方(右)
- 現金資産の減少 210,000
備品は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、備品を借方に書きます。取得原価の210,000円で計上します。 現金は資産にあたり、資産が減ったときは貸方へ記入するので、現金を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 210,000 | 現金 | 210,000 |
例題
それでは、車両運搬具の取得を自分で仕訳にしてみましょう。 「営業用の車両運搬具800,000円を購入し、代金は当座預金から支払った。なお、登録などの費用20,000円も現金で支払った」取引です。
解答は次のとおりです。 登録などの費用は、車を使える状態にするためにかかった費用なので、取得原価に含めます。取得原価は、800,000円と20,000円を合わせた820,000円です。 車両運搬具は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、借方に書きます。 代金は当座預金から、費用は現金から支払うので、当座預金と現金がそれぞれ減ります。資産が減ったときは貸方へ記入します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 車両運搬具 | 820,000 | 当座預金 | 800,000 |
| 現金 | 20,000 |
応用
最後に、代金を後で支払う固定資産の取得を見てみましょう。 建物などの高額な資産では、代金を後日に支払うことがあります。このとき、商品以外の購入なので、後で支払う代金は買掛金ではなく未払金で記録します。 「店舗用の建物2,000,000円を購入し、仲介手数料100,000円は現金で支払い、建物の代金は翌月末に支払うことにした」取引です。
解答は次のとおりです。 仲介手数料は、建物を取得するためにかかった費用なので、取得原価に含めます。取得原価は、2,000,000円と100,000円を合わせた2,100,000円です。 建物は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、借方に書きます。 仲介手数料は現金で支払うので、現金が減ります。資産が減ったときは貸方へ記入します。 建物の代金は後で支払うので、未払金で記録します。未払金は負債にあたり、負債が増えたときは貸方へ記入します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 建物 | 2,100,000 | 現金 | 100,000 |
| 未払金 | 2,000,000 |
確認問題
学んだ内容を、自分で仕訳にして確かめてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 備品150,000円を購入し、引取運賃5,000円とあわせて現金で支払った。
解答1. 引取運賃を取得原価に含め、備品は155,000円で計上します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 155,000 | 現金 | 155,000 |
問2. 土地3,000,000円を購入し、登記料と仲介手数料の合計200,000円とともに、代金はすべて当座預金から支払った。
解答2. 付随費用を含め、土地は3,200,000円で計上します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 土地 | 3,200,000 | 当座預金 | 3,200,000 |
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 付随費用を含めて建物を取得したときの仕訳解く
- 据付費を含めて備品を取得したときの仕訳解く
- 整地費用を含めて土地を取得したときの仕訳解く
- 決算で備品の減価償却を間接法で行うときの仕訳解く
- 残存価額のある建物の減価償却を間接法で行うときの仕訳解く