貸付金・借入金と手形貸付金・手形借入金
お金の貸し借りで生じる貸付金・借入金と利息を処理でき、約束手形を用いた手形貸付金・手形借入金との違いを理解します。
ねらい
商品の売買とは別に、お金そのものを貸したり借りたりする取引があります。 このレッスンでは、お金を貸したときの貸付金、借りたときの借入金と、それにともなう利息の処理を学びます。あわせて、約束手形を用いてお金を貸し借りする手形貸付金・手形借入金との違いも理解しましょう。
ストーリー
文房具店は、取引先から「しばらく資金を融通してほしい」と頼まれ、お金を貸すことにしました。 お金を貸すと、後で返してもらう権利が生まれます。この権利を貸付金という資産で記録します。返してもらうときには、貸していた期間に応じた利息も受け取ります。これは受取利息という収益になります。 反対に、お店が銀行などからお金を借りる場合は、後で返す義務が生まれます。この義務を借入金という負債で記録し、支払う利息は支払利息という費用になります。 お金の貸し借りでは、借用証書を取り交わすのがふつうですが、その代わりに約束手形を用いることもあります。約束手形を使った貸し借りは、手形貸付金・手形借入金という別の勘定で記録します。
貸し付けたときの仕訳
まず、お金を貸す取引です。 「取引先に現金100,000円を貸し付けた」取引を考えてみましょう。
借方(左)
- 貸付金資産の増加 100,000
貸方(右)
- 現金資産の減少 100,000
後で返してもらう権利が増えるので、貸付金を計上します。貸付金は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、貸付金を借方に書きます。 現金は資産にあたり、資産が減ったときは貸方へ記入するので、現金を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 貸付金 | 100,000 | 現金 | 100,000 |
返済を受けるときは、元本に利息を加えて受け取ります。 「先の貸付金100,000円を、利息とともに現金で返済を受けた。利息は年利率3パーセントで、貸付期間は6か月である」取引です。 利息は、元本100,000円に年利率3パーセントを掛け、さらに6か月分(12か月のうち6か月)を掛けて求めます。計算すると1,500円です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 101,500 | 貸付金 | 100,000 |
| 受取利息 | 1,500 |
現金は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、現金を借方に書きます。元本と利息を合わせた101,500円を受け取ります。 貸付金は資産にあたり、返済を受けて減るので、貸方に書きます。 受取利息は収益にあたり、収益が発生したときは貸方へ記入するので、貸方に書きます。
借り入れたときの仕訳
次は、お金を借りる取引です。 「銀行から現金200,000円を借り入れた」取引です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 200,000 | 借入金 | 200,000 |
現金は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、現金を借方に書きます。 後で返す義務が増えるので、借入金を計上します。借入金は負債にあたり、負債が増えたときは貸方へ記入するので、借入金を貸方に書きます。 返済のときは、元本に支払利息を加えて支払います。支払利息は費用にあたり、費用が発生したときは借方へ記入します。
例題
それでは、お金を借りる取引を自分で仕訳にしてみましょう。 「銀行から現金150,000円を借り入れ、当座預金口座へ預け入れた」取引です。
解答は次のとおりです。 当座預金は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、当座預金を借方に書きます。 借入金は負債にあたり、負債が増えたときは貸方へ記入するので、借入金を貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 150,000 | 借入金 | 150,000 |
応用
最後に、約束手形を用いた貸し借りを見てみましょう。 お金を借りる側が約束手形を振り出して渡す場合、借りた側は手形借入金、貸した側は手形貸付金で記録します。
ポイント
借用証書の代わりに約束手形を使うだけで、お金の貸し借りである点は変わりません。 「銀行から300,000円を借り入れ、同額の約束手形を振り出して渡した。借入金は当座預金口座へ入金された」取引です。これは、お金を借りる側の立場です。
解答は次のとおりです。 当座預金は資産にあたり、資産が増えたときは借方へ記入するので、当座預金を借方に書きます。 約束手形を振り出して借りたので、手形借入金で記録します。手形借入金は負債にあたり、負債が増えたときは貸方へ記入するので、貸方に書きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 300,000 | 手形借入金 | 300,000 |
確認問題
学んだ内容を、自分で仕訳にして確かめてみましょう。解答はそのすぐ後に示します。
問1. 取引先に現金50,000円を貸し付け、約束手形を受け取った。
解答1. 約束手形を受け取って貸し付けたので、手形貸付金で記録します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 手形貸付金 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
問2. 借入金200,000円を、利息3,000円とともに当座預金から返済した。
解答2. 借入金が減り、支払利息が発生し、当座預金が減ります。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 借入金 | 200,000 | 当座預金 | 203,000 |
| 支払利息 | 3,000 |
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 売掛金について電子記録債権の発生記録が行われたときの仕訳解く
- 取引銀行から電子記録債権の発生記録の通知を受けたときの仕訳解く
- 電子記録債権が決済され普通預金に入金されたときの仕訳解く
- 支払期日に電子記録債権が当座預金に入金されたときの仕訳解く
- 買掛金について電子記録債務の発生記録を行ったときの仕訳解く