短期リースと少額リース
短期リースと少額リースについて、オンバランスせずに支払リース料で処理できるようになります。
ねらい
使用権資産を計上しない簡便なリースの処理を学びます。このレッスンを終えると、短期リースと少額リースを支払リース料による賃貸借処理で仕訳できるようになります。
ストーリー
前のレッスンでは、リースで調達した資産を使用権資産とリース負債でオンバランスする処理を学びました。しかし、すべてのリースをオンバランスするのは手間がかかりすぎます。
たとえば、繁忙期の3か月だけ借りる倉庫のスペースや、月々わずかな金額で借りている観葉植物のような小さな契約まで資産と負債に計上していたら、帳簿が細かな項目だらけになってしまいます。
そこで、次の2つは例外として、オンバランスせずに従来どおりの賃貸借処理が認められています。
- 短期リース: リース期間が12か月以内で、購入オプションを含まないリース。
- 少額リース: 事業内容に照らして重要性が乏しく、契約1件あたりの金額にも重要性が乏しいリース。
ポイント
賃貸借処理では、リース料を支払ったときに「支払リース料(しはらいリースりょう)」という費用の勘定で処理するだけです。資産も負債も計上しません。
図解
オンバランスする処理との違いを整理します。
| 区分 | 開始時 | リース料の支払い時 |
|---|---|---|
| 通常のリース | 使用権資産とリース負債を計上する | リース負債を減らす(利子抜き法では利息も分ける) |
| 短期リース・少額リース | 仕訳なし | 支払リース料(費用)を計上する |
仕訳と理由
事務所用のスペースを短期の賃貸借契約で借りており、月額 ¥90,000 を普通預金口座から支払ったときの仕訳です。賃貸借として処理します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 支払リース料 | 90,000 | 普通預金 | 90,000 |
借方は支払リース料です。借りたスペースを当月使ったことへの支払いは、資産の取得ではなく費用です。費用の増加として借方に記入します。貸方は口座から出たお金の普通預金です。リース開始時に仕訳はなく、支払いのつどこの仕訳を繰り返します。
なお、事務所や店舗の家賃を支払家賃で処理する取引を3級で学びました。あの処理も、性質としては賃貸借処理の仲間です。2級では、リース契約にもとづく支払いを支払リース料で処理する形が加わったと整理するとつながりが見えます。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
コピー用紙の裁断機を1件あたり月額 ¥8,000 の少額の賃貸借契約で借りており、当月分を現金で支払った。賃貸借として処理する。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 支払リース料 | 8,000 | 現金 | 8,000 |
少額リースなので、使用権資産は計上せず、支払った ¥8,000 を費用の勘定である支払リース料として借方に記入します。
応用
次の2つの契約について、それぞれオンバランスするかどうかを判断してみましょう。
- リース期間10か月・購入オプションなしの、イベント用音響設備のリース契約。
- リース期間5年・リース料総額 ¥3,600,000 の、基幹システム用サーバーのリース契約。
答え合わせ
1はリース期間が12か月以内で購入オプションもないため短期リースにあたり、オンバランスせず賃貸借処理(支払リース料)ができます。2は期間も金額も重要性があるため、通常どおり使用権資産とリース負債を計上します。問題文に「賃貸借として処理する」「短期リースに該当する」といった指示があるかどうかをまず確認する癖をつけましょう。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 利子込み法でリースを開始したときの仕訳解く
- 利子抜き法でリースを開始したときの仕訳解く
- 利子抜き法でリース料を支払ったときの仕訳解く
- 少額リースのリース料を支払ったときの仕訳解く
- 決算で使用権資産を減価償却したときの仕訳解く