使用権資産とリース負債
リースで調達した資産を使用権資産とリース負債で計上し、利子込み法・利子抜き法で処理できるようになります。
ねらい
リース契約で設備を調達したときの借手側の処理を学びます。このレッスンを終えると、リース開始時に使用権資産とリース負債を計上し、利子込み法と利子抜き法(定額法)でリース料の支払いと決算の処理ができるようになります。
ストーリー
あなたの会社は、業務用のコピー機を導入することにしました。買い取るのではなく、リース会社と「4年間、年額 ¥300,000(後払い)で借りる」というリース契約を結びます。リース料の総額は ¥1,200,000 で、このうち ¥80,000 が利息相当額です。
リースは形のうえでは借り物ですが、契約期間中はその資産を自社のもののように使い続け、リース料の支払い義務も確定しています。そこで会計では、借りた資産を使う権利を「使用権資産(しようけんしさん)」という資産として、リース料を支払う義務を「リース負債」という負債として、貸借対照表に計上します。
利息相当額の扱いには2つの方法があります。リース料総額のまま計上する利子込み法と、利息を除いた金額で計上して支払時に利息を分ける利子抜き法です。2級では両方を学びます。利子抜き法での利息の配分は定額法によります。
図解
2つの方法で、リース開始時に計上する金額を比べます。
| 方法 | 使用権資産・リース負債の計上額 | 利息相当額の扱い |
|---|---|---|
| 利子込み法 | リース料総額 ¥1,200,000 | 区分しない |
| 利子抜き法 | 総額から利息を除いた ¥1,120,000 | 支払時に定額法で支払利息とする |
ポイント
どちらの方法でも、コピー機を使う権利と支払いの義務を最初にオンバランス(貸借対照表に計上)する点は同じです。
仕訳と理由
利子抜き法で、3つの時点の仕訳を順に見ていきます。
リース開始時は、リース料総額 ¥1,200,000 から利息相当額 ¥80,000 を除いた ¥1,120,000 で計上します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 使用権資産 | 1,120,000 | リース負債 | 1,120,000 |
コピー機を使う権利という資産が増えるので使用権資産を借方に、リース料を支払う義務という負債が増えるのでリース負債を貸方に記入します。
1年目のリース料 ¥300,000 を普通預金口座から支払ったときの仕訳です。利息相当額 ¥80,000 を定額法で4年に配分すると、1年あたり ¥20,000 です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| リース負債 | 280,000 | 普通預金 | 300,000 |
| 支払利息 | 20,000 |
支払額のうち ¥280,000 は義務の返済なのでリース負債を借方で減らし、当期分の利息 ¥20,000 は費用の勘定である支払利息を借方に記入します。
決算時には、使用権資産を減価償却します。耐用年数はリース期間の4年、残存価額はゼロ、定額法です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 280,000 | 使用権資産減価償却累計額 | 280,000 |
¥1,120,000 ÷ 4年 で ¥280,000 を減価償却費として借方に記入し、貸方は使用権資産減価償却累計額です。
利子込み法の場合は、開始時に総額 ¥1,200,000 で使用権資産とリース負債を計上し、支払時はリース負債 ¥300,000 を減らすだけで利息を分けません。減価償却は ¥1,200,000 ÷ 4年 で ¥300,000 になります。
注意
ここまでの勘定名は、2027年度の科目表にそったものです。2027年4月1日以降に施行される試験からは、使用権資産・リース負債・使用権資産減価償却累計額を使います。2026年度中に受験する場合は、それぞれリース資産・リース債務・リース資産減価償却累計額と書きます。名前は違っても、資産と負債を両建てで計上し、使用権資産を減価償却していく考え方は同じです。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
期首に、営業用の配送車をリース契約(リース期間5年、リース料は年額 ¥480,000 の後払い、リース料総額 ¥2,400,000)で調達し、使用を開始した。利子込み法により処理する。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 使用権資産 | 2,400,000 | リース負債 | 2,400,000 |
利子込み法では、利息相当額を区分せず、リース料総額 ¥2,400,000 で使用権資産とリース負債を計上します。
応用
次の取引を仕訳してみましょう。
期首に、製造用の機械をリース契約(リース期間5年、リース料は年額 ¥800,000 の後払い、リース料総額 ¥4,000,000、利息相当額 ¥400,000)で調達し、使用を開始していた。本日、1年目のリース料を普通預金口座から支払った。利子抜き法(利息相当額の配分は定額法)により処理する。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| リース負債 | 720,000 | 普通預金 | 800,000 |
| 支払利息 | 80,000 |
開始時のリース負債は、総額 ¥4,000,000 から利息相当額 ¥400,000 を除いた ¥3,600,000 で計上されています。1年分の利息は ¥400,000 ÷ 5年 で ¥80,000、元本の返済分は ¥800,000 − ¥80,000 で ¥720,000 です。リース負債を ¥720,000 減らし、支払利息 ¥80,000 を費用に計上します。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 利子込み法でリースを開始したときの仕訳解く
- 利子抜き法でリースを開始したときの仕訳解く
- 利子抜き法でリース料を支払ったときの仕訳解く
- 少額リースのリース料を支払ったときの仕訳解く
- 決算で使用権資産を減価償却したときの仕訳解く