商品保証引当金
無償修理の保証を付けて販売した商品について、商品保証引当金の設定と取り崩しができるようになります。
ねらい
保証書を付けて商品を販売したときの、将来の修理費用への備えを学びます。このレッスンを終えると、商品保証引当金の設定と、実際に修理を行ったときの取り崩しができるようになります。
ストーリー
あなたの会社は家電製品を販売しており、「購入から1年以内の故障は無償で修理します」という保証を付けています。当期はたくさん売れたので、過去の実績からみて、来期にいくらかの修理依頼が来ることはほぼ確実です。
修理を行うのは来期でも、その原因は当期の販売にあります。修理費用を来期の費用にしてしまうと、当期の売上と対応しなくなります。
ポイント
そこで決算日に、将来の修理費用を見積もって「商品保証引当金(しょうひんほしょうひきあてきん)」という負債の勘定に計上し、同額を当期の費用にしておきます。
貸倒引当金と同じ「引当金」の仲間ですが、貸倒引当金が資産から差し引く備えなのに対し、商品保証引当金は将来の支出に備える負債です。
図解
当期と来期の流れで整理します。
| 時点 | 出来事 | 処理 |
|---|---|---|
| 当期の決算 | 将来の修理費用を見積もる | 商品保証引当金繰入(費用)と商品保証引当金(負債)を計上する |
| 来期に修理を実施 | 部品代などを支払う | 商品保証引当金を取り崩す |
| 保証期間が終了 | 引当金が余った | 商品保証引当金戻入(収益)で取り崩す |
仕訳と理由
決算日に、当期に販売した商品の修理費用を ¥50,000 と見積もったときの仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 商品保証引当金繰入 | 50,000 | 商品保証引当金 | 50,000 |
借方は費用の勘定である商品保証引当金繰入です。修理の原因は当期の販売にあるので、見積額を当期の費用として計上します。貸方は商品保証引当金で、将来の修理という支出に備える負債の増加として記入します。
翌期に実際に修理の依頼があり、部品代 ¥35,000 を現金で支払ったときの仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 商品保証引当金 | 35,000 | 現金 | 35,000 |
借方は商品保証引当金です。備えていた義務を果たしたので、負債の減少として借方に記入します。費用にはしません。費用は前期の決算ですでに計上済みだからです。貸方は支払った現金です。
保証期間が終わって引当金が余ったときは、残額を「商品保証引当金戻入」という収益の勘定で取り崩します。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
決算にあたり、当期に保証付きで販売した商品について、翌期の無償修理の費用を ¥80,000 と見積もり、商品保証引当金を設定する。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 商品保証引当金繰入 | 80,000 | 商品保証引当金 | 80,000 |
見積額 ¥80,000 を費用の勘定である商品保証引当金繰入として借方に、負債の勘定である商品保証引当金として貸方に記入します。
応用
例題の続きです。次の取引を仕訳してみましょう。
前期に販売した商品について無償修理の依頼があり、修理に要した部品代 ¥28,000 を現金で支払った。商品保証引当金の残高は ¥80,000 である。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 商品保証引当金 | 28,000 | 現金 | 28,000 |
前期の販売に対する修理なので、備えておいた商品保証引当金を ¥28,000 取り崩します。負債の減少なので借方です。なお、引当金の残高を超えて修理費用がかかった場合は、超えた分だけを当期の費用(商品保証費)として処理します。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 個別評価と一括評価を組み合わせて貸倒引当金を設定する仕訳解く
- 前期販売分の無償修理を行ったときの仕訳解く
- 賞与引当金を設定済みの賞与を支給したときの仕訳解く
- 決算で退職給付費用を計上したときの仕訳解く
- 修繕引当金を設定済みの修繕を実施したときの仕訳解く