連結精算表と連結財務諸表
個別財務諸表の合算から連結修正仕訳を経て、連結財務諸表を仕上げる流れをつかみます。
ねらい
連結会計の総仕上げです。このレッスンを終えると、連結精算表の仕組みを理解し、これまで学んだ連結修正仕訳を使って連結財務諸表を組み立てる流れをつかめます。
ストーリー
連結財務諸表を作る作業は、料理の盛り付けに似ています。材料はそろいました。P社とS社の個別財務諸表、そして資本連結・内部取引の相殺・未実現利益の消去という連結修正仕訳です。これらをひとつの表の上で合わせて、連結損益計算書と連結貸借対照表に仕上げます。
その作業台が「連結精算表(れんけつせいさんひょう)」です。個別財務諸表の金額を科目ごとに合算し、連結修正仕訳を加減して、連結財務諸表の金額を導きます。
図解
連結精算表の一部の例です。P社がS社(70%所有)へ商品を販売しており、内部売上 ¥2,000,000 の相殺を修正記入した行を抜き出します。
| 科目 | P社 | S社 | 合算 | 修正記入 借方 | 修正記入 貸方 | 連結財務諸表 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,000,000 | 4,000,000 | 14,000,000 | 2,000,000 | 12,000,000 | |
| 売上原価 | 6,500,000 | 2,600,000 | 9,100,000 | 2,000,000 | 7,100,000 | |
| 子会社株式 | 4,000,000 | 4,000,000 | 4,000,000 | 0 | ||
| のれん | 500,000 | 500,000 | ||||
| 非支配株主持分 | 1,500,000 | 1,500,000 |
ポイント
子会社株式は資本連結で全額消え、代わりにのれんと非支配株主持分が連結財務諸表に現れます。
連結財務諸表の姿
連結損益計算書と連結貸借対照表には、個別財務諸表には無い項目が並びます。
- 連結損益計算書: 当期純利益の下に「非支配株主に帰属する当期純利益」を差し引く行が入り、最後は「親会社株主に帰属する当期純利益」で締めます。のれん償却も費用に並びます。
- 連結貸借対照表: 資産にのれんが、純資産に非支配株主持分が載ります。純資産の株主資本は資本金・資本剰余金・利益剰余金とまとめて表示します。
- 消えるもの: 子会社株式、グループ内部の債権・債務、内部取引の売上高と売上原価、期末在庫や土地の未実現利益です。
例題
次の資料から、連結損益計算書の売上高を計算してみましょう。
P社の売上高は ¥15,000,000、S社の売上高は ¥6,000,000 である。当期にP社はS社へ商品 ¥2,500,000 を販売している。
答え合わせ
合算した売上高 ¥21,000,000 から内部売上 ¥2,500,000 を相殺消去して、連結の売上高は ¥18,500,000 になります。
応用
次の資料から、連結損益計算書の「親会社株主に帰属する当期純利益」を計算してみましょう。
P社の当期純利益は ¥1,800,000、S社(P社の持株比率70%)の当期純利益は ¥600,000 である。のれん償却 ¥50,000 を計上する。未実現利益などその他の修正はないものとする。
答え合わせ
合算の当期純利益は ¥2,400,000 で、のれん償却 ¥50,000 を差し引くと ¥2,350,000 です。このうち非支配株主に帰属する分は、S社の純利益 ¥600,000 かける 30% の ¥180,000 です。差し引いた ¥2,170,000 が親会社株主に帰属する当期純利益になります。連結の利益は、修正を反映したうえで親会社株主の取り分と非支配株主の取り分に分けて示す、という全体像をおさえて連結会計の学習は一区切りです。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 支配獲得日の資本連結の空欄補充解く
- のれんの償却と非支配株主持分の空欄補充解く
- 投資と資本の相殺消去とのれん(部分所有・資本剰余金あり)解く
- 棚卸資産の未実現利益の消去(親会社から子会社への販売)解く
- 土地の未実現利益の消去(子会社から親会社への売却)解く