債務の保証
他人の債務の保証人になったとき、保証債務見返と保証債務の対照勘定で備忘記録できるようになります。
ねらい
他人の借金の保証人になったときの処理を学びます。このレッスンを終えると、保証債務見返と保証債務という対の勘定で備忘記録を行い、保証が解除されたときや肩代わりしたときの処理ができるようになります。
ストーリー
長年の取引先である株式会社土浦商店が、銀行から ¥1,000,000 を借り入れることになりました。銀行は条件として保証人を求めており、当社が保証人を引き受けることにしました。
保証人になった時点では、当社のお金は1円も動いていません。土浦商店がきちんと返済すれば、当社には何も起こらないからです。しかし、もし土浦商店が返済できなくなれば、当社が代わりに ¥1,000,000 を支払う義務を負います。
このような**「起こるかもしれない義務」を忘れないように帳簿に書き留めておくのが、債務の保証の処理です**。「保証債務見返(ほしょうさいむみかえり)」と「保証債務」という専用の勘定を対にして、同じ金額を借方と貸方に記入します。このような対の勘定を対照勘定といい、取引の事実を覚えておくための備忘記録として働きます。
図解
保証の始まりから終わりまでの流れです。
| 時点 | 出来事 | 処理 |
|---|---|---|
| 保証人になった | 肩代わりの可能性が生まれた | 保証債務見返/保証債務で備忘記録する |
| 債務者が無事に返済した | 肩代わりの可能性が消えた | 反対の仕訳で備忘記録を消す |
| 債務者が返済できず肩代わりした | 実際に支払い、求償する権利を得た | 未収入金を計上し、備忘記録を消す |
仕訳と理由
保証人になった日の仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 保証債務見返 | 1,000,000 | 保証債務 | 1,000,000 |
ポイント
貸方の保証債務は「肩代わりするかもしれない義務」、借方の保証債務見返は「肩代わりしたら債務者へ請求できる立場」を表します。対照勘定なので必ず同額で対になり、通常の資産や負債とは区別して扱われます。
土浦商店が無事に返済を終え、保証が解除されたときの仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 保証債務 | 1,000,000 | 保証債務見返 | 1,000,000 |
肩代わりの可能性が消えたので、備忘記録を反対の仕訳で取り消します。
もし土浦商店が返済できず、当社が普通預金口座から肩代わりしたときは、次の2組の仕訳をします。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 未収入金 | 1,000,000 | 普通預金 | 1,000,000 |
| 保証債務 | 1,000,000 | 保証債務見返 | 1,000,000 |
支払ったお金は土浦商店へ請求できるので、資産の勘定である未収入金を借方に記入します。あわせて、役目を終えた備忘記録を取り消します。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
取引先の株式会社汐入運送が銀行から ¥600,000 を借り入れるにあたり、当社はその保証人となった。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 保証債務見返 | 600,000 | 保証債務 | 600,000 |
お金は動いていませんが、肩代わりの可能性という事実を対照勘定で備忘記録します。
応用
例題の続きです。次の取引を仕訳してみましょう。
株式会社汐入運送が借入金 ¥600,000 を全額返済したとの連絡を受け、当社の保証は解除された。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 保証債務 | 600,000 | 保証債務見返 | 600,000 |
肩代わりの可能性が消えたので、保証人になったときと反対の仕訳で備忘記録を取り消します。保証の処理は、始まりと終わりが必ず対になるとおさえておきましょう。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
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