2級の決算整理の全体像
2級で加わる決算整理事項を一覧で整理し、組み合わせて処理できるようになります。
ねらい
これまでの章で学んだ決算整理をひとつの決算として組み立てられるようにします。このレッスンを終えると、2級の決算整理事項の全体像をつかみ、複数の整理仕訳を続けて処理できるようになります。
ストーリー
3月31日、決算日です。3級では、現金過不足の整理、売上原価の算定、貸倒引当金の設定、減価償却、経過勘定の計上などを決算整理として学びました。2級では、これまでの章で学んできた論点が決算整理に加わります。
一つひとつはすでに学んだ処理です。
ポイント
決算で問われるのは、それらを漏れなく、正しい順序で積み上げる力です。
とくに商品関係は、売上原価の算定、棚卸減耗損、商品評価損の順に処理が連鎖するので、流れで身につけましょう。
図解
2級で加わる主な決算整理事項の一覧です。
| 決算整理事項 | 学んだ章 | 主な勘定 |
|---|---|---|
| 棚卸減耗損・商品評価損 | 第1章 | 棚卸減耗損、商品評価損、繰越商品 |
| 売買目的有価証券の評価替え | 第4章 | 有価証券評価益、有価証券評価損 |
| 満期保有目的債券の償却原価法 | 第4章 | 満期保有目的債券、有価証券利息 |
| その他有価証券の評価替え | 第4章 | その他有価証券評価差額金 |
| 無形固定資産の償却 | 第7章 | のれん償却、ソフトウェア償却など |
| 引当金の設定 | 第8章 | 貸倒引当金繰入、賞与引当金繰入など |
| 外貨建債権・債務の換算替え | 第9章 | 為替差損益 |
| 法人税等と税効果会計 | 第10章 | 未払法人税等、繰延税金資産など |
仕訳と理由
決算整理を3つ続けて処理してみます。決算日の資料は次のとおりです。
- 期末商品帳簿棚卸高は ¥300,000(100個・原価 ¥3,000)、実地棚卸数量は97個である。期首商品棚卸高は ¥250,000 で、三分法による。
- 売買目的有価証券(帳簿価額 ¥820,000)の時価は ¥845,000 である。
- のれん ¥1,900,000 は前期首の合併で生じたもので、20年の定額法で償却している。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 250,000 | 繰越商品 | 250,000 |
| 繰越商品 | 300,000 | 仕入 | 300,000 |
| 棚卸減耗損 | 9,000 | 繰越商品 | 9,000 |
期首分と期末分の振り替えは3級のとおりです。減耗した3個分の原価 ¥9,000 は、実在しない在庫として繰越商品から取り除きます。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売買目的有価証券 | 25,000 | 有価証券評価益 | 25,000 |
時価が帳簿価額を ¥25,000 上回るので、資産を増やして評価益を計上します。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| のれん償却 | 100,000 | のれん | 100,000 |
のれんの取得原価は、前期に1年分償却済みであることから ¥1,900,000 ÷ 19年 で1年あたり ¥100,000 と分かります。直接法でのれんを減らします。
例題
次の決算整理を仕訳してみましょう。
決算にあたり、ソフトウェア(当期首に取得・取得原価 ¥600,000)を5年の定額法で償却する。あわせて、翌期の従業員賞与のうち当期に対応する分 ¥400,000 について賞与引当金を設定する。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| ソフトウェア償却 | 120,000 | ソフトウェア | 120,000 |
| 賞与引当金繰入 | 400,000 | 賞与引当金 | 400,000 |
ソフトウェアは ¥600,000 ÷ 5年 で ¥120,000 を直接法で償却します。賞与引当金は当期に対応する見積額を費用として繰り入れます。
応用
次の決算整理を仕訳してみましょう。
決算にあたり、外貨建の売掛金 2,000ドル(1ドル ¥139 で換算した ¥278,000 で記帳)について、決算日の為替相場1ドル ¥142 で換算替えする。あわせて、満期保有目的債券(額面 ¥1,000,000、当期首に ¥985,000 で取得、償還期間5年)に償却原価法(定額法)を適用する。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 6,000 | 為替差損益 | 6,000 |
| 満期保有目的債券 | 3,000 | 有価証券利息 | 3,000 |
売掛金は決算日レートで ¥284,000 となり、¥6,000 の為替差益です。満期保有目的債券は差額 ¥15,000 を5年で割った ¥3,000 を加算します。どの整理仕訳も単独では学んだとおりで、決算では資料を読み分けて次々に適用していきます。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 損益計算書と貸借対照表の作成(2級・その他有価証券を含む)解く
- 決算整理後の勘定残高(2級・退職給付引当金を含む)解く
- 決算整理の金額(2級・外貨換算と有価証券評価を含む)解く
- 当期純利益を繰越利益剰余金へ振り替えたときの仕訳解く
- 当期純損失を繰越利益剰余金へ振り替えたときの仕訳解く