会社の合併
吸収合併で相手の資産・負債を時価で受け入れ、対価との差額をのれんとして計上できるようになります。
ねらい
会社どうしがひとつになる合併の処理を学びます。このレッスンを終えると、吸収合併で受け入れた資産・負債を時価で計上し、対価との差額をのれんまたは負ののれん発生益として処理できるようになります。
ストーリー
あなたの会社は、同業の株式会社青山商店を吸収合併することになりました。青山商店の資産と負債をすべて引き継ぎ、青山商店の株主には対価として当社の株式を発行します。
ポイント
引き継ぐ財産は、青山商店の帳簿の金額ではなく、合併時点の時価で受け入れます。
今回受け入れるのは、売掛金 ¥3,000,000 と建物 ¥5,000,000(いずれも時価)、そして買掛金 ¥2,500,000 です。受け入れる純資産は、資産合計 ¥8,000,000 から負債 ¥2,500,000 を引いた ¥5,500,000 になります。
対価として発行する当社の株式の時価は ¥6,000,000 でした。受け入れた純資産より ¥500,000 高い対価を支払ったことになります。この差額が、第7章で学んだ「のれん」です。青山商店のブランド力や顧客との関係といった、帳簿に載らない収益力への支払いと考えます。
図解
合併の仕訳の骨組みです。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 受け入れた資産(時価) ¥8,000,000 | 受け入れた負債(時価) ¥2,500,000 |
| のれん(差額) ¥500,000 | 対価(資本金など) ¥6,000,000 |
対価が受け入れた純資産より安かった場合は、借方ののれんの代わりに、貸方に「負ののれん発生益」という収益を計上します。
仕訳と理由
合併の仕訳です。株式の発行額は全額を資本金とします。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 3,000,000 | 買掛金 | 2,500,000 |
| 建物 | 5,000,000 | 資本金 | 6,000,000 |
| のれん | 500,000 |
借方には、受け入れた資産を時価で1つずつ記入します。貸方には、受け入れた負債と、対価として発行した株式の金額(本問では全額資本金)を記入します。この時点で借方合計は ¥8,000,000、貸方合計は ¥8,500,000 で、¥500,000 足りません。この差額こそが、目に見えない収益力への支払いであるのれんです。無形固定資産として借方に記入し、貸借を一致させます。
のれんは第7章で学んだとおり、20年以内の期間で定額法により償却します。
例題
次の資料から、合併で計上されるのれんの金額を計算してみましょう。
株式会社立花物産を吸収合併し、資産(時価) ¥12,000,000 と負債(時価) ¥7,000,000 を受け入れた。対価として当社の株式 ¥5,800,000(全額資本金とする)を発行した。
答え合わせ
受け入れた純資産は 12,000,000 − 7,000,000 で ¥5,000,000 です。対価 ¥5,800,000 が純資産を ¥800,000 上回っているので、のれんは ¥800,000 になります。
応用
次の取引を仕訳してみましょう。
株式会社浜田屋を吸収合併し、売掛金 ¥4,000,000 と土地 ¥6,000,000(いずれも時価)、買掛金 ¥3,000,000 を受け入れた。対価として当社の株式 ¥6,500,000 を発行し、全額を資本金とした。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 4,000,000 | 買掛金 | 3,000,000 |
| 土地 | 6,000,000 | 資本金 | 6,500,000 |
| 負ののれん発生益 | 500,000 |
受け入れた純資産は ¥7,000,000 で、対価 ¥6,500,000 のほうが ¥500,000 安くなっています。安く受け入れられた差額は、貸方に「負ののれん発生益」という収益として記入します。のれんと違って資産にはならず、発生した期の収益になる点に注意してください。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 増資で払込金の最低額を資本金としたときの仕訳解く
- 株主総会で配当と処分を決議したときの仕訳解く
- 資本準備金を資本金に組み入れたときの仕訳解く
- 会社を吸収合併しのれんを計上したときの仕訳解く
- 増資の際の発行費用を支払ったときの仕訳解く