外貨建取引の発生と決済
外貨建の仕入や売上を取引日の為替相場で換算し、決済時の差額を為替差損益で処理できるようになります。
ねらい
外国の通貨で行う取引の処理を学びます。このレッスンを終えると、外貨建取引を取引日の為替相場で換算して記帳し、決済時に生じる差額を為替差損益として処理できるようになります。
ストーリー
あなたの会社は、アメリカの仕入先から商品 5,000ドルを掛けで輸入しました。帳簿は日本円でつけるので、ドルの金額をそのまま書くことはできません。円に直す必要があります。この円に直す作業を「換算(かんさん)」といい、円とドルの交換比率を「為替相場(かわせそうば)」またはレートといいます。
取引日の為替相場は1ドル ¥140 でした。5,000ドルの仕入は ¥700,000 と換算されます。
2か月後の支払日、為替相場は1ドル ¥143 に変わっていました。支払うのは同じ5,000ドルでも、円に直すと ¥715,000 かかります。帳簿の買掛金 ¥700,000 との差額 ¥15,000 は、為替相場の変動から生まれた損失です。この差額を処理する勘定が「為替差損益(かわせさそんえき)」です。
図解
時間の流れと換算に使う相場を整理します。
| 時点 | 使う為替相場 | 処理 |
|---|---|---|
| 取引の発生日 | 取引日の相場(1ドル ¥140) | 仕入と買掛金を ¥700,000 で記帳する |
| 決済日 | 決済日の相場(1ドル ¥143) | 支払額 ¥715,000 との差額を為替差損益とする |
仕訳と理由
輸入した日の仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 700,000 | 買掛金 | 700,000 |
ポイント
外貨建の取引は、取引が発生した日の為替相場で換算して記帳します。
5,000ドル かける ¥140 で、仕入と買掛金はどちらも ¥700,000 です。
支払日に、買掛金5,000ドルを普通預金口座から支払ったときの仕訳です。決済日の相場は1ドル ¥143 でした。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 700,000 | 普通預金 | 715,000 |
| 為替差損益 | 15,000 |
買掛金は帳簿に載っている ¥700,000 を借方に記入して減らします。実際に口座から出ていくお金は、決済日の相場で換算した ¥715,000 です。差額の ¥15,000 は円安によって余計に支払うことになった損失で、為替差損益の借方に記入します。為替差損益は、損のときは借方、益のときは貸方に記入して、決算でまとめて損益に振り替える勘定です。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
アメリカの得意先へ商品 3,000ドルを輸出し、代金は掛けとした。輸出日の為替相場は1ドル ¥138 である。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 414,000 | 売上 | 414,000 |
取引日の相場で換算します。3,000ドル かける ¥138 で ¥414,000 です。輸出でも輸入でも、発生日の相場で記帳する点は同じです。
応用
例題の続きです。次の取引を仕訳してみましょう。
売掛金 3,000ドルの決済日となり、全額が当社の普通預金口座へ円換算で振り込まれた。決済日の為替相場は1ドル ¥142 である。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 426,000 | 売掛金 | 414,000 |
| 為替差損益 | 12,000 |
受け取るお金は決済日の相場で 3,000ドル かける ¥142 の ¥426,000 です。帳簿の売掛金 ¥414,000 を貸方で減らし、円安によって多く受け取れた差額 ¥12,000 は利益なので、為替差損益の貸方に記入します。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 外貨建の買掛金を決済したときの仕訳解く
- 決算日に外貨建の売掛金を換算替えしたときの仕訳解く
- 買掛金に為替予約を振り当てたときの仕訳解く
- 商品を輸出したときの仕訳解く
- 取引と同時に為替予約を結んだときの仕訳解く