決算時の換算と為替差損益
決算日に残る外貨建の債権・債務を決算日の為替相場で換算替えできるようになります。
ねらい
決算日に外貨建の売掛金や買掛金が残っているときの処理を学びます。このレッスンを終えると、換算替えが必要な項目と不要な項目を区別し、決算日の為替相場で換算替えできるようになります。
ストーリー
決算日を迎えたあなたの会社の帳簿には、アメリカの得意先への売掛金 3,000ドルが残っています。取引日の相場1ドル ¥138 で換算した ¥414,000 で記帳されています。
ところが決算日の相場は1ドル ¥141 になっていました。いま換算すれば ¥423,000 です。決算書には決算日時点の実態を載せるべきなので、帳簿の金額を決算日の相場で付け直します。これを換算替えといいます。
ポイント
換算替えの対象になるのは、売掛金・買掛金・外貨建の現金預金など、将来お金の受け払いにつながる項目です。
一方、前払金や前受金のように、すでにお金のやり取りが済んでいてお金の受け払いにつながらない項目は、換算替えをしません。
図解
換算替えの要否を整理します。
| 区分 | 例 | 決算日の処理 |
|---|---|---|
| お金の受け払いにつながる項目 | 売掛金、買掛金、外貨建の預金 | 決算日の相場で換算替えする |
| お金の受け払いが済んでいる項目 | 前払金、前受金 | 換算替えしない(取引日の相場のまま) |
仕訳と理由
決算日に、売掛金 3,000ドル(帳簿価額 ¥414,000)を決算日の相場1ドル ¥141 で換算替えしたときの仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 9,000 | 為替差損益 | 9,000 |
決算日の相場で換算すると 3,000ドル かける ¥141 で ¥423,000 です。帳簿価額との差額 ¥9,000 だけ売掛金を借方で増やし、円安による利益なので為替差損益を貸方に記入します。
反対に、買掛金が残っている場合を考えます。買掛金 2,000ドルを取引日の相場1ドル ¥140 で換算した ¥280,000 で記帳しており、決算日の相場が1ドル ¥144 だったときの仕訳です。
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 為替差損益 | 8,000 | 買掛金 | 8,000 |
決算日の換算額は ¥288,000 で、支払う義務が ¥8,000 増えました。負債の増加を貸方に記入し、円安による損失を為替差損益の借方に記入します。
注意
同じ円安でも、売掛金なら益、買掛金なら損になります。
例題
次の取引を仕訳してみましょう。
決算にあたり、外貨建の買掛金 4,000ドル(1ドル ¥139 で換算した ¥556,000 で記帳)について、決算日の為替相場1ドル ¥137 で換算替えする。
答え合わせ
| 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 買掛金 | 8,000 | 為替差損益 | 8,000 |
決算日の換算額は 4,000ドル かける ¥137 で ¥548,000 です。支払う義務が ¥8,000 減ったので、買掛金を借方で減らし、円高による利益を為替差損益の貸方に記入します。
応用
次の問いに答えてみましょう。
決算日に、次の外貨建項目が帳簿に残っている。換算替えが必要なものをすべて選び、理由を考えてみましょう。
- 売掛金 2,000ドル
- 商品の輸入にあたって支払った前払金 500ドル
- 外貨建の普通預金 1,000ドル
答え合わせ
換算替えが必要なのは1と3です。売掛金と外貨建の預金は、将来のお金の受け取りにつながる項目なので、決算日の相場で実態に合わせます。2の前払金は、すでにお金を支払い済みで、この後は商品を受け取るだけです。お金の受け払いにつながらないため、取引日の相場のまま据え置きます。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
章のまとめへ- 外貨建の買掛金を決済したときの仕訳解く
- 決算日に外貨建の売掛金を換算替えしたときの仕訳解く
- 買掛金に為替予約を振り当てたときの仕訳解く
- 商品を輸出したときの仕訳解く
- 取引と同時に為替予約を結んだときの仕訳解く