資源・リスク・コミュニケーションの管理
人や設備の割り当て、起きる前に手を打つリスク管理、関係者への伝え方を知り、範囲・日程・費用が互いに縛り合う関係を説明できるようになります。
ねらい
人・リスク・伝達の管理を学びます。このレッスンを終えると、リスクを起きる前に扱う方法を説明でき、範囲・日程・費用・品質が互いに縛り合う関係を理解できるようになります。
3つは、互いに縛り合っています
プロジェクトで管理する対象のうち、範囲・日程・費用は独立していません。
- 範囲を広げれば、日程か費用が増えます。
- 日程を縮めれば、費用が増えるか、範囲を減らすことになります。
- 費用を削れば、範囲を減らすか、日程が延びます。
3つすべてを固定したまま範囲だけ増やすと、しわ寄せは品質に出ます。テストを削る、レビューを省く、といった形で現れ、後で不具合として返ってきます。だから交渉のときは、どれを動かすのかを必ず決めます。
資源の管理 — 人と設備を割り当てる
資源とは、人・設備・材料など、作業に必要なものです。
- 必要な技能を洗い出す。どんな知識を持った人が、何人、いつ必要か。
- 割り当てる。同じ人を同時期に2つの作業へ割り当てていないかを確かめます。
- 育てる。足りない技能は、教育か外部からの調達で埋めます。
人の割り当てで最も多い失敗は、同じ人を複数の作業に重ねることです。計画上は成り立っていても、その人の1日は増えません。
リスクの管理 — 起きる前に手を打つ
リスクは、起きるかどうか分からないが、起きたら影響がある事柄です。すでに起きてしまったものは、リスクではなく問題です。
リスク管理は、次の順で行います。
- 洗い出す。何が起こり得るかを挙げます。
- 評価する。起きる可能性と起きたときの影響の2つで測り、優先順位を付けます。
- 対応を決める。下の4つから選びます。
- 見張る。状況は変わるので、定期的に見直します。
| 対応 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 回避 | リスクの原因そのものを取り除く | 実績のない新技術を使わない |
| 軽減 | 可能性か影響を小さくする | 早い段階で試作して確かめる |
| 転嫁 | 他者に引き受けてもらう | 保険をかける、外部に委託する |
| 受容 | 受け入れて、起きたら対処する | 影響が小さいものは備えだけ |
ポイント
すべてのリスクに手を打つ必要はありません。対策にも費用がかかるからです。可能性が低く影響も小さいものは、受け入れるのが正しい判断です。優先順位を付けるのは、限られた労力をどこに使うかを決めるためです。
伝えることの管理
関係者が多いほど、伝わっていないことが原因の失敗が増えます。あらかじめ決めておきます。
- 誰に、何を、どの頻度で伝えるか。経営層には月次の要約、現場には週次の詳細、というように分けます。
- どの手段で伝えるか。決定事項は文書、相談は会話、というように使い分けます。
- 悪い知らせを、早く上げられるようにする。遅れや不具合は、隠されると手遅れになります。早く報告した人が責められる状態にしないことが、管理する側の仕事です。
まとめ
範囲・日程・費用は互いに縛り合い、全部を固定すると品質にしわ寄せが出ます。資源の割り当てでは、同じ人を重ねていないかを確かめます。リスクは起きる前に、可能性と影響で優先順位を付けて、回避・軽減・転嫁・受容から対応を選びます。そして悪い知らせが早く上がる状態を作ることが、伝達の管理の要点です。
理解の確認
プロジェクトで「主要な開発メンバーが急病で離脱する」というリスクを認識しました。可能性は低いものの、起きたときの影響は大きいと評価されています。どのような対応が考えられるでしょうか。
答え: 影響が大きいので受容(何もせず起きたら対処する)は適していません。現実的なのは軽減です。具体的には、その人しか分からない状態を作らないよう設計や作業の内容を文書に残す、複数人が同じ作業をできるようにしておくといった手を打ちます。こうしておけば、離脱が起きても他の人が引き継げるため、影響そのものが小さくなります。あわせて転嫁として、外部の要員をすぐ調達できる契約をあらかじめ結んでおく方法も考えられます。回避(その人を使わない)は主要メンバーである以上、現実的ではありません。
分からなかった点・気になった点
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