確率・組合せと代表値
確率と組合せの数え方を身につけ、平均値と中央値の使い分けを、外れ値のある例から説明できるようになります。
ねらい
データを扱うために必要な数学を学びます。このレッスンを終えると、場合の数と確率を計算でき、平均値と中央値のどちらを使うべきかを判断できるようになります。
何通りあるかを数える
選び方の総数は、掛け算で数えます。
たとえば、5人の中から委員長と書記を1人ずつ選ぶとします。ただし兼任してよいとします。
- 委員長の選び方… 5通り。
- 書記の選び方… 兼任してよいので、こちらも 5通り。
- 合計… 5 × 5 = 25通り。
兼任を認めないなら、書記は委員長になった人を除く4通りなので、5 × 4 = 20通りです。
ポイント
「同じものを選び直してよいか」で答えが変わります。問題文に「兼任を認める」「重複を許す」と書かれていたら、選ぶたびに候補が減らないことを意味します。ここを読み落とすと数え方を間違えます。
桁数の考え方も同じです。電話番号を n 桁の数字で作るとき、各桁に0から9の10通りが入るので、10のn乗通りです。80億件を区別したければ、10の10乗が100億なので10桁あれば足ります。
確率 — 起きる割合
確率は、起こり得る場合のうち、その事象が起こる場合の割合です。
サイコロを1回投げて1が出る確率は 6分の1、1が出ない確率は 6分の5です。
3回投げて、一度も1が出ない確率は、毎回独立なので掛け算します。
6分の5 × 6分の5 × 6分の5 = 216分の125
「一度も起きない」は掛け算で求められますが、「少なくとも1回起きる」は直接には数えにくいという性質があります。そこで1から「一度も起きない確率」を引きます。上の例なら、少なくとも1回1が出る確率は 1 − 216分の125 = 216分の91 です。
代表値 — データを1つの数で表す
集めたデータ全体を1つの数で表すものを代表値といいます。
- 平均値… 全部を足して個数で割った値。
- 中央値(メジアン)… 小さい順に並べたときの真ん中の値。
- 最頻値(モード)… 最も多く現れる値。
この3つは、同じデータでも異なる値になります。とくに極端に大きい値や小さい値(外れ値)があるとき、平均値はそちらへ引っ張られます。
たとえば5人の月収が 20・21・22・23・200(万円)なら、平均値は57.2万円ですが、5人のうち4人は平均を下回ります。中央値は22万円で、こちらのほうが「真ん中の人の姿」を表しています。
外れ値があるときは中央値、データが左右に散らばっているだけなら平均値、というのが使い分けの目安です。
ばらつきを見る
真ん中だけでは、データの様子は分かりません。同じ平均でも、集まっているか散らばっているかで意味が違います。
- 分散・標準偏差… 平均からどれだけ散らばっているかを表します。大きいほど散らばっています。
- 偏差値… 平均を50、標準偏差を10として、自分の位置がどこかを表した数です。同じ80点でも、平均が50点の教科と70点の教科では偏差値が違います。
偏差値は、点数そのものではなく「集団の中での位置」を表します。だから科目をまたいで比べられます。
まとめ
場合の数は掛け算で数え、同じものを選び直してよいかで答えが変わります。「少なくとも1回」は、1から「一度も起きない確率」を引いて求めます。代表値のうち平均値は外れ値に引っ張られ、中央値は順位で決まるので影響を受けません。ばらつきは標準偏差で見て、偏差値は集団の中での位置を表します。
理解の確認
ある部署の6人の月給が、20・21・22・23・24・150(万円)でした。この部署の「一般的な月給」を1つの数で伝えるとき、平均値と中央値のどちらが適しているでしょうか。理由も述べてください。
答え: 中央値が適しています。平均値は (20+21+22+23+24+150) ÷ 6 = 43.3万円 ですが、6人のうち5人がこの値を下回ります。150万円という極端に大きい値(外れ値)に引っ張られているためで、「一般的な月給」の姿を表していません。中央値は小さい順に並べたときの真ん中の値で、6人なので3番目と4番目の平均をとり (22+23) ÷ 2 = 22.5万円 です。中央値は順位で決まるため、1つの値が極端に大きくても影響を受けません。外れ値があるときは中央値を使うというのが判断の目安です。
分からなかった点・気になった点
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