オープンソースソフトウェア
OSSが何を認めているのかを条件から理解し、無料であることと自由に使えることの違いを説明できるようになります。
ねらい
ソースコードが公開されたソフトウェアについて学びます。このレッスンを終えると、OSSが認めていることと守るべきことを説明でき、「無料」との違いが分かるようになります。
OSSは、値段の話ではありません
OSS(オープンソースソフトウェア)は、ソースコードが公開され、誰でも使い、調べ、改変し、再配布できるソフトウェアです。
認められているのは、次の4つです。
- 使う… 用途を制限されません。商用に使うことも認められます。
- 調べる… ソースコードを読み、どう動いているかを確かめられます。
- 改変する… 自分の用途に合わせて直せます。
- 再配布する… 他の人に渡せます。
ポイント
「無料だからOSS」ではありません。OSSの本質はソースコードが公開され、改変と再配布が認められていることです。無料でもソースコードが非公開のソフトウェア(フリーウェア)はOSSではありません。逆に、OSSに有償のサポートを付けて売ることも認められています。
条件は必ずあります
著作権は放棄されていません。だから、ライセンスに書かれた条件を守る義務があります。
代表的な条件には、次のようなものがあります。
- 著作権表示を残す。元の作者の表示を消してはいけません。
- ライセンス文を添付する。
- 改変した部分を明示する。
- 同じライセンスで公開する。改変して配布する場合、元と同じライセンスを引き継ぐことを求めるものがあります。
最後の条件はとくに注意が要ります。自社製品にそうしたOSSを組み込んで配布すると、自社で書いた部分のソースコードまで公開を求められることがあります。組み込む前に、ライセンスの条件を確かめる必要があります。
使ううえでの判断
OSSを選ぶときは、次を見ます。
- ライセンスの条件… 自社の使い方と両立するか。
- 開発が続いているか… 更新が止まっていると、弱点が見つかっても直りません。
- 利用者の多さ… 情報が多く、困ったときに調べやすくなります。
- サポート… 有償サポートを提供する事業者があるか。
責任の所在も違います。商用ソフトウェアには提供元の保証がありますが、OSSは原則として無保証です。不具合による損害の責任は、使う側が負います。だから業務で使うなら、有償サポートを買うという選択も現実的です。
代表的なOSS
| 分野 | 例 |
|---|---|
| OS | Linux、Android の基盤部分 |
| Webサーバ | Apache HTTP Server |
| データベース | MySQL、PostgreSQL |
| ブラウザ | Firefox |
| 事務ソフト | LibreOffice |
| プログラム言語 | Python、Ruby |
社会の基盤の多くがOSSで動いています。利用が広がっているのは、費用の面だけでなく、中身を確かめられることと、特定の企業に縛られないことが評価されているためです。
まとめ
OSSは、ソースコードが公開され、使う・調べる・改変する・再配布するが認められたソフトウェアです。無料であることが定義ではありません。著作権は放棄されておらず、著作権表示や同じライセンスでの公開といった条件を守る義務があります。原則として無保証なので、業務で使うなら有償サポートも選択肢になります。
理解の確認
自社で開発して販売する製品に、あるOSSを組み込むことを検討しています。「OSSは自由に使えるのだから、そのまま組み込んで問題ない」という判断は正しいでしょうか。
答え: 正しくありません。OSSは自由に使えますが、条件が無いわけではありません。著作権は放棄されておらず、ライセンスに書かれた条件を守る義務があります。とくに注意が要るのは、改変して配布する場合に元と同じライセンスでの公開を求める条件です。この条件を持つOSSを製品に組み込んで配布すると、自社で書いた部分のソースコードまで公開を求められるおそれがあります。組み込む前に、そのOSSのライセンスが自社の販売方法と両立するかを確かめる必要があります。あわせて、OSSは原則として無保証である点も、製品の品質保証をどうするかという観点から検討が要ります。
分からなかった点・気になった点
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