業務分析・データ利活用
現場の事実を図と数字で整理する代表的な手法を身につけ、どの場面でどの図を選べばよいかを判断できるようになります。
ねらい
仕事の実態を、思い込みではなく図と数字でつかむ手法を学びます。このレッスンを終えると、代表的な図表の使い分けと、データから傾向を読む基本の考え方を説明できるようになります。
図表の使い分け
業務分析は、全体をひとかたまりで見ずに分けて見る作業です。「売上が落ちている」で止まらず、商品別に分ければどの品目が落ちたのかが、時間帯で分ければいつ落ちたのかが分かります。分けて見ると、打ち手が決まります。
分け方を型にしたのが図表です。ITパスポートでは、図表の名前と用途の対応がそのまま問われます。何を知りたいのかで図が決まります。
| 知りたいこと | 使う図 | 特徴 |
|---|---|---|
| どこに重点を置くか | パレート図 | 棒を大きい順に並べ、累積比率を折れ線で重ねる |
| 原因は何か | 特性要因図 | 魚の骨の形に、結果へ至る要因を分類して並べる |
| 2つの量に関係はあるか | 散布図 | 点の散らばりで相関の有無を見る |
| ばらつきの分布はどうか | ヒストグラム | 数値を区間に分け、度数を棒で示す |
| 時間とともにどう動いたか | 管理図 | 折れ線に上限・下限の線を引き、異常を見つける |
| 複数の項目を同時に比べたい | レーダーチャート | 放射状の軸に値を取り、多角形の形で全体像を見る |
ポイント
パレート図の背景にあるのがパレートの法則です。80対20の法則とも呼ばれ、結果の大部分は少数の要因から生まれるという経験則です。ABC分析は、この考え方で対象をA・B・Cの3群に分ける手法です。
代表値と散らばりの読み方
データを1つの数字に要約するとき、代表値を使います。
- 平均値… すべてを足して個数で割った値。極端に大きい値があると引っ張られます。
- 中央値… 小さい順に並べたときの真ん中の値。極端な値の影響を受けにくい値です。
- 最頻値… 最も多く現れる値。
年収のように、一部の極端に高い値がある集まりでは、平均値が実感とずれます。このとき中央値のほうが実態に近くなります。どの代表値を使うかで見え方が変わることを知っておきましょう。
散らばりの大きさは、分散や標準偏差で表します。標準偏差が大きいほど、値が広く散らばっています。
2つの量の関係は相関で見ます。片方が増えるともう片方も増えるのが正の相関、逆に動くのが負の相関です。相関があることと、原因と結果の関係があることは別です。アイスの売上と水難事故はどちらも夏に増えますが、どちらかがどちらかの原因ではありません。
データ利活用の考え方
集めたデータを判断に使う流れも、近年よく問われます。
- BI(ビジネスインテリジェンス)… 蓄積したデータを分析し、経営の意思決定に役立てる仕組み。
- データサイエンス… 統計や情報技術を使い、データから価値を引き出す取り組み。
- データマイニング… 大量のデータから、気づかれていなかった規則性を掘り出すこと。
ポイント
2027年度からの新しい試験制度では、データマネジメントの基礎が新規に加わります。データを集める・整える・守る・活かすという流れは、これから重みが増していく帯です。
業務の流れを表す図
仕事の手順そのものを図にするときは、次を使います。
- 業務フロー図… 誰が何をどの順でやるかを、担当ごとの列に分けて並べた図。
- E-R図… 扱う情報どうしの関係を表した図。データベースの設計で使います。
- DFD… データがどこからどこへ流れるかを表した図。
「人の動き」を見たいなら業務フロー図、「情報の持ち方」を見たいならE-R図、「情報の流れ」を見たいならDFDです。名前だけで覚えず、何を見たいときに使うのかとセットにしましょう。
まとめ
業務分析は、感覚で語られていたことを分けて見て、図と数字に置き換える作業です。どの図を選ぶかは、何を知りたいかで決まります。代表値や相関の読み方は、これから重みを増すデータ利活用の土台になります。
分からなかった点・気になった点
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