ビジネス戦略と目標・評価
立てた戦略が進んでいるかを測るしくみを知り、KGIとKPIの違い、バランススコアカードの4つの視点を、具体的な目標に当てはめて説明できるようになります。
ねらい
戦略を立てたあと、それが進んでいるかどうかを測る方法を学びます。このレッスンを終えると、最終目標と途中の指標を区別し、売上以外の面からも会社を評価するしくみを説明できるようになります。
立てただけの戦略は、進みません
戦略を立てても、測らなければ進んでいるかどうかが分かりません。「頑張ろう」で終わってしまいます。そこで、目標を数で表し、途中経過も数で追いかけます。
ここで使う言葉が3つあります。最終的に到達したい状態、そのために外せない要点、要点が進んでいるかを測る数です。
| 言葉 | 意味 | 通販事業の例 |
|---|---|---|
| KGI(重要目標達成指標) | 最終的に到達したい状態を数で表したもの | 年間売上を3億円にする |
| CSF(重要成功要因) | そこへ届くために、外してはいけない要点 | リピート購入を増やす |
| KPI(重要業績評価指標) | 要点が進んでいるかを測る、途中の数 | 再購入率を毎月測る |
ポイント
KGIは「着いたかどうか」、KPIは「近づいているかどうか」を測ります。年に一度しか分からないKGIだけでは、途中で手を打てません。だから毎月見られるKPIを置きます。
目標は数で置きます。「顧客満足を高める」では、達成したかどうかを誰も判定できません。「アンケートの満足度を80%にする」なら判定できます。
バランススコアカード — 売上だけを見ない
売上や利益だけを追うと、将来を犠牲にして今の数字を作ることが起きます。教育をやめれば費用は下がりますが、数年後に人が育っていません。
バランススコアカード(BSC)は、会社を4つの視点から同時に見る方法です。
- 財務の視点… 売上や利益は出ているか。
- 顧客の視点… お客様は満足し、増えているか。
- 業務プロセスの視点… 社内の仕事はうまく流れているか。
- 学習と成長の視点… 人は育ち、知識は積み上がっているか。
この4つには順序があります。人が育つ(学習と成長)と、仕事がうまく流れ(業務プロセス)、お客様が満足し(顧客)、その結果として売上が上がります(財務)。財務は結果であって、原因は下の3つにあります。だから財務だけを見ていると、原因に手を打てません。
目標を回し続けるしくみ
決めた目標は、置いたままにせず回します。PDCAは、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Act)を繰り返す進め方です。評価で終わらず、改善して次の計画に戻すところが要点です。
戦略そのものが正しかったかを確かめる場面もあります。事業の価値を、かかる費用に対して得られる働きの大きさで見直すバリューエンジニアリングという考え方は、「同じ働きをもっと安く実現できないか」を問う方法です。
まとめ
戦略は測らなければ進みません。KGIで着地点を決め、CSFで外せない要点を選び、KPIで途中を測ります。そして財務だけを見ると将来を削ってしまうので、バランススコアカードで人・仕事・顧客・お金の4方向から見ます。
理解の確認
ある飲食チェーンが「3年後に営業利益を1.5倍にする」という目標を立て、その達成に欠かせない要点として「来店客の待ち時間短縮」を選びました。この2つはそれぞれ何と呼ばれ、次に何を用意すべきでしょうか。
答え: 「3年後に営業利益を1.5倍にする」は最終的な到達点を数で表したもので、KGI(重要目標達成指標)です。「待ち時間短縮」はそこへ届くために外せない要点なので、CSF(重要成功要因)です。次に用意すべきは、その要点が進んでいるかを短い間隔で測るKPIで、たとえば「平均待ち時間を毎月測り、10分以内にする」といった数を置きます。KGIは3年後にしか判定できないため、途中で手を打つにはKPIが要ります。
分からなかった点・気になった点
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