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ないぶとうせいほうこくせいど

内部統制報告制度

J-SOX = Japanese Sarbanes-Oxley Act

上場企業に対し、財務報告の信頼性を確保する体制を経営者自らが評価し報告させる制度です。

詳しい説明

1. 定義

内部統制報告制度とは、上場企業に対し、財務報告の信頼性を確保するための体制が整備されていることを経営者自らが評価し、その結果を報告書として公表することを義務付ける制度です。日本では金融商品取引法に基づき、企業の粉飾決算や不正を防ぎ、投資家を守るために導入されました。

この制度は、単に書類を作るだけではなく、企業活動の中に不正が発生しない仕組みを組み込み、それを日常的に運用することを求めています。経営者が財務報告の信頼性を担保する責任を負うことで、市場全体の透明性を高めることがこの制度の大きな目的です。

2. 仕組みと種類

制度の仕組みは、経営者による内部統制の評価と、それに対する公認会計士による監査の二本柱で構成されます。経営者はまず、自社の業務プロセスにおいてリスクを特定し、それを抑制するための統制活動を設計します。次に、その統制活動が実際に機能しているかを評価し、内部統制報告書を作成します。

また、この評価結果に対して、独立した第三者である公認会計士が監査を行います。これを内部統制監査と呼びます。評価の対象となる内部統制には、全社的な視点の統制と、業務プロセスごとの統制があり、前者は経営理念や組織体制、後者は販売や仕入などの具体的な業務手順を指します。

3. 試験ごとの視点

ITパスポート試験では、企業活動におけるコンプライアンスや経営管理の視点から問われます。経営者が内部統制を整備する責任を持つことや、財務報告の信頼性が重要であるという大枠の理解が求められます。特に経営者責任の重要性が強調されます。

基本情報技術者試験では、システム監査やセキュリティの観点から深く問われます。具体的には、ITに係る全般統制や業務処理統制の内容が詳細に問われ、システム開発のプロセスや権限管理が適切に行われているか、その証拠をどう残すかが重要な出題ポイントになります。

4. 紛らわしい語との違い

「内部統制」という言葉は、企業が適正に運営されるための組織的な仕組み全体を指す広義の概念です。これに対し、「内部統制報告制度」は、その中から特に財務報告の信頼性に焦点を当て、外部へ報告を義務付けた法律上の仕組みを指す狭義の制度です。

また、「監査」とは、内部統制が正しく機能しているかを第三者が調べる活動です。内部統制報告制度は、あくまで経営者が評価を行う義務そのものを指すため、監査という活動を包含する上位の枠組みと言えます。

5. 身近な例

身近な例として、レジ締めや在庫確認の手順があります。担当者が一人で売上を記録し、現金を確認すると不正の余地が生じます。そこで、別の担当者が現金を数えるという「職務分掌」をルール化し、記録を残すことが内部統制の一例です。

ITシステムでは、特定の社員しか操作できない権限設定や、操作ログの記録がこれに当たります。これらの仕組みが実際にルール通り運用されているかを経営者が評価し、報告することが、ITを活用した内部統制報告制度の具体的な姿です。

試験で問われること

ITパスポート試験

  • 経営者が内部統制を整備・評価する責任を持つことを理解する。
  • 財務報告の信頼性を確保することが目的であることを押さえる。
  • 内部統制の構成要素(統制環境、リスク評価など)を覚える。

基本情報技術者試験

  • ITに係る全般統制と業務処理統制の違いを識別する。
  • システム監査人が行う内部統制監査の役割を理解する。
  • システム開発の権限管理と監査証跡の重要性を押さえる。