ITパスポート試験はどんな試験か、3分野と合格の基準
2026/08/20ITパスポート試験は120分100問。総合600点に加えて3分野それぞれ300点の基準点があり、どれか1つでも下回ると不合格です。苦手分野を捨てられない仕組みを整理しました。
ITパスポート試験を調べていると、「600点以上で合格」という数字をよく見かけます。ただ、これだけでは合格の条件の半分しか言っていません。
この試験には、総合点とは別に分野ごとの基準点があります。ここを知らずに勉強を進めると、得意な分野で稼いで総合点は超えたのに不合格、ということが起こりえます。
この記事では、情報処理推進機構(IPA)が公表している試験要綱をもとに、ITパスポート試験の形を整理します。
この試験はどんな試験か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 出題数 | 100問 |
| 出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
| 実施方式 | CBT方式(随時) |
120分で100問なので、1問あたり1分あまりという計算になります。四肢択一なので、じっくり考え込むというより、知っているかどうかで次々に判断していく形の試験です。
CBT方式で随時実施されているので、決まった試験日を待つ必要はありません。会場の空いている日時から選んで受けられます。
100問のうち、採点されるのは92問です
ここは知っておくと安心できる点です。試験要綱にこう書かれています。
出題数100問のうち、総合評価は92問で行い、残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われる
つまり100問中8問は採点されません。どれが採点対象外なのかは受験中にわかりませんが、「まったく見当がつかない問題が数問あっても、それが採点対象外かもしれない」ということです。1問で気持ちが折れる必要はありません。
採点される92問は、分野ごとに数が決まっています。
| 分野 | 採点される問題数 |
|---|---|
| ストラテジ系 | 32問 |
| マネジメント系 | 18問 |
| テクノロジ系 | 42問 |
テクノロジ系が42問でいちばん多く、マネジメント系が18問でいちばん少ないという構成です。
合格の基準は、総合点と分野別の両方です
ここがこの試験のいちばん大事なところです。試験要綱の記述はこうです。
総合評価点及び各分野別評価点(ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の三つの分野別評価点)がそれぞれ基準点以上の場合に合格とする
基準点は次のとおりです。
| 評価 | 基準点 | 満点 |
|---|---|---|
| 総合評価点 | 600点 | 1,000点 |
| ストラテジ系 | 300点 | 1,000点 |
| マネジメント系 | 300点 | 1,000点 |
| テクノロジ系 | 300点 | 1,000点 |
この4つの基準は、すべて同時に満たす必要があります。総合で600点を超えていても、3分野のどれか1つが300点に届かなければ合格になりません。
これが何を意味するでしょうか。苦手な分野を捨てるという作戦が使えないということです。
「テクノロジ系は難しそうだから、ストラテジ系とマネジメント系で稼ごう」という組み立ては、この試験では成り立ちません。どの分野も、最低ラインは越えなければならないからです。
とくに気をつけたいのがマネジメント系です。採点される問題は18問といちばん少ないのに、基準点は他の分野と同じ300点です。問題数が少ない分野ほど、1問の重みが大きくなります。ここを「量が少ないから後回し」と扱うと、思わぬところでつまずきます。
1問あたりの配点は、公表されていません
「では1問何点なのか」と考えたくなりますが、この試験に1問あたりの配点はありません。試験要綱に明記されています。
IRTに基づいて解答結果から評価点を算出することから、配点割合はない
IRTは項目応答理論という採点方式の名前です。単純に正解数を足し合わせるのではなく、解答の結果から評価点を算出するしくみになっています。
そのため「あと何問正解すれば600点」という逆算はできません。目安として使えるのは、分野ごとに満遍なく正解を積むという方針だけです。
何が出るか
出題範囲は3分野に分かれ、その下に9つの大分類があります。
| 分野 | 大分類 |
|---|---|
| ストラテジ系 | 企業と法務、経営戦略、システム戦略 |
| マネジメント系 | 開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント |
| テクノロジ系 | 基礎理論、コンピュータシステム、技術要素 |
大分類の下にはさらに中分類が23、シラバスの小分類が63並んでいます。
分野の名前だけ見ると身構えてしまいますが、中身を見るとITの技術の話だけではありません。ストラテジ系には経営や法務が入り、マネジメント系にはプロジェクトの進め方が入ります。会社で働くときに知っておくと役に立つ話が、かなりの割合を占めています。
なお1つ、範囲の分け方に注意する点があります。「開発技術」という大分類は、名前からするとテクノロジ系に見えますが、ITパスポート試験ではマネジメント系に含められています。分野別の点数を意識するときは、ここを取り違えないようにしましょう。
よくある質問
受験資格はありますか
IPAの試験要綱と概要ページに、受験資格についての記載はありません。年齢や学歴を問う条件は示されていない、という読み方になります。
パソコンが苦手でも受けられますか
CBT方式なので画面で操作しますが、操作そのものは選択肢を選ぶ形が中心です。なお試験要綱には、身体の不自由などによりCBT方式で受験できない場合について、前期と後期それぞれの実施期間の中でペーパー方式による受験ができるとの記載があります。
どの分野から始めるとよいですか
試験要綱に学習の順番の指定はありません。ただ、どの分野も基準点を越える必要があるという条件からすると、「得意そうな分野から固める」より「全分野に一度ずつ触れて、苦手がどこにあるかを早めに把握する」ほうが、この試験の形には合っています。
申し込みと日程はどこで確認できますか
ITパスポート試験の公式サイトで、会場と空き状況を確認して申し込めます。
次に読むもの
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