ITパスポート試験について調べると「600点以上で合格」という数字をよく目にします。総合600点を目指せばよいと考えがちですが、これだけでは合格条件の半分を満たしたにすぎません。この試験には総合点とは別に分野ごとの基準点が設けられており、得意分野で総合点を稼いでも特定分野の得点が足りずに不合格となるケースがあります。
この試験はどんな試験か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 120分 |
| 出題数 | 100問 |
| 出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) |
| 実施方式 | CBT方式(随時) |
試験時間は120分で出題数は100問のため、1問あたりに使える時間は約1分です。多肢選択式(四肢択一)となっており、じっくりと思考を巡らせるよりも知識をもとにテンポよく正誤を判断していく形式です。また、CBT方式により随時実施されているため、年次などの決まった試験日を待たず、テストセンターの空き状況に合わせて都合の良い日時を選んで受験できます。
100問のうち採点されるのは92問
100問すべてが得点に直結するわけではない点は、事前に把握しておくと安心材料になります。試験要綱には次のように記載されています。
出題数100問のうち、総合評価は92問で行い、残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われる
出題される100問のうち8問は評価対象外です。どの問題が採点対象外なのかを受験中に見極めることはできませんが、まったく見当がつかない問題に遭遇しても採点されない問題である可能性があります。1問ごとに過度に動揺せず、落ち着いて解答を進める姿勢が大切です。なお、採点対象となる92問の内訳は分野ごとに定められています。
| 分野 | 採点される問題数 |
|---|---|
| ストラテジ系 | 32問 |
| マネジメント系 | 18問 |
| テクノロジ系 | 42問 |
問題数はテクノロジ系が42問と全体の半数近くを占める一方で、マネジメント系は18問と最も少なくなっています。この問題数の差は、分野別の基準点と組み合わさった際に重要な意味を持ちます。
合格の基準は総合点と分野別の両方
ITパスポート試験において最も重要なのが合格基準です。試験要綱では以下のように規定されています。
総合評価点及び各分野別評価点(ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の三つの分野別評価点)がそれぞれ基準点以上の場合に合格とする
基準点の具体的な配分は次のとおりです。
| 評価 | 基準点 | 満点 |
|---|---|---|
| 総合評価点 | 600点 | 1,000点 |
| ストラテジ系 | 300点 | 1,000点 |
| マネジメント系 | 300点 | 1,000点 |
| テクノロジ系 | 300点 | 1,000点 |
これら4つの基準はすべて同時に満たす必要があります。総合得点が600点を超えていても、3分野のうち1つでも300点を下回れば不合格となります。「テクノロジ系が苦手なためストラテジ系とマネジメント系で補う」といった得点計画は成立しません。苦手分野を完全に捨てる学習方針は避け、バランスよく対策を講じる必要があります。
特に注意を要するのがマネジメント系です。採点対象が18問と最小であるにもかかわらず、基準点は他分野と同じ300点に設定されています。問題数が少ない分野ほど1問あたりの失点が合否に与える影響が大きくなります。「出題数が少ないから後回しにする」と判断すると、思わぬ失点につながる危険があります。
1問あたりの配点は公表されていない
「1問あたり何点獲得できるか」という疑問が生じますが、本試験には固定された1問ごとの配点は存在しません。この点は試験要綱にも明記されています。
IRTに基づいて解答結果から評価点を算出することから、配点割合はない
IRT(項目応答理論)は、正解した問題数のみを単純加算するのではなく、問題の難易度や解答パターン全体から評価点を統計的に算出する方式です。そのため「あと何問正解すれば600点に届く」という正確な逆算はできません。合格に向けては、各分野で満遍なく確実に正解を積み重ねていく姿勢が指針となります。
出題される分野と内容
出題範囲は3分野で構成され、その下に9つの大分類が設定されています。
| 分野 | 大分類 |
|---|---|
| ストラテジ系 | 企業と法務、経営戦略、システム戦略 |
| マネジメント系 | 開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント |
| テクノロジ系 | 基礎理論、コンピュータシステム、技術要素 |
各大分類の下には中分類が23、シラバスの小分類が63設定されています。分野名だけを見ると専門的なIT知識ばかりに思えますが、ストラテジ系には経営戦略や企業法務、マネジメント系にはプロジェクト運営手法が含まれます。ビジネスの現場で実践的に役立つ知識が大きな割合を占めている点が特徴です。
なお、大分類の「開発技術」は名称からテクノロジ系と混同されやすいものの、ITパスポート試験ではマネジメント系に分類されています。分野ごとの得点状況を把握する際は分類の取り違えに注意が必要です。
よくある質問
受験資格はありますか
IPAの試験要綱および公式案内において受験資格の規定はなく、年齢や学歴を問わず誰でも受験が可能です。実際に学生から社会人まで幅広い層が挑戦しています。
パソコン操作が苦手でも受験できますか
CBT方式は画面上で選択肢をクリックして選ぶ操作が中心であり、キーボードによる長文入力などは求められません。なお、身体の不自由等によりCBT方式での受験が困難な方に向けては、春期・秋期の実施期間中にペーパー方式による特別措置受験枠が設けられています。
どの分野から学習を始めるべきですか
試験要綱等で学習順序の指定はありませんが、全分野で基準点を越える必要がある試験の性質上、まずは全分野の基礎知識を浅く広く確認し、早い段階で自身の苦手分野を特定する進め方が効果的です。
申し込み方法と試験日程の確認先はどこですか
ITパスポート試験の公式サイトから希望会場と空席状況を確認して申し込めます。随時実施されるCBT方式のため、座席の空きがあれば直近の日程を選ぶこともでき、学習の進捗に合わせて柔軟に受験日を決定できます。
次に読むもの
- ITパスポート試験 勉強時間の目安と挫折しない進め方 … どれくらいかかるか
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- ITパスポート試験 当日の流れと120分の使い方 … 持ち物と100問の解き方