でーたふろーだいあぐらむ
DFD
DFD = Data Flow Diagram
システム内におけるデータの発生源、処理プロセス、保存場所、そして情報の流れを可視化するための図式技法です。
詳しい説明
1. 定義
DFDとは、システムにおけるデータの流れと処理の関係を可視化するための図式技法です。システム開発の要件定義や構造化分析において、情報がどこから入力され、どのような処理を経て、どこへ出力されるのかを分かりやすく図示します。
この図はシステムの内部構造をデータ中心の視点から捉えるものであり、業務の流れを把握するために非常に有効です。機能の過不足を見つけたり、システム間のデータの受け渡しを整理したりする際に活用されます。
2. 仕組みと種類
DFDは主に4つの要素で構成されます。外部実体はデータの発生源や送り先、プロセスはデータの処理内容、データストアはデータの保存場所、データフローはデータの流れを示す矢印です。これら4つを組み合わせることで、システムの動きを表現します。
階層化して作成することも一般的です。最初はシステム全体を大まかなプロセスとして捉え、段階的に詳細なプロセスへ分解していくことで、複雑なシステムでも矛盾なく全体像を整理できます。詳細レベルを下げるほど、具体的な業務手順に近い図になります。
3. 試験ごとの視点
ITパスポート試験では、業務の流れを見える化する手法として登場します。図を見てデータの流れを追ったり、特定の業務プロセスがどこにあるかを特定したりする問題が出題されることがあります。
基本情報技術者試験では、システム分析・設計の文脈で深く扱われます。DFDの各要素を正しく理解しているか、適切な図を描けるかが問われます。また、構造化分析においてシステム化の範囲を決定する際、DFDを用いて業務フローを明確にすることが設計の基本となります。
4. 紛らわしい語との違い
ER図(実体関連図)とは、表現する対象が異なります。ER図はシステム内の「データの構造」や「データ間の関係性(静的側面)」に焦点を当てます。一方、DFDは「データの動的な流れや処理(動的側面)」に焦点を当てています。
業務フロー図とは、粒度が異なります。業務フロー図は人による作業の順序や判断分岐を時系列で示しますが、DFDは人というよりも「データの処理」そのものに焦点を当てます。DFDはシステム設計に適した抽象度を持っています。
5. 身近な例
例えば、レストランの注文システムを考えると、客(外部実体)が注文(データ)を出し、店員(プロセス)が注文情報をキッチン(別のプロセス)へ伝えます。注文内容は台帳(データストア)に記録されます。この流れをDFDにすることで、店内のデータ授受が明確になります。
銀行の振込処理でも、依頼人の口座データが基幹システムへ入力され、処理を経て宛先口座へ送金される様子をDFDで描くことができます。このように、情報がどう変化して蓄積されるかという視点で業務を見直す際に役立つ図です。
試験で問われること
ITパスポート試験
- データの流れを可視化する図式技法であることを理解する。
- 構成要素(プロセス、データストアなど)の記号や役割を把握する。
- 業務の見える化に役立つ手法であることを押さえる。
基本情報技術者試験
- DFDの4つの構成要素(外部実体、プロセス、データストア、データフロー)を正確に理解する。
- ER図(データの関係)とDFD(データの流れ)の違いを区別する。
- 階層化して詳細化していく手法と、データの整合性を保つ設計の重要性を理解する。