ざつそんこうじょ
雑損控除
災害や盗難、横領により資産に損害を受けた場合に受けられる所得控除です。損失額から保険金の補填分を引いた額のうち一定割合を超える部分が対象で、控除しきれない分は繰り越せます。
詳しい説明
1. 定義
居住者や、その者と生計を一にする配偶者その他の親族が有する資産について、災害・盗難・横領によって損失が生じた場合に、その損失額(保険金等で補填される部分を除く)が一定の基準額を超えるとき、超える部分をその年分の総所得金額等から控除する制度です(所得税法第72条)。
2. 計算式とその意味
控除額は、その年の損失の金額(災害に直接関連して支出した金額である災害関連支出を含み、保険金等の補填分を除く)の合計額と、次の基準額を比べて決まります。災害関連支出が5万円以下の場合は総所得金額等の合計額の10分の1が基準額になります。災害関連支出が5万円を超える場合は、損失合計額から災害関連支出のうち5万円を超える部分を差し引いた金額と、10分の1の基準額とのいずれか低い金額が基準額になります。損失のすべてが災害関連支出である場合は、5万円と10分の1の基準額とのいずれか低い金額が基準額になります。
3. 計算例
総所得金額等の合計額が400万円の人が、災害により保険金の補填を除いた損失100万円を受け、このうち片付け費用などの災害関連支出が8万円だった場合を考えます。災害関連支出8万円は5万円を超えるため、損失合計額100万円から(8万円-5万円=3万円)を差し引いた97万円と、400万円の10分の1にあたる40万円を比べ、低い方の40万円が基準額になります。したがって雑損控除の額は100万円-40万円=60万円です。
4. 検定試験での視点
災害関連支出の額が5万円以下か超かで基準額の計算方法が変わる点、保険金等で補填される部分は損失額から除く点が繰り返し問われます。
5. 紛らわしい制度・語との違い
雑損失の繰越しとの違いは役割です。雑損控除はその年の所得から控除する規定そのものであり、雑損失の繰越しは雑損控除で控除しきれなかった損失を翌年以後3年間繰り越して控除する規定です。
試験で問われること
ファイナンシャル・プランニング技能検定
- 災害関連支出の額(5万円以下か超か)で基準額の計算方法が変わる点が問われます。
- 保険金等で補填される部分は損失額から除いて計算する点が問われます。
- 控除しきれない金額は雑損失として翌年以後3年間繰り越せる点が問われます。