安全保障輸出管理実務能力認定試験(STC)
STC Associate
あきらかがいどらいん
明らかガイドライン
Guidelines on Obvious Cases
キャッチオール規制通達に定められた、需要者要件の「明らかなとき」(貨物が兵器の開発等以外のために用いられることが明らか)に当たるかを輸出者等が判断するための基準です。
詳しい説明
1. 定義
キャッチオール規制で、需要者要件の「明らかなとき」(輸出しようとする貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、その貨物が核兵器等の開発等及び別表に掲げる行為以外のために用いられることが明らかなとき)に当たるかを、輸出者等が判断するための基準です。正式には、キャッチオール規制通達(「大量破壊兵器等及び通常兵器に係る補完的輸出規制に関する輸出手続等について」)の1の(6)に「輸出者等が「明らかなとき」を判断するためのガイドライン」として定められています。
2. 位置づけ
リスト規制の該非判定(貨物・技術の仕様がリスト規制の項目に該当するかの判定)とは別の層にあります。リスト規制に該当しない貨物(輸出令別表第1の16の項)でも、キャッチオール規制により用途と需要者の確認が求められます。このうち需要者要件には「開発等以外のために用いられることが明らかなとき」は該当しないという除外があり(核兵器等開発等省令第二号・第三号のかっこ書など)、その「明らか」といえるかを判断する基準がこのガイドラインです。現行のキャッチオール規制通達では、通常兵器キャッチオール規制の需要者要件の判断にも用いられます。
3. 使う場面
代表的なのは、需要者が外国ユーザーリストに掲載されている場合です。外国ユーザーリストは取引禁止者リストではありません。掲載されている企業・組織への輸出でも、このガイドラインの確認により「兵器の開発等以外のために用いられることが明らか」といえれば、需要者要件には当たらず、キャッチオール規制に基づく許可申請は不要です。
4. 19項目の確認事項
ガイドラインの実体は、19項目の確認事項(明らかガイドラインシート)です。貨物等の用途・仕様(用途の明確な説明があるか、需要者の事業内容や技術レベルから見て必要とする合理的理由があるか)、設置場所や使用場所が明確か、関連設備・原材料との組み合わせが用途に照らして整合的か、輸送・梱包・支払条件・据付や保証の態様に異常がないか、外国ユーザーリスト掲載企業については、リストの懸念区分(核兵器・生物兵器・化学兵器・ミサイル)と輸出する貨物の懸念用途が一致しないこと、などを確認します。1つでも「いいえ」があれば、「明らか」とはいえないため、許可申請が必要です。
5. 典型例
外国ユーザーリスト掲載企業のテレビ工場から16の項該当のテレビ用ICの注文を受け、用途が家庭用テレビの製造と確認できた場合は、許可申請は不要です。一方、過去に核開発に関わったと信用調査情報に記載のある企業から遠心分離機の注文を受け、用途の説明を拒まれた場合は、1番目の項目(用途の明確な説明がある)と19番目の項目(取引上の不審な点がない)を満たさないため、許可申請が必要です。
試験で問われること
STC Associate
- 外国ユーザーリスト掲載の需要者への輸出でも、明らかガイドラインの確認により許可申請が不要になり得ること(掲載は取引禁止ではない)。
- 19項目の確認事項に1つでも「いいえ」があれば許可申請が必要になること。
- リストの懸念区分と貨物の懸念用途が一致し、用途を確認できない場合は需要者要件に該当すること。
- リスト規制の該非判定(仕様の判定)と、このガイドライン(用途・取引の態様からの判断)の区別。
- 「外国ユーザーリストに掲載されている企業への輸出は必ず許可が必要」とする引っ掛けが定番です。掲載企業への輸出でも、明らかガイドラインの確認を経て許可申請が不要になり得ます。また、リスト規制の該非判定と、キャッチオール規制の用途・需要者確認を混同させる問題も出ます。このガイドラインが判断するのは需要者要件の「明らか」であって、リスト規制の該非ではありません。
最終更新日: 2026/09/23