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G検定(ジェネラリスト検定)

そふとろー

ソフトロー

Soft Law

ソフトローとは、法的な拘束力を持たず、関係者の自主的な取組みを促すことで目的の達成をめざす規律の形です。AI事業者ガイドライン(総務省・経済産業省)は、自らを非拘束的なソフトローと位置づけています。

詳しい説明

ソフトローとは

法律や政令のように、国家が定めて法的な拘束力を持つ規範は、ハードローと呼ばれます。守らなければ罰則や法的な責任が生じうる、強制力のあるルールです。これに対し、ソフトローは法的な強制力を持たない規範を指します。

G検定の学習で身近な例が、総務省と経済産業省が策定したAI事業者ガイドライン(第1.1版、令和7年3月28日)です。このガイドラインは本ガイドラインの位置づけの箇所で、自らを次のように説明しています。

> 事業者がAIの社会実装及びガバナンスを共に実践するためのガイドライン(非拘束的なソフトロー)として新たに策定した。

ここで使われている非拘束的という言葉が、ソフトローの性格をよく表しています。ガイドラインに従わなかったからといって、それだけで法的な制裁が科されるわけではありません。同じ箇所では、次のようにも述べられています。

> 関係者による自主的な取組を促し、非拘束的なソフトローによって目的達成に導くゴールベースの考え方で、ガイドラインを作成することとした。

この2つの記述から、ソフトローとは、法的な強制力を持たず、関係者の自主的な取組みを促すことで目的の達成をめざす規律の形である、と整理できます。

観点ハードローソフトロー
例法律・政令AI事業者ガイドライン
法的な拘束力あるない(非拘束的)
守らせる仕組み国家による強制関係者の自主的な取組み

なぜソフトローが選ばれたか

AI事業者ガイドラインは、ソフトローという形を採用した理由の1つとして、次の点を挙げています。

> 細かな行為義務を規定するルールベースの規制を行うと、イノベーションを阻害する可能性があること

ルールベースの規制とは、事業者がしなければならないこと、してはならないことを細かく決めておく規制の形です。法律で具体的な義務を定めるハードローに近いやり方といえます。行為を細かく縛ると、新しい技術やサービスを試す余地が狭まり、イノベーションを妨げるおそれがある、というのがガイドラインの示す懸念です。

そこでガイドラインが採ったのが、ゴールベースの考え方です。これは、達成すべき目標を示したうえで、その目標にどうたどり着くかという具体的な手段は、事業者の自主性に委ねるという発想です。

  • ルールベース: 何をすべきかという行為そのものを細かく定める
  • ゴールベース: どこをめざすかという目標を示し、手段は事業者が選ぶ

ソフトローは、このゴールベースの考え方と組み合わせて用いられています。法的な拘束力で行為を縛るのではなく、目標を共有し、関係者が自ら取り組むことで目的の達成に導くという位置づけです。

AIとの関わり

AI技術は発展のスピードが速く、新しい手法や使い方が次々に現れます。法律の制定や改正には一定の時間がかかるため、技術の変化に法律の整備が追いつきにくいという事情があります。

こうした事情から、AI分野では、状況の変化に合わせて見直しやすいガイドラインなどのソフトローが活用されやすい、と一般に位置づけられています。AI事業者ガイドラインが非拘束的なソフトローとして策定されたことも、この流れの中で理解できます。

なお、ソフトローとハードローのどちらか一方だけで足りるというわけではなく、両者の使い分けや組み合わせは分野や国によって異なります。シラバス2024では、ソフトローが対象キーワードとして掲載されています。

試験で問われること

G検定

  • ソフトローは法的な拘束力を持たない規範であり、法律・政令のように国家が制定して強制力を持つハードローと対比される概念であることを確認しておきましょう。
  • AI事業者ガイドライン(総務省・経済産業省)が、自らを非拘束的なソフトローと位置づけ、関係者による自主的な取組を促す形で作成されていることを確認しておきましょう。
  • ガイドラインが、細かな行為義務を規定するルールベースの規制はイノベーションを阻害する可能性がある、という点をソフトロー採用の理由の1つとして挙げていることを確認しておきましょう。
  • ゴールベースの考え方とは、達成すべき目標を示し、具体的な手段は事業者の自主性に委ねる発想であり、細かな行為を定めるルールベースと対比されることを確認しておきましょう。

最終更新日: 2026/09/23