G検定(ジェネラリスト検定)
らんだむいれーじんぐ
ランダムイレージング
Random Erasing
訓練時に画像内の長方形の領域を無作為に選び、その画素をランダムな値で消去する(遮蔽する)データ拡張の手法。過学習を抑え、遮蔽に強いモデルを作る。
詳しい説明
どんな手法か
ランダムイレージング(Random Erasing)は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の訓練のために提案されたデータ拡張の手法です。訓練時に、画像内の長方形の領域を無作為に選び、その領域の画素をランダムな値で消去します。いわば画像の一部を無作為な模様で覆い隠す(遮蔽する)処理です。
この処理によって、隠れている範囲や場所がさまざまに異なる訓練画像が生まれます。モデルは物体の一部が見えない状況でも正しく認識することを求められるため、過学習のリスクが下がり、遮蔽に対して頑健なモデルになる、というのが狙いです。
特徴
提案論文は、ランダムイレージングの利点として次の点を挙げています。
- パラメータの学習が不要で、実装が容易である
- CNNをもとにした多くの認識モデルに組み込める
- ランダムクロップやフリップのような、よく使われるデータ拡張の手法と補い合う関係にあり、併用できる
- 画像分類、物体検出、人物再同定(同じ人物を別の画像の中から探し当てるタスク)で、強いベースラインに対して一貫した性能の改善をもたらした
仕組みは単純ですが、既存の拡張手法の置き換えではなく、それらに上乗せして使える点が重要です。
適用の仕組み
ランダムイレージングは、すべての画像に必ずかけるわけではありません。ミニバッチ内の各画像について、確率pでランダムイレージングを実行し、残りの確率(1からpを引いた値)では画像をそのまま残します。
実行する場合は、次の手順で消去する領域を決めます。
1. 画像の幅をW、高さをHとし、画像全体の面積をSとする。消去する長方形の面積S_eを無作為に決める。このとき、画像全体に対する比率(S_eをSで割った値)は、最小値s_lから最大値s_hまでの範囲に収める
2. 長方形のアスペクト比(縦横の比)を、r_1からr_2までの範囲で無作為に決める
3. 画像内の1点を無作為に選び、長方形の位置とする
4. 長方形が画像の境界の内側に収まっていれば、その領域を採用する。はみ出す場合は、適切な領域が得られるまで手順をやり直す
5. 選んだ領域の各画素を、0から255の範囲の無作為な値に置き換える
このように、実行するかどうか、領域の大きさ、形、位置、埋める値のすべてが無作為に決まるため、同じ画像からも毎回異なる遮蔽のパターンが生まれます。
画像分類での使い方
画像分類では、画像はその見た目の内容に基づいて分類されます。一般に訓練データには物体の位置の情報が含まれていないため、物体が画像のどこにあるかは分かりません。そこで画像分類では、画像全体を対象としてランダムイレージングを適用します。
試験で問われること
G検定
- ランダムイレージングは、訓練時に画像内の長方形の領域を無作為に選び、その画素をランダムな値で消去する(遮蔽する)データ拡張の手法であり、CNNの訓練のために提案された。
- さまざまな程度の遮蔽を持つ訓練画像を作ることで、過学習のリスクを減らし、物体の一部が隠れていても認識できるよう、モデルを遮蔽に対して頑健にすることが狙いである。
- パラメータの学習が不要で実装が容易であり、ランダムクロップやフリップなど既存のデータ拡張と併用でき、画像分類・物体検出・人物再同定で一貫した性能改善が報告されている。
- 訓練中は確率pで実行し、残りの確率では画像をそのまま残す。消去する長方形の面積比はs_lからs_hの範囲、アスペクト比はr_1からr_2の範囲で無作為に決める。
- 位置も無作為に選び、長方形が画像の境界内に収まらなければやり直す。選んだ領域の画素は0から255の無作為な値で埋め、画像分類では画像全体を対象に適用する。
最終更新日: 2026/09/23