G検定(ジェネラリスト検定)
かめいかこうじょうほう
仮名加工情報
Pseudonymously Processed Information
仮名加工情報とは、個人情報から氏名などの記述や個人識別符号を削除または置換し、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工した、個人に関する情報である(個人情報保護法第2条第5項)。他の情報と照合すれば識別できる状態に戻りうる加工であり、元の個人とのつながりは消えていない。法は、この性質を踏まえて、通常の個人情報とは異なる特別な規律を設けている。
詳しい説明
定義
個人情報とは、生存する個人に関する情報のうち、氏名や生年月日などの記述等によって特定の個人を識別できるもの、または個人識別符号を含むものをいいます。仮名加工情報は、この個人情報を加工して作る情報です。
個人情報保護法第2条第5項は、仮名加工情報を次のように定めています。個人情報の区分に応じた措置を講じて、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる、個人に関する情報です。講じる措置は、個人情報の区分に応じて次のいずれかです。
- 記述等の一部を削除する、または復元できない方法で別の記述等に置き換える
- 個人識別符号の全部を削除する、または復元できない方法で別の記述等に置き換える
この定義で最も大事なのは、他の情報と照合しない限りという条件です。裏返すと、仮名加工情報は、削除した氏名などを記録した表や、仮の番号と本人の対応表のような他の情報と照合すれば、特定の個人を識別できる状態に戻りうる情報です。加工しても元の個人情報とのつながりは断ち切られておらず、照合によって元の個人をたどれる余地を残した加工です。仮名という名のとおり、本名を仮の名前に置き換えて伏せた状態だと考えると分かりやすいでしょう。
制度の要点
仮名加工情報には、通常の個人情報とは異なる特別な規律が、第41条にまとめて置かれています。緩められる規律と、なお厳しく制限される規律の両方があります。
一部の規律が適用除外になる
第41条第9項は、仮名加工情報、仮名加工情報である個人データ、仮名加工情報である保有個人データについて、第17条第2項(利用目的の変更を、変更前の目的と関連性があると合理的に認められる範囲に限る規定)、第26条、第32条から第39条まで(保有個人データの開示・訂正・利用停止等の請求に関する規定)を適用しないと定めています。
つまり、仮名加工情報については、利用目的を変更するときの範囲の制限がかからず、また本人からの開示等の請求の対象にもなりません。これは、仮名加工情報が事業者の内部で分析等に活用されることを想定し、通常の個人情報より柔軟な取扱いを認める代わりに、外部への流出を防ぐ規律を別途厳しくする、という設計になっているためです。
第三者提供は禁止されたまま
第41条第6項は、法令に基づく場合を除き、仮名加工情報である個人データを第三者に提供してはならないと定めています。さらに第42条は、個人情報であるものを除いた仮名加工情報(個人データに該当しない仮名加工情報)についても、法令に基づく場合を除き第三者への提供を禁止しています。
利用目的の変更は柔軟になる一方で、第三者提供は個人データであるかどうかにかかわらず厳しく制限されたままです。仮名加工情報は、原則として作成した事業者の内部で使うことを想定した情報だと言えます。
利用目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いの禁止
第41条第3項は、法令に基づく場合を除き、第17条第1項の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、仮名加工情報である個人データを取り扱ってはならないと定めています。目的の変更そのものは前述のとおり柔軟にできますが、変更後も、そのときどきに特定されている利用目的の範囲内で取り扱う必要があります。
AIとの関わり
機械学習では、顧客の購買履歴や利用記録などを学習データや分析データとして使いたい場面が多くあります。氏名などを仮の番号に置き換えた仮名加工情報は、利用目的の変更にかかる制限が緩和されているため、事業者の内部での柔軟な分析やモデルの開発に使う選択肢の1つとして考えられます。
ただし、留意点があります。第三者提供は原則として禁止されているため、外部の組織とデータを共有する用途には、そのままでは向かない場合があります。また、照合すれば個人を識別できる余地が残る情報なので、対応表を含めた管理の在り方も問題になります。実際に使えるかどうかは、個別の事情や関係するガイドラインによって変わりうるため、ここでは一般的な注意点の紹介にとどめます。
試験で問われること
G検定
- 仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工した情報であり、他の情報と照合すれば識別できる余地が残る点を説明できるか確認しよう。
- 第41条第9項により、仮名加工情報には利用目的の変更範囲の制限(第17条第2項)や開示等の請求(第32条から第39条まで)の規定が適用されないことを確認しよう。
- 利用目的の変更は柔軟になる一方で、第三者提供は第41条第6項・第42条により、個人データかどうかにかかわらず原則として禁止されたままであることを説明できるか確認しよう。
- 変更後の利用目的についても、第41条第3項により、その目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いは禁止されていることを確認しよう。
最終更新日: 2026/09/23