G検定(ジェネラリスト検定)
ぷらいばしーばいでざいん
プライバシー・バイ・デザイン
Privacy by Design
プライバシー・バイ・デザインは、2009年にAnn Cavoukian(当時のカナダ・オンタリオ州情報プライバシーコミッショナー)が7つの基本原則として提唱した考え方です。システムの設計段階からプライバシー保護の仕組みを組み込むことを指します。AI事業者ガイドラインでは、プライバシー保護のための仕組み及び対策の導入の一例として、この語がそのまま使われています。
詳しい説明
語の出どころ
プライバシー・バイ・デザインは、2009年にAnn Cavoukian(当時のカナダ・オンタリオ州情報プライバシーコミッショナー)が、7つの基本原則(7 Foundational Principles)として提唱した考え方です。
この用語集では原則を定めた公式資料を確かめられていません。そのため、提唱した人物・年・名前の紹介にとどめ、7つの原則それぞれの中身には立ち入りません。
AI事業者ガイドラインにおける位置づけ
総務省と経済産業省が公表したAI事業者ガイドライン(第1.1版、令和7年3月28日)の本編には、実践的な機能水準の例が挙げられています。その中の項目P-4)i.は、プライバシー保護のための仕組み及び対策の導入を扱っており、その記述の中で、括弧書きのプライバシー・バイ・デザインという語がそのまま使われています。この項目は、共通の指針の4)プライバシー保護に対応する実践例として置かれています。
この用例から読み取れるのは、プライバシー・バイ・デザインが、プライバシー保護のための仕組みや対策をシステムに取り入れる方法の一つとして挙げられていることです。語の名前が示すとおり、骨格となる考え方は、完成したシステムに後から保護策を付け足すのではなく、システムの設計・開発の段階からプライバシー保護の仕組みを組み込むことです。ガイドラインがこの語の定義や具体的な手順を定めているかどうかは、この用例だけからは判断できません。
人間中心のAI社会原則との関わり
人間中心のAI社会原則(平成31年3月29日、統合イノベーション戦略推進会議決定)は、第2章(3)にプライバシー確保の原則を置いています。この原則は、パーソナルデータが本人の望まない形で流通したり利用されたりして個人が不利益を受けることのないよう、各ステークホルダーがパーソナルデータを扱わなければならないとしています。さらに、AIの使用が個人に害を及ぼすリスクを高める可能性がある場合には、そうした状況に対処するための技術的仕組みや非技術的枠組みを整備すべきであるとしています。
この原則は、プライバシー・バイ・デザインという語を使ってはいません。ただ、リスクに備えて仕組みや枠組みをあらかじめ整えておくという方向は、設計の段階から対策を組み込むというプライバシー・バイ・デザインの考え方と関連づけて理解できます。
AIとの関わり
AIシステムは、学習や推論の過程で大量のパーソナルデータを扱うことがあります。いったん作り上げたシステムに後から保護策を付け足そうとしても、データの集め方や流れがすでに決まっていて、対応が難しくなる場合が考えられます。こうした理由から、AIの分野でも、プライバシー保護を設計の初期段階から組み込む考え方が重要とされています。
なお、G検定のシラバス2024には、プライバシー・バイ・デザインが対象キーワードとして載っています。
試験で問われること
G検定
- プライバシー・バイ・デザインは、2009年にAnn Cavoukian(当時のカナダ・オンタリオ州情報プライバシーコミッショナー)が7つの基本原則として提唱した考え方であることを確認しておきましょう。
- AI事業者ガイドラインでは、実践的な機能水準の例の中で、プライバシー保護のための仕組み及び対策の導入の一例として、プライバシー・バイ・デザインという語が使われていることを確認しておきましょう。
- 人間中心のAI社会原則のプライバシー確保の原則が、個人が不利益を受けないよう、技術的仕組みや非技術的枠組みを整備すべきとしていることを確認しておきましょう。
- プライバシー・バイ・デザインの骨格は、後から保護策を付け足すのではなく、システムの設計・開発の段階からプライバシー保護の仕組みを組み込む考え方であることを確認しておきましょう。
最終更新日: 2026/09/23