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G検定(ジェネラリスト検定)

ぐんじりよう

軍事利用

Military Use

AIの軍事利用は、AI技術が兵器システムに応用される可能性をめぐる論点です。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みで、自律型致死兵器システムに関する政府専門家グループ(GGE LAWS)が2019年に11の指針をコンセンサスで採択しており、その中には国際人道法がすべての兵器システムに全面的に適用されるという指針と、兵器の使用に関する決定について人間の責任を保持しなければならないという指針が含まれます。

詳しい説明

AIの軍事利用をめぐる国際的な議論

AIの軍事利用は、AI技術が兵器システムに応用される可能性をめぐる論点です。この用語集では、第10章10-6 環境・労働・その他の重要な価値のまとまりで扱います。

国際的な議論でよく使われる語に、自律型致死兵器システム(lethal autonomous weapons systems、略してLAWS)があります。この語をめぐっては、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みのもとに置かれた、自律型致死兵器システムに関する政府専門家グループ(GGE LAWS)で議論が行われてきました。

2019年、このグループは11の指針(guiding principles)をコンセンサス(参加国の合意)で採択しました。このことは、2020年に同グループの議長が作成した文書 Commonalities in national commentaries on guiding principles(documents.unoda.org で公開された公式PDF)の脚注で確認できます。

ただし、11の指針の全体像は、この用語集では確認できていません。次の節では、確認できた2つの指針だけを紹介します。

確認できた2つの指針

以下の英語は上記の公式PDFの脚注からの引用で、参考訳は執筆者によるものです。

国際人道法の適用

> International humanitarian law continues to apply fully to all weapons systems, including the potential development and use of lethal autonomous weapons systems

参考訳: 国際人道法は、自律型致死兵器システムの潜在的な開発・使用を含むすべての兵器システムに引き続き全面的に適用される。

この指針は、自律型致死兵器システムも、ほかの兵器システムと同じく国際人道法が全面的に適用される対象であることを述べています。対象には、使用だけでなく潜在的な開発も含まれています。

人間の責任の保持

> Human responsibility for decisions on the use of weapons systems must be retained since accountability cannot be transferred to machines. This should be considered across the entire life cycle of the weapons system

参考訳: 兵器システムの使用に関する決定についての人間の責任は、説明責任が機械に移転され得ないため保持されなければならない。これは兵器システムのライフサイクル全体を通じて考慮されるべきである。

この指針は、説明責任(accountability)を機械に移すことはできない、という理由を挙げたうえで、兵器システムの使用に関する決定について人間の責任を保持するよう求めています。前半の文は must(保持されなければならない)、後半の文は should(考慮されるべきである)と書き分けられており、後半では、その考慮を兵器システムのライフサイクル全体にわたって行うことが示されています。

日本の公式文書における位置づけ

日本の公式文書である人間中心のAI社会原則について、この用語集の執筆にあたって本文を検索した限りでは、軍事や安全保障に関する記述は見当たりませんでした。そのため、この用語集では、人間中心のAI社会原則を根拠にAIの軍事利用の位置づけを説明することはしません。

このほかの公式資料(外務省の資料や国連の他の文書など)は、この用語集では取得できなかったため参照していません。この用語集の説明は、上で紹介した2つの指針の範囲にとどまります。

AIとの関わり

AI技術が兵器システムに応用される可能性をめぐっては、国際的な議論が続けられています。上で紹介した2つの指針は、その議論の中でコンセンサスにより採択された指針の一部です。

この論点には、さまざまな立場があります。学習にあたっては、特定の立場の是非を判断するよりも、どの公式文書が、どのような言葉で何を述べているかを正確に確かめることが大切です。

試験で問われること

G検定

  • 自律型致死兵器システム(LAWS)をめぐり、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みで、政府専門家グループ(GGE LAWS)が2019年に11の指針をコンセンサスで採択したことを確認する。
  • 指針の一つが、国際人道法は自律型致死兵器システムの潜在的な開発・使用を含むすべての兵器システムに引き続き全面的に適用される、と述べていることを確認する。
  • 別の指針が、説明責任は機械に移転できないため兵器システムの使用に関する決定についての人間の責任を保持しなければならないとし、その考慮を兵器システムのライフサイクル全体で行うべきとしていることを確認する。
  • 日本の公式文書である人間中心のAI社会原則には、この用語集が本文を検索した限りでは、軍事や安全保障に関する記述が見当たらなかったことを確認する。

最終更新日: 2026/09/23