G検定(ジェネラリスト検定)
へいきんぜったいちごさ
平均絶対値誤差
MAE
Mean Absolute Error
平均絶対値誤差(MAE)は、予測値と実際の値の差の絶対値を、N件のデータについて平均した回帰の損失指標です。誤差を2乗しないため外れ値の影響を受けにくく、予測値と同じ尺度で平均的な誤差の大きさを表すので、解釈しやすいのが特徴です。
詳しい説明
差の絶対値を平均する指標
損失は、モデルの予測がどれだけ外れているかを数値で表す指標です。損失が見るのは値どうしの距離で、ずれの向きは問いません。そのため損失の計算では、差の絶対値を取るか、差を2乗するかのどちらかで符号を消します。
MAEは絶対値を取る方の指標で、次の式で表します。
MAE = (1/N) × Σ|実際の値 - 予測値|
1件ごとの|実際の値 - 予測値|を合計したものがL1損失です。MAEは、N件のデータについてL1損失を平均したものにあたります。
燃費予測で1件分の絶対誤差を計算する
車の重さから燃費を予測するモデルを考えます。重量2,370ポンドの車について、モデルは燃費を23.1マイル/ガロンと予測しました。実際の燃費は24マイル/ガロンでした。このデータ1件の絶対誤差は次のとおりです。
|24 - 23.1| = 0.9
これはMAEを構成する1件分の絶対誤差です。MAEは、このような絶対誤差をN件分求めて合計し、Nで割った値です。
外れ値に強い理由
データセットの特徴量は、たいてい一定の範囲に収まります。たとえば車の重さは通常2000〜5000ポンド、燃費は8〜50マイル/ガロンの範囲です。8,000ポンドの車や燃費100マイル/ガロンの車は、典型的な範囲から大きく外れるため外れ値とみなされます。モデルの予測が実際の値から大きく外れている場合も、外れ値と呼ぶことがあります。
MSEやL2損失は差を2乗します。差が大きいと2乗で損失がさらに大きくなり、差が1未満だとさらに小さくなります。その結果、外れ値にはL1損失よりはるかに重い罰が課され、MSEはモデルを外れ値の方へ強く引き寄せます。MAEは差を2乗しないので、そうした引き寄せが起きません。この性質を、MAEは外れ値に対して頑健(ロバスト)であると言います。
MAEを選ぶ場面
出典は、次のような場合にMAEを選ぶよう勧めています。
- データセットに大きな外れ値があり、それにモデルを過度に左右されたくない場合
- 損失を、平均的な誤差の大きさとしてそのまま解釈したい場合
MAEは予測値と同じ尺度で誤差を測るため、人が解釈しやすい指標です。RMSE(二乗平均平方根誤差)も同じ尺度で誤差を測りますが、MAEとはかなり違う値になることがあります。MAEが平均的な予測誤差を表すのに対し、RMSEは誤差の散らばりを表し、大きな誤差に偏りやすい指標です。
実際には、どの指標を選ぶかは、解決したい業務上の問題や、どの種類の誤差が大きな損失につながるかにも左右されます。
試験範囲での位置づけ
平均絶対値誤差(MAE)はG検定シラバス2024の中項目10 モデルの選択・評価のキーワードに含まれています。
試験で問われること
G検定
- MAEは予測値と実際の値の差の絶対値を平均したもので、式はMAE = (1/N) × Σ|実際の値 - 予測値|である。
- 1件ごとの差の絶対値の合計がL1損失で、MAEはN件のデータについてL1損失を平均したものである。
- MSEは誤差を2乗するため外れ値に大きく引っ張られるが、MAEは絶対値を使うので外れ値に頑健(ロバスト)である。
- MAEは予測値と同じ尺度で誤差を測るので、平均的な誤差の大きさとしてそのまま解釈できる。
- MAEは平均的な予測誤差を表し、RMSEは誤差の散らばりを表して大きな誤差に偏りやすいため、両者の値はかなり違うことがある。
最終更新日: 2026/09/23