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G検定(ジェネラリスト検定)

ふぉるまんと

フォルマント

Formant

フォルマントは、声道によって特に増幅される周波数帯で、スペクトル上の山として現れます。声道の形の違いが母音ごとのスペクトルの違いを生みます。

詳しい説明

スペクトルに現れる山としてのフォルマント

母音を録音してスペクトルを観察すると、特定の周波数のあたりに暗い縞が現れます。この暗い縞、言い換えればスペクトル上の山(スペクトルピーク)のひとつひとつをフォルマントと呼びます。フォルマントとは、声道によって特に増幅される周波数帯のことです。異なる母音は声道を異なる形にして発音されるため、母音ごとに異なる増幅、つまり異なる共鳴が生じ、それがスペクトル上の山の違いとして現れます。

ソースフィルタモデルで見る発生の仕組み

なぜ母音ごとにスペクトルの特徴が異なるのかは、ソースフィルタモデルで説明できます。ソースフィルタモデルは、声門が生み出すパルスを音源(ソース)、声道をフィルタとみなし、音源の波が声道によってどのように形づくられるかをモデル化して音の響きを説明する考え方です。フォルマントは、口の中の共鳴する空洞によって生じます。

声帯の振動によって空気に生じる波には倍音が含まれます。倍音とは、基本となる波の周波数の倍数の周波数をもつ別の波です。たとえば声帯が115Hzで振動すると、230Hz、345Hz、460Hzといった倍音が生じます。一般に、これらの倍音は基本周波数の波よりも振幅がずっと小さい、弱い波です。

ところが声道は一種のフィルタ、あるいは増幅器として働きます。管のような空洞は、ある周波数の波を増幅し、別の周波数の波を減衰させます。どの周波数が共鳴して増幅されるかは、空洞の形によって決まります。フォルマントとは、声道がたまたま特定の倍音の周波数を増幅している、スペクトル上の場所だといえます。

声道の形が変わると母音が変わる

特定の母音を発音するとき、私たちは舌やその他の調音器官を特定の位置に置き、声道という空洞の形を変えています。空洞の形が変われば増幅される周波数も変わるため、母音ごとに異なる倍音が増幅されます。つまり基本周波数が同じ波であっても、異なる声道の形を通れば異なる倍音が増幅され、その結果として母音ごとに異なるスペクトルが得られます。この増幅の結果は、声道の形と対応するスペクトルの関係を見ることで確かめられます。

なお、高い位置にあるフォルマントは、個々の母音よりも、話者の声道全般の特徴によって生じる傾向があります。

母音以外の音の識別への利用

フォルマントは母音だけでなく、鼻音の[n]、[m]、[ng]や、流音の[l]、[r]を識別する手がかりとしても使えます。音声の特徴抽出を学ぶうえで、フォルマントは声道の形という発音の仕組みと、スペクトルという観測結果を結びつける概念です。フォルマントの具体的な周波数の値については、フォルマント周波数の項目で扱います。

試験で問われること

G検定

  • フォルマントとは何か、スペクトル上でどのように現れ、声道とどのような関係にある周波数帯なのかを説明できますか。
  • ソースフィルタモデルにおいて、音源(声門のパルスとその倍音)とフィルタ(声道)がそれぞれ何を担い、どのようにフォルマントが生じるのかを説明できますか。
  • 同じ基本周波数の音でも、舌などの調音器官の位置によって声道の形が変わると異なる倍音が増幅され、母音ごとに異なるスペクトルになる理由を説明できますか。
  • フォルマントが母音だけでなく、鼻音([n]・[m]・[ng])や流音([l]・[r])の識別にも使われることを説明できますか。

最終更新日: 2026/09/23