G検定(ジェネラリスト検定)
こーぱす
コーパス
Corpus
コーパスは、一般には、言語処理のために集めた大量の文章などのまとまりを指します。Jurafsky と Martin の教科書は、コーパスの中のどんなテキストも、特定の人が、特定の言語や方言で、特定の時と場所に、特定の目的のために作ったものだと述べています。そのため、コーパスから言語処理のモデルを作るときは、誰が、どんな文脈で、何の目的でその言語を作ったかを考えることが重要だとしています。そのための方法として、コーパスを作った人が、集めた動機や集め方などを書いた文書(datasheet や data statement)を用意することを勧めています。
詳しい説明
コーパスという語の意味
コーパスとは、一般に、言語処理のために集めた大量の文章などのまとまりを指します。この定義は、ここで根拠にした Jurafsky と Martin の教科書 Speech and Language Processing(第3版草稿)に定義文として書かれているものではなく、一般的な意味として補ったものです。
同書は、コーパスに関係する用語として語の型(word types)を挙げています。コーパスの中の異なる単語の集合を、語の型と呼びます。
テキストは状況に根ざしている
同書の2.5節は、私たちが調べるどんなテキストも、特定の話者や書き手が、特定の言語の特定の方言で、特定の時に、特定の場所で、特定の機能のために作ったものだと述べています。言語はこのように状況に根ざしているので、コーパスから言語処理のモデルを作るときは、誰がその言語を作ったか、どんな文脈で作ったか、何の目的で作ったかを考えることが重要だとしています。
同書は、テキストが違ってくる次元として、次のものを挙げています。
- 言語(世界には7097の言語がある)
- ジャンル(新聞、小説、科学論文、電話での会話など)
- 書き手や話し手の属性
- 時間
あわせて、言語処理のモデルを英語だけで開発し、評価する傾向があることにも注意を促しています。
datasheet と data statement
同書は、コーパスがどのような状況のテキストでできているかを示す最もよい方法として、コーパスを作った人がコーパスごとに datasheet(Gebru et al., 2020)や data statement(Bender et al., 2021)を作ることを挙げています。datasheet が書くよう求める項目は次のとおりです。
- Motivation: なぜ、誰がそのコーパスを集めたか
- Situation: テキストがいつ、どんな状況で書かれたか、または話されたか
- Language variety: どの言語か、どの方言か、どの地域のものか
- Speaker demographics: 書き手や話し手の年齢や性別など
- Collection process: コーパスの規模、標本の取り方、同意の有無、前処理、メタデータ
- Annotation process: 注釈の内容、注釈をつけた人、その人の訓練、注釈の方法
- Distribution: 著作権などの配布上の制約
ここでいう注釈(annotation)とは、テキストに対して人などが付け加える情報のことです。
試験で問われること
G検定
- コーパスが一般に、言語処理のために集めた大量の文章などのまとまりを指すことを確認する。
- コーパスの中のどのテキストも、特定の人が特定の言語や方言で、特定の時と場所に、特定の目的のために作ったものだとされている点を確認する。
- コーパスからモデルを作るときに、誰が、どんな文脈で、何の目的でその言語を作ったかを考えることが重要とされている点を確認する。
- コーパスの作り手が datasheet や data statement を作り、動機、状況、言語の種類、書き手の属性、収集の過程、注釈の過程、配布の制約を記すことが勧められている点を確認する。
- コーパスの中の異なる単語の集合を語の型(word types)と呼ぶことを確認する。
最終更新日: 2026/09/23