ライフプラン策定上の資金計画
住宅・教育・老後という3大資金について、住宅ローンの返済方式と繰上げ返済、教育ローンと奨学金、リタイアメントプランの基本を説明できるようになります。
ねらい
人生の3大資金と呼ばれる住宅資金・教育資金・老後資金の準備を学びます。このレッスンを終えると、住宅ローンの返済方式と繰上げ返済の効果、教育ローンと奨学金の種類、リタイアメントプランニングの基本を説明できるようになります。
ストーリー
35歳の会社員の中村さん夫婦は、3,500万円のマンションの購入を考え始めました。銀行のウェブサイトでローンを調べると、「元利均等返済」「元金均等返済」「繰上げ返済」と聞き慣れない言葉が並びます。さらに、小学生の子どもの教育費や、自分たちの老後資金も気になってきました。
住宅・教育・老後。この3つは金額が大きく、準備に長い時間がかかるため、3大資金と呼ばれます。順番に見ていきましょう。
住宅取得プランニング
自己資金と諸費用
住宅の購入では、物件の価格のほかに、税金や手数料などの諸費用がかかります。頭金と諸費用を合わせて、物件価格の2割から3割程度の自己資金を準備するのが一般的な目安とされます。
住宅ローンの金利タイプ
住宅ローンの金利には、借入時の金利が最後まで変わらない固定金利型、市場金利に応じて見直される変動金利型、一定期間だけ固定するその後に選び直す固定金利期間選択型があります。
代表的な全期間固定金利型のローンに、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携するフラット35があります。保証人が不要で、繰上げ返済の手数料がかからないこと、適用される金利は融資実行時点のもので、金融機関によって異なることが特徴です。このほか、財形貯蓄を続けている勤労者が利用できる財形住宅融資という公的な融資もあります。
返済方式
毎回の返済額の組み立て方には、2つの方式があります。
| 方式 | 毎回の返済額 | 特徴 |
|---|---|---|
| 元利均等返済 | 元金と利息を合わせて毎回一定 | 返済計画を立てやすい。返済当初は利息の割合が大きい。他の条件が同じなら総返済額は元金均等返済より多い |
| 元金均等返済 | 元金部分が毎回一定 | 返済額は当初が最も多く、だんだん減っていく。総返済額は元利均等返済より少ない |
繰上げ返済
手元の資金で元金の一部を前倒しで返すことを繰上げ返済といいます。返した元金にかかるはずだった利息がなくなるため、利息の軽減効果があります。方法は2つあります。
- 期間短縮型は、毎回の返済額を変えずに返済期間を短くします。
- 返済額軽減型は、返済期間を変えずに毎回の返済額を減らします。
ポイント
同じ金額を繰り上げるなら、利息の軽減効果は期間短縮型のほうが大きく、また、時期が早いほど効果が大きくなります。
教育資金プランニング
教育費は進路によって大きく変わり、こども保険(学資保険)や積立てで前もって準備するのが基本です。準備が足りないときの調達手段として、教育ローンと奨学金があります。
- 教育一般貸付は、日本政策金融公庫が扱う国の教育ローンです。保護者が借りる固定金利の融資で、融資限度額は学生1人につき350万円(海外留学など一定の場合は450万円)、返済期間は18年以内です。
- 日本学生支援機構の奨学金は、学生本人が借りる(または受け取る)制度です。返す必要のない給付型と、返す必要のある貸与型があり、貸与型には無利子の第一種奨学金と、有利子(在学中は無利子)の第二種奨学金があります。
教育一般貸付と日本学生支援機構の奨学金は、併用することもできます。
リタイアメントプランニング
老後の生活資金は、公的年金を土台に、退職金・企業年金・自助努力の貯蓄で組み立てます。退職後の収入と支出を見積もり、不足分を現役のうちから準備するのがリタイアメントプランニングです。
自宅を持っている人の資金調達手段に、リバースモーゲージがあります。自宅に住み続けながら自宅を担保に融資を受け、死亡したときに自宅の売却代金などで一括返済する仕組みです。
働く期間を延ばすことも老後資金の対策になります。高年齢者雇用安定法は、65歳までの雇用確保の措置(定年の廃止・65歳までの定年引上げ・65歳までの継続雇用制度のいずれか)を企業に義務づけ、70歳までの就業機会の確保を努力義務としています。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
住宅ローンの元利均等返済は、毎回の返済額が一定であり、他の条件が同じであれば、総返済額は元金均等返済よりも少なくなる。
答え合わせ
不適切です。毎回の返済額が一定という前半は正しい説明ですが、元利均等返済は返済当初の元金の減りが遅いため、他の条件が同じなら総返済額は元金均等返済よりも多くなります。後半が逆になっている点が誤りです。
応用
繰上げ返済の効果を考えてみましょう。
返済開始から5年目に100万円を繰り上げ返済する場合、期間短縮型と返済額軽減型のどちらが利息の軽減効果が大きいか。
答え合わせ
期間短縮型です。繰り上げた元金より後ろの期間の利息がまとめてなくなるため、同じ金額なら返済額軽減型より利息の軽減効果が大きくなります。あわせて、繰上げ返済は時期が早いほど、残っている利息が多い分だけ効果が大きいことも覚えておきましょう。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
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