ライフプランニングの考え方と手法
ライフイベント表・キャッシュフロー表・個人バランスシートの3つの道具と、可処分所得の計算、6つの係数の使い分けができるようになります。
ねらい
ライフプランニングで使う代表的な道具と手法を学びます。このレッスンを終えると、ライフイベント表・キャッシュフロー表・個人バランスシートの役割の違いがわかり、可処分所得の計算と6つの係数の使い分けができるようになります。
ストーリー
30歳の会社員の田中さん夫婦は、5年後に住宅を買い、その2年後に子どもの進学資金の準備を始めたいと考えています。「今の家計のままで、その希望はかなうのだろうか」。これに答えるには、将来のイベントとお金の流れを目に見える形にする必要があります。
ファイナンシャル・プランニングでは、この「目に見える形にする」ために決まった道具を使います。順番に見ていきましょう。
ライフプランニングの目的と進め方
ライフプランニングの目的は、人生設計上の希望や目標をお金の面から実現できるようにすることです。ファイナンシャル・プランナーは、まず顧客の家族構成・収入と支出・資産と負債・将来の希望といった情報を集めて現状を把握します。そのうえで問題点を分析し、対策をまとめた提案書を作成して、実行と見直しを支援します。
3つの道具
ライフイベント表
家族それぞれの将来の出来事と、そのときに必要な資金の額を時系列にまとめた表です。住宅購入・子どもの進学・退職といったイベントがいつ起こり、いくらかかるのかの見取り図になります。
キャッシュフロー表
ライフイベント表と現在の収支をもとに、将来の収入・支出と貯蓄残高の推移を年ごとに予測した表です。収入は可処分所得で記入します。また、給与や物価は変わっていくため、変動率を加味した将来の金額で記入します。現在100万円の支出が年1%ずつ増えていくなら、3年後の金額は100万円に1.01を3回掛けた約103万円になります。
キャッシュフロー表の収入欄で使う「可処分所得」は、次の式で計算します。
ポイント
可処分所得 = 年収 −(所得税 + 住民税 + 社会保険料)
年収から引くのは、所得税・住民税と社会保険料の3つだけです。生命保険料や家賃のような支出は、自分の意思で増減できるため差し引きません。ここは試験でも繰り返し問われます。
個人バランスシート
ある時点での家計の資産と負債を並べ、純資産を確認する表です。純資産は、資産の合計から負債の合計を差し引いて求めます。資産は買ったときの値段ではなく、その時点の時価で記入します。
3つの道具の役割をまとめると、ライフイベント表は「いつ・何に・いくら」の見取り図、キャッシュフロー表は「お金の流れ」の予測、個人バランスシートは「ある時点の財産の状態」の確認です。
6つの係数
資金計画の計算では、複利計算を簡単にするための係数を使います。試験に出るのは次の6つです。どれも**「いま知りたい金額に、対応する係数を掛ける」形で使います**。
| 係数 | 求められる金額 |
|---|---|
| 終価係数 | 手元の資金を複利で運用したとき、将来いくらになるか |
| 現価係数 | 将来の目標額を得るために、いま元本がいくら必要か |
| 年金終価係数 | 毎年一定額を積み立てながら運用したとき、将来の合計がいくらになるか |
| 減債基金係数 | 将来の目標額を積立でつくるために、毎年いくら積み立てるか |
| 資本回収係数 | 手元の資金を取り崩しながら運用したとき、毎年いくら受け取れるか |
| 年金現価係数 | 毎年一定額を受け取るために、いま元本がいくら必要か |
覚え方の軸は2つあります。「いま」を求めるのが現価係数と年金現価係数、「将来」を求めるのが終価係数と年金終価係数、「毎年の額」を求めるのが減債基金係数と資本回収係数です。そして「一括のお金」を扱うのが終価係数・現価係数、「毎年のお金」を扱うのが残りの4つです。
たとえば田中さん夫婦が「5年後の住宅購入の頭金500万円は、毎年いくらずつ積み立てればつくれるか」を知りたいなら、将来の目標額から毎年の積立額を求める減債基金係数を使います。
動かして確かめる
場面に合う係数を、6つから選んでみましょう。まずは田中さん夫婦の頭金500万円の例から確かめてください。
スタディード / 動く解説
場面に合う係数を、6つから見分ける。
次の場面に合う係数はどれでしょうか。選んで確かめてください。
例題
次の記述が適切か、不適切かを考えてみましょう。
キャッシュフロー表の作成において、可処分所得は、年収から所得税・住民税および生命保険料を差し引いた金額を用いる。
答え合わせ
不適切です。可処分所得は、年収から所得税・住民税と社会保険料を差し引いた金額です。生命保険料は差し引く対象ではありません。
応用
どの係数を使うかを考えてみましょう。
老後資金として、毎年一定額を20年間受け取りたい。受け取りを始める時点で必要な元本を求めるには、どの係数を使うか。
答え合わせ
年金現価係数を使います。「毎年一定額を受け取る」ために「いまいくらの元本が必要か」を求める場面だからです。よく似た現価係数は、将来の一括の目標額のためにいま必要な元本を求める係数であり、毎年の受け取りには使いません。反対に、手元の元本から毎年の受取額を求めたいときは、資本回収係数を使います。
分からなかった点・気になった点
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この章の問題を解く
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- 保険募集人の登録のないFPと必要保障額の試算に関する正誤判定解く
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